
「
帝国アメリカと日本 武力依存の構造
」 チャルマーズ・ジョンソン(集英社新書,2004)。
昨日の映画日本国憲法にも出ていた,アメリカの軍国主義化を告発する国際政治学者チャルマーズ・ジョンソンの3つの論文を集めた新書。
アメリカ軍国主義とブローバック,三つの冷戦,武力は過ちを犯すの三本立て。現在読んでいるところだけれど,頬をバシバシ殴られるような衝撃を受けている。
憲法9条問題は,軍事問題な訳で,この軍事問題は国際的な視野で見ないと何も分からない。その文脈を読む上では,アメリカの姿勢についての分析が必要だ。そういう意味で,CIAの政治顧問もしたチャルマーズ・ジョンソンの記載は非常に参考になるというか,知らないことばかりで,びっくりする。
日本は軍部が結局政治を掌握してしまったけれど,アメリカでも同様なことは進行中な訳です。そういう意味で言えば,もしかしたら軍部を抑えられなかった日本の戦前の経験は反面教師としてアメリカの役に立つかもしれない,などと思ってしまいました。
水産高校の練習船えひめ丸が沈没した背景にあんな無茶苦茶な事情があったなんて(つまり,民間人へのサービス航行中だった)。
冷戦中のアメリカと冷戦後のアメリカについては,意外に日本人の知識は不十分なことがある。その意味で,本書を基点にしていろいろと調べてみたいと思いながら,ただいまゆっくりと読書中。
あと,本書にもちょっと出てくる,
ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)のレポートも余力があれば目を通したい。やっぱり情報だよね,重要なのは。
最低限の英語力の必要性を痛感するのでした。

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