「王の男」 イ・ジュンイク監督,イ・ジュンギ,カム・ウソン出演(2005,韓国)。
大道芸人のチャンセンとコンギルは,二人で出し物を演じるコンビ。女形であるコンギルは,美形故に男娼まがいのことを要求される。これに腹を立てたチャンセンが,コンギルを連れて大都会漢陽へ逃げる。チャンセンは,王をだしにした喜劇を思いつき大歓声を受けることになるが,これが王を侮辱したとして処罰されそうになる。チャンセンは,これは侮辱ではない,王も笑うはずだと王の前で演じた上で笑わなかったなら死罪にしろと迫る。
歴史物風に,同性愛ぎりぎりの展開で,芸人の世界を描いていくというなかなか風変わりな作品。芸人物という意味では,同じ韓国映画の「ラスト・プレゼント」にも通じる。
韓国の伝統芸能系って,実はかなり好きです。以前に韓国に行った時に,伝統芸能を見たんだけれど,やはりアジアとして通じるものがあるんだなーと納得しました。
今回も冒頭の伝統芸能風の演技からやや猥雑な大道芸にという流れは素朴に楽しむことができました。この映画は,映画プラス大道芸の醍醐味があります。
話の筋ですが,やや破天荒な感じですね。特に王様の狂い加減というか,なんか微妙な感じで,笑えばいいのか,危機感を感じればいいのか,同情すればいいのかがいまいち掴めない感じでしたね。
主役二人の演技は手堅く,好演していました。

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