「銭」 鈴木みそ著(エンターブレイン)。マンガ。
現在は5巻まで刊行(未完)。幽霊になったジェニーとチョキン(後にマンビも加わる)がお金の現場に潜入する物語。
第1巻は,マンガ雑誌,アニメ,コンビニ,第2巻は,ゲーセン,同人誌,第3巻は,カフェ,ブリーダー,第4巻は,声優,骨董,第5巻は,メイドカフェ,AV(前の巻の話が続いている場合もありますが,初出の巻を挙げました)を取り上げる。
最初のころは,舞台裏に迫るという感じで経済マンガ的な色彩が強かったのですが,巻が進むにつれ,どちらかというとストーリー重視な展開になってきました。このあたりは,評価が分かれるだろうと思います。
パッと見,やってみたいなーという商売が,実際に経験してみると随分違うというのは結構あるものです。これを世の中甘くはないとまとめてしまうと安易ですが,儲けの仕組みを知った上で職業を考える(あるいは選択する)というのも実はそれなりに大事なことだろうと思います。
もちろん,儲けがいいだろうからなんていう理由で選んだ仕事は長続きしないのがほとんどでしょうが。
で,そういう舞台裏的なものを過剰に期待する層には,必ずしもこのマンガは向いていないような気がします。というか,マンガよりも業界内幕物の安っぽい本を読んだ方がはるかに効率がいいでしょうね。そういう意味では,ストーリー重視の方面に向くのはやむを得ないことだと言えるでしょうね。

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