2018/10/13

秘密の箱  
この12月に七回忌を迎える青年座同期の写真を探してた。十八代目中村勘三郎さんが亡くなった翌週に旅立った最愛の同志、M.一緒に苦労した。福島市出身。ルームシェアで一緒に住んでいたこともある。そんなこと、私が話さなければ誰も知らない。「夏の夜の夢」のタイテーニアと芥子の種。同じ箱には、先月亡くなった別のM.みっちゃんの写真、2005年のノエル。今日までパリの13年間が蘇る。別のアルバムは2003年の冬パリ、文化庁で初めて送られたパリで荷物が着かず、冷たい雨に凍えてた。ヴォルテールの公衆電話ボックス、勿論今はもうない。
 「News News-テレビは何を伝えたか」長野公演で、再会した高校時代の恩師で登山家の国語教師あの先生からのお手紙。先生と女生徒の薄恋慕、の記憶…消印は平成11年。
横浜の従姉妹たちからの手紙、文集、御巣鷹山の事故で消えたノーニンの追悼文集。そして大学時代の友人からの28年前の手紙。娘の写真が同封されている。あの頃、どんなことを考えていたのだろうか。大幅な軌道変更でわたしは演劇の世界に入り、今悉く縁のある場所と繋がっている。小学生になる前に住んでいた富久町に今ある、都立総合芸術高校でのしごと、父の地元横浜での高校演劇部。母の郷里長野での高校演劇審査。なんだろうこれ。そしてもはや30年になろうとしている私の演劇人生は、果てしなく甲斐も無くそして自由だ。
来年の作品は、富久町と四ツ谷三栄町出身の大先輩方がわたしの翻訳劇に出演してくださる。そんな光栄な巡り合わせ。来夏までは決まっている、弱音を吐いてはいられない。
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2018/10/6

一か月  
 今朝は3時台に目が覚めた。丁度ひと月前の朝と同じ。あの日メッセージに気づいたのは午前2時を過ぎていた。疲れているのになかなかベッドに入る気がしなくてホテルの狭い部屋で夜更かししていた。KENからのメッセだったのでドキリとした。パリはまだ宵の口だと思い電話を掛ける。Michiruが旅立ったと。6月も7月もパリで会って、覚悟は少しあったもののショックが大きくて言葉が継げなかった。にわかには受け入れられず、一旦電話を切る。もう3時、明日もあるから寝なくてはと横になり5分もたたなかった。午前3時8分、大地震。とっさにテレビを点けると地震を知らせる停止映像。間もなくブラックアウト、トイレから異音がして、水も止まった。自分の企画したワークショップで私は札幌にいた。北海道によく来るわけでもないのに20年くらい前の釧路沖地震の時も釧路にいた私。訃報を受けた時に札幌にいて、こんな大きな地震に遭って、頭の中の整理がつかなかった。みっちゃんの故郷といってもいい札幌。偶然とは思えなかった。どうなっているんだ。しかし、9月6日は札幌でのワークショップの最終日。今日はどうなるのか、どうすればいいのか分からない。翌日の朝、水と電気が戻る。空港へ行かなくては。なんとかして。電車は全面不通。タクシーしか無かった。講師たちを先に送ったタクシーを待ち構え、2時間かけて新千歳空港へ。幸い午後の便は飛んで、講師も成田へ送ることができた。パリ行きの飛行機を予約しなくては…葬儀の予定は…。KENにまた電話を。柩が火葬場へ送られる前に何とか到着できる便を購入した。片道20時間のフライトはこれまでの最長。心も身体も憔悴していた。数日前からの咳がひどくなっていた。…1週間後また20時間かけて帰国。その後もずっと咳が止まらない。10月に入って採血したが所見は無かった。もともと10月には演出している芝居の本番で行くことになっていたパリ、9月30日には発つ予定だったが仕事がありすぎた。4日の切符を7日に変更したがまだ迷っている。あと数時間のうちにどうやって決めたらいいんだ。
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2018/10/3

山手熱  
 9月最終週は、高校演劇の部活、横浜共立学園演劇部に通う。9月に起きた他のことどもは、改めて別に書きたいと思う。あまりにもありすぎた。さて、昨年、突然参加にもかかわらず地方ブロック大会を制し、横浜中央大会に進み審査員特別賞まで頂戴してしまった実績を重責に、後輩の高2生たちは、自ら選んだ難易度の高い戯曲に挑んでいた。彼らがやりたい、と言った以上、大会審査員受けが良いとか否とか、もはやどうでもいい。私は全面肯定で、彼らのコーチとして仕事を全うするのみである。それにしても、自分の体力が落ちていた。3週間続いていた咳が止まらない。しかし、大会で、彼らが輝くように何としても最善を尽くさなくては、と乙女坂をひたすら登る。登る。はじめての学校での通し稽古は絶望に近い感だった。しかし、彼らを最後まで信じずに何とするか。言うべきことは伝えあとは、彼らの底力を信じるだけ。9月29日台風24号が近づく雨の日に横浜地区大会Bブロック大会が開催された。客席で、身の凍る想いの私。スタッフワークと演技チームの息が全くあっていない。
翌日、部員からのメール。優秀賞を頂きました、と。え!次大会進出ならずとも、4位入賞ではあったという評価。奇跡的。やはり、君たちは何かある。でなきゃ、往復3時間の部活に通うモチベーションが私に無いだろう。難しい戯曲で大健闘。悪くはない出来だった。こうして、わたしの山手熱は止まないのである。今週末は秋桜祭、文化祭での発表がある。
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