2013/5/23

Georges Mathieu  
 昨年、50余年赤坂で料亭を営んでいた伯母が85歳で店をたたむ決心をし、一人暮らしを始めた。高齢者にとって環境の変化が最も過酷なのだそうだ。伯母は、日を追うごとに、記憶が曖昧になり、認知症と診断されて、今は、その専門病院に入院している。
 おびただしい数の、美術品やら、食器やらを処分してきたが、伯母がこだわっていたものがある。フランス人画家、ジョルジュ・マチューの即興画だ。
 調べるうちに、彼が、旧フラン硬貨のデザインをしていること、去年6月に95歳で亡くなっていることなどが分かる。
先週になって、昨年秋、新国立美術館で、「具体GUTAI」展というのが開催されたことを知る。GUTAIとは、1950年代に、吉原治良という画家が起こしたムーヴメントだ。その年に、ジョルジュ・マチューが、ミシェル・タピという当時、「アンフォルメル」という抽象画の1カテゴリを提唱した批評家と来日し、多くの観客の前で、即興画を描く、Acting Paintのパフォーマンスをしている事実も突き止めた。
 マチューが、1957年におそらく、招かれた料亭の座敷で、即興で描いたものだろう。帯と着物に描いたなぐり書きのようなモチーフと、一枚のグアッシュがある。
本当なら、日本でこれが描かれたことが、美術史において、けっこう意味があると思うのだが、今、致し方ない。具体展をプロデュースしたキュレーターの方に、連絡をとってみたものの、だからどうすれば良いのか私にはわからない。
この三枚の絵の運命は、どうなるのかわからない。しかし、そういったルーツを知ると、とてつもなく、凄いものだと感じざるを得ないのだ。クリックすると元のサイズで表示します
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