朝起きてホテルの部屋から
中庭を眺めた。このホテルには
7つの庭がある。昨夜は暗かったのでよくわからなかったが、明るいところで見ると、建物の構造が容易に理解できる。前夜
“迷子”になって一回りしたというホテルの
館内案内図を参照頂きたい。
団体客は
6時30分から
朝食をとることができるとのことで、早めに朝食会場に向かった。それでもたくさんの
宿泊客が殺到していた。この日は
ごはんだけでなく
パンも頂くことにした。朝食を終えると、一旦部屋で休憩してから再び1階
アトリウムロビー(中央ホール)に集まった。
この日の出発は
8時30分。朝からあいにくの
雨模様で
天気予報は見事に当たってしまった。最初に向かうところは、京都市内の
「京つけもの大安(だいやす)」。漬け物のみやげ買いで決まりだが、
タビックスと
契約して
団体客を運んでくれるのだから、安定した
集客力を誇っていることだろう。大半のメンバーが
30分という限られた時間内にたくさんの
みやげを買い求めたようである。京都と言えば何と言っても
「千枚漬け」。
女房からは
「何を忘れてもこれだけは買ってきて」と念を押されている。何枚も入っていないが結構な値段がするものだ。ついでに
八つ橋も買ったので、もういいだろう。店の名前が
「大安(だいあん)」かと思いきや
「大安(だいやす)」だという。筆者は
「大安(おおやす)」で
安売りの店かと勝手に思い込んでいた。それでも、
化学調味料・保存料・合成着色料はいっさい使用していないというのだからから、まずは安心してよい。
そして今回の旅行の
しんがり(トリ)を務めるのは、
京都五山のひとつに数えられる古刹
「東福寺」である。東福寺の名は、
「洪基を東大に亜(つ)ぎ、盛業を興福に取る」と言われるように、奈良の二大寺である
東大寺と
興福寺にちなんで名付けられたという。バスの中で
ガイドの案内を聞いているだけで胸がわくわくしそうな雰囲気だ。ただ問題は
外の雨。
井上陽水の
「傘がない」の歌を思い出す。
東福寺の地理的位置が分からずにいたが、
京都駅からそれほど遠くないところにあるようだ。東福寺の中でも1番のハイライトは、本堂と開山堂を結ぶ
「通天橋(つうてんきょう)」からの眺めと言われている。東福寺近くの道路でバスを止め、東福寺に向かおうとしたところ、
Mさん、
Kさん、
OAさんの
三役が揃って
傘を持っていない様子。恰好は付かないが
男同士で
相合傘で歩いた。
やがて
紅葉の塊とでも表現した方がよいほどの紅葉が目に飛び込んでくる。この先
説明は省略して、とにかく
写真を見て頂きたい。
感嘆の声が上がるのも無理もない。しかも
雨だというのにこの
人の群れはどこからやって来たのだろうと思うほどの
観光客である。
拝観料だけでどのくらいになるだろうなどと勘繰るのは筆者だけではなかろう。
添乗員の話によれば、
前日は日曜日で晴天だったこともあり4万人の参拝者があったらしい。この日も
平日とは言え、
2万人は優に入るかもしれない。
旅行もようやく
フィナーレを迎える。
11時20分に東福寺を後にして名神高速道路に乗り
伊丹空港に向かった。
正午に空港に
到着して荷物を預けると、各自で
昼食を取り、売店で最後の
みやげ買いとなる。
午後1時40分に
出発ロビーに集合して出発を待っていたところ、
25日(日)に行なわれた
大阪マラソンで
3位に入った
佐藤敦之選手夫妻が目に入るではないか。
北京オリンピックに出場した
会津が生んだ
ヒーローである。現在所属チームの
中国電力を
休職して、地元
会津に帰って
復興の手助けをしている。出身地の
福島に
活動拠点を移し、
「何とか福島の力になりたい。故郷を盛り上げて子どもたちに走ることを教えていきたい」という気持ちからの決断なのだ。すぐに声を掛けて
写真を撮らせて頂いた。人当たりの良さそうな
美保夫人の笑顔がとてもいい。同じく何人かが写真を撮っていたが、
サインをもらったのはエンピロだけである。
帰りの飛行機は
アイベックスエアラインズの
プロペラ機であった。便名は
ANA1695便となっている。
福島便は
IBEXエアラインズ・ANAの
コードシェア(共同運航)便による運航で、IBEXエアラインズ機材および乗務員にて運航する仕組みなのである。
OAさんが
「プロペラ機もエンピロのプロペラペラにはかなわないだろう」と話して
大笑いとなった。機内に入って
座席が
美保夫人と
エンピロが並ぶことになってしまったが、エンピロがすぐに気を利かし、添乗員と並んでいた
佐藤敦之選手と
席を交換してやったのは言うまでもない。最後に最高の
みやげ話ができた。
福島空港に到着した時、
美保夫人は丁寧に
「ありがとうございました」と
お礼を述べて行った。一緒に撮った
写真とサインは大切に保存しておきたい。なお、今度のレースは来年2月の
東京マラソンの予定。佐藤選手の更なる飛躍を期待したい。
最後に、この旅行を企画して頂いた
タビックスと
添乗員Cさん、並びに3日間運転して頂いた
大川交通の
ドライバー、
ガイドを務めて頂いた
大阪北ガイドクラブの
Hさんに感謝を申し上げるとともに、
5回にわたって
「旅行記」にお付き合い頂いた
ゲストのみなさんに御礼を申し上げたい。

ホテルの中央ロビー。朝食時に2階から撮影。

この日も朝から食欲旺盛。

ホテルには7つの庭園がある。
出発を前に寛ぐメンバー。

瀬田川に架かる「瀬田の唐橋」。バスの車窓から。

千枚漬けに使われる京かぶ。

結構な値段がついているが、一行はたくさん買い求めた。

筆者が買った「千枚漬け」と「山椒風味おかずごぼう」、「赤かぶら姿漬」。

東福寺に向かう途中。
雨粒がカメラの
レンズに付着してしまい
悪戦九十かい?

観光客でごった返す通天橋。

通天橋に入ってすぐに撮影。う〜ん これも残念!

これは何とか…。

開山堂の庭の緑も紅葉と対照的で実にすばらしい。

いつになっても客の足が途絶えることはない。

東福寺本堂

雨でレンズが濡れてしまい、思うように写らなかった写真をトリミングしてみた。

絨毯のような落ち葉紅葉

名残惜しく帰り道に通天橋を眺める。
お世話になったドライバーとガイド。
ガイドさんとツーショットのエンピロ。
佐藤敦之選手とツーショット。
美保夫人は陸上800m日本記録保持者。

「マラソン 中国電力 佐藤敦之」と書いてあるサイン。

滅多に乗る機会がないプロペラ機。座席はプロペラの真横であった。

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