2011/4/27

merci  
 『序-プレファス』の初日が無事終了した。不安と、困難な状況が続いていたこのプロジェクト、日程も変え、公演回数も減らしての実施だったけれど、初日のお客様の反応をもらって、これまでやってきてよかったと思えた。客席の6割ほどがフランス人。国内では、これだけの数のフランス人の前で演じたのは初めてだったし、今回のテキストのようなモノローグも初めてだ。多重構造のモノローグ。誰かが書いた文章を盗み読みしている『序』の登場人物、とその役を演じている俳優としての私。
 演出もなかなか独創的で、どんな風にうけとめられるのかがとても不安だった。また、大きな災害が私達の心の中のいろいろなものを変化させている。

 分かりきっているはずのことだけれど、改めて、客席の観客の存在の大きさと、エネルギーとその空気が、芝居をつくるのだという実感をひしひしと味わう。単一民族の、オモンパカリ、も予定された共有感もないところからはじまる、緊張感。そしてmerci.

きのうは、劇団時代のかわいい後輩が、15年ぶり?で顔を見せてくれた。嬉しい。
今日は20数年ぶりに、大学の先輩が観にきてくださる。先日サルコジの同時通訳をしていた先輩のクラスメート!

今夜はどんな空気になるのかしら。 昨日終演後、市ヶ谷の某天狗では、パリ公演の話も持ち上がる。ワクワクしながら、出かけます。

『序-プレファス』セルバンテスセンター東京・市ヶ谷にて
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2011/4/24

「序-プレファス」という芝居  
 2010年の12月、ディディエという演出家と数名がミーティングをして、2011年春に2本の公演をしたいという話をはじめて聞いた。
 3月公演が『序-préface』、4月公演が『金縛り』二つの新作公演だ。3月は毎年パリで過ごしていた私にとって、久しぶりのイレギュラーな予定となったいつもとはちがう新年のはじまりだった。『序』はヴィルジニというフランス人女優、作家の書いた3人の女によるモノローグ。セクシャルな願望や、密かな心の打ち明け話だ。
 新年になり、正月3日から台本作りがはじまった。それから、3ヶ月ディディエの仕事の都合で週3回の稽古を継続してきた。本番があと一週間後に迫った時、大地震が起こった。
 直後に出演者のステファニは政府チャーター機で子供を連れてフランスに帰国。3号機が水素爆発した15日にミーティングをして、延期を決めたその日にディディエも息子を連れて帰国した。
 自分だけが置いていかれたような不思議な感覚に陥った。これで日本が終わるかもしれないなんて思い、去年取ろうと思っていたヴィザをとっていなかったことを後悔した。
ディディエは間もなく日本に戻ってきた。4月26,27日に、実施が決まり、ステファニも先週やってきた。ヴィルジニは、今週三回の稽古の三日目に成田から稽古場に直行してきた。

いろいろな思いが交錯して、来週上演することになる。当初予約していた観客の8割がフランス人だったが、どれほどの人々が戻ってくるのかは分からない。

震災以降、演劇のあり方やら、演劇人の姿勢やら、いろいろな論議が各所である。私には未だ答えが無い。

どんな本番になるのか、心もなにか乱れている。できること、を今やることしか、できない。金縛りの延期日程はまだ決まっていない。

劇団プロスペクト・テアトル プレゼンツ
『序〜プレファス』 -Préface-
ヴィルジニ・ジュクス作、ディディエ・ダブロフスキ(プロスペクト・テアトル)演出
2011年4月26日(火)、27日(水) 18時30分開場、 19時開演 
全自由席 3000円 (収益金は日本赤十字社へ寄付します)
会場:スペイン国営 セルバンテス文化センター東京 市ヶ谷
詳細→http://www.prospekt-teatr.com/#/page/3776829
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2011/4/6

décision  
東京の櫻が満開だという。
先週の水曜日、旧知の方が亡くなった。一報が入ってから、ご自宅へ急ぐ。私が芝居を始める頃に出会った人だ。人生の大きな転機だった。枕元で友人たちと酌み交わす酒。翌日もその翌日も。昔話は尽きない。金曜日は、葬儀屋さんと一緒にご遺体を運び出す。土曜日、通夜、日曜日告別式。最後はお骨になったその人と、近しい友人たちとで、思い出話をしながら、夜明けまで別れを言い続ける。悲しい悲しいお別れ。九州は大分へその人はお骨になって帰って行った。震災から、さまざまな不安、公演の延期、動揺、続く中で、その5日間は疲れ果てた。月曜日は、起きられなかった。エネルギー使いきっちゃったんだろうなぁ。
 放射能のことがいきなり恐ろしくなって、再び外出できなくなった。フランスとコンタクトがある友人たちは皆”国外退避”してるのに、なぜ私だけここに。とか。
 火曜日、3月に予定していた公演を、今月末にやろうということで、演出家ディディエと話し合う。震災直後フランスへ帰国してそのままになっていた出演者のステファニも、もどってくると電話がある。
その日、日仏学院で行われた、SPAC(静岡芸術劇場)のフェスティバル『ふじのくに-せかい演劇祭2011』の記者発表というのにある方の好意で出席していた。壇上で話すのは野田秀樹、宮城聰の両氏。今この非日常的な状況の中、劇場はその奇跡的な日常性を守り続けるべきなのだ、というお話の数々。
 放射能が漏れまくっている今この日本で、私はやっっぱり、今、やることしかないのだなと、心を決める。月末、に『序〜プレファス』の上演が決まった。
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