dubdub雑記帳

　「殯の森」　河瀬直美監督，尾野真千子，うだしげき，斎藤陽一郎，ますだかなこ出演（日本，2007）。映画。

　タイトルは，「もがりのもり」と読む。第６０回カンヌ国際映画祭の審査員特別大賞を受賞した作品。グループホームのヘルパーとして採用された女性と認知症の男性との交流を描く。
　前半は，静かな雰囲気で癒し系の展開なのかなと思っていたら，後半は情念うずまく大変な展開に一変して，何とも評価の難しい作品。

　前半部分では，先輩女性との会話なんかが見所でしょうか。茶畑での追いかけっこなんかのシーンも悪くないですね。あまり，茶畑を見る機会がないので，こういうシーンは貴重です。

　で，後半ですが，新人の女性と認知症の男性とが二人でハイキングに行こうとするのですが，車が脱輪してしまい，男性はいなくなるは，雨が降ってくるわ，と大変な展開に（ちなみに，車が脱輪した際のもたもた感はリアルさがあっていいですね。）。
　加えて，新人女性のトラウマも現れて，森の中で二人の思念と亡くなった者たちの思念が混じり合うかの様相に。

　裸で体を温めるシーンとか，無理がある気がしちゃいますが，アンダーグラウンドな映画だと思えばさもありなん，と許せる気もします（？）。

　というわけで，これは一風変わった作品で，どちらかというとアンダーグランウンドな作品らしいと思ってみると許せるかも。