
何度か酒はほとんど飲まないという話を書いているけれど,この間東京に行った時に,青山にある
ピエール・エルメで,デザートを買った。
このお店,カラフルなマカロンが綺麗で,デザートブティックといった高級感を醸し出している。菓子ごときで,じゃんじゃか稼ごうというのだから(まあ実態は分かりませんが),その心意気がいいですよね。
マカロンは,まあ,これがうまいとかまずいとかいう味の問題もあるだろうけれど,日常の光景としてマカロンを見ることが少ない日本人的には,素朴にどきどきしますね。
どぎつい色のビーンズなんかを見て,実際の味なんかどうでもいいのだけれど,とにかく一粒分けてたもれ,と言いたくなる心境というか。
もちろん,教育基本法新法の通った現状では,日本の菓子だって負けてはいないぜ,カステラのやわらかさよ(あ,オランダ渡来か)とか,豆大福の豆の配置が宇宙を暗示しているとかいう愛国的言辞を施しておかなくてはなるまい。
さて,そんなアンビバレントな菓子娯楽道の中で,この3層プラスマシュマローなデザートも異国情緒が漂いますね。店員さんには,下の層まで一緒に食べてくださいね,と頑固爺さんが聞いたら激怒しそうなコメントをもらい(「食い方の指図は受けねえ〜」とか怒鳴ってそう),食させてもらいました。
最近の菓子は,甘さを控えなくちゃ売れない。当然日本対応は,ばっちりですよ。700円を超える高級菓子の世界を,底まで刺したスプーンに引き寄せられる細長い一口を通して垣間見る。この世界も結構奥深いんですよ,これが。

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