30日(日)は
午前7時30分から
野鼠(やそ)駆除が行なわれた。集落公民館前で、
農事組合役員が駆除剤である
「ヤソヂオン」を配布した。
「ヤソヂオン」は
殺鼠(さっそ)剤であるが、
劇薬に分類される。ちなみに、2年前まで配布されてきた
「固形タリウムS(硫酸タリウム)」は
普通薬であり、効果が薄いということで、昨年から劇薬の
「ヤソヂオン」に
変更された。なお、劇薬よりも危険なもの(致死能力の高いもの)は
「毒薬」と呼ばれ、危険でないものは
「普通薬」と呼ばれる。
ネズミは雪解けとともに活動を始める。
野鼠駆除をやろうと思えば、
田畑の雪が消えて地面が出始めた頃が理想的だ。
袋(500g入り)には
小さい袋(5g入り)が
100個入っているようだ。10アール当たり200〜300gを投入すると書いてあるが、
3袋配布されたので十文な量だろう。ちなみに
昨年は1袋しかもらわなかったので加減しながら使った記憶がある。殺鼠剤を使用するので
使い捨て手袋を準備した。これは
「人間のにおい」をつけないためである。
あいにくの
小雨の中、自転車に乗ってすべての畑、田んぼを回った。多くの人が
畑に施していたが、筆者は
水田の畦畔を中心に投入してきた。畦畔にはたくさんの穴が空いているが、どの穴でもよいわけではない。毎回話題にしてきてはいるが、
鼠穴(ソケツ:ネズミ穴)には
「生き穴」と
「死に穴」に分かれる。つまり、現在
利用されているネズミ穴と
使われていないネズミ穴があるわけだ。
殺鼠剤を
「死に穴」に入れても、ネズミが食べる確率は低く無駄になる確率が高い。それでは、
「生き穴」と
「死に穴」をどのように
区別したらいいのか。次のようなことを念頭に置くと役に立つ。あくまで筆者の経験から
推測したものであること承知のうえ参考にして頂きたい。
生き穴と思われるものは、
○穴の近辺に藁や枯れ草などが被っていないこと。
○穴の形が円に近いこと。
○穴の回りが崩壊していないこと。
さらに、
殺鼠剤を使用する際には、次のことに
注意する必要がある。
(1)使用の際は
手袋を着用すること。これは
喫食効果を上げるためであり、
割りばしを使って穴に押し込むようにするのもよい。人間が触ったものは、ネズミが警戒して食べなくなる。
(2)
農薬登録された商品なので、
家ネズミ用としては使わないこと。
(3)
犬、猫、家畜等の
二次被害があるので、住家の近くでは使用を避けること。
薬剤をまく
前日に開いている
穴を全部ふさぎ、
防除当日再び開いた穴に薬剤を
投入すると、効果的である。これは再び開いた穴は
「生き穴」だからである。だが、手間が掛かるので、実践している人はほとんど見かけない。 さらに、
ネズミは
学習能力があるので、人間が仕掛けた
罠にみすみす引っ掛かるはずがない。

殺鼠剤を配布準備する農事組合役員。

配布された「ヤソヂオン」

畑で殺鼠剤を投入する住民。

小袋には「医薬用外劇物」と書いてある。

穴の中に押し込む。浅いと鳥が食べてしまう危険がある。

これは穴が丸く草も被っていないので「生き穴」と思われる。

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