人が
死亡した時の
お知らせに、
「薬石効(やくせきこう)なく永眠いたしました」などと使われる。これは、いろいろと
治療を尽くしてみたが、その
効果なく…ということの意である。この
「薬石」であるが、
「薬」は説明の必要はないとして、果たして
「石」というのは何の意味なのかと疑問に思ったことはないだろうか。昔は
石を使った治療法でもあったのだろうかと思ってしまうかもしれない。結論から言うと、実際に
存在したのである。
実は、
石とは
鍼(はり)、
鍼灸(しんきゅう)の
鍼のことを指す。
漢方医学では
鍼の歴史は大変古く、
紀元前3世紀ごろには
中国大陸では病気治療に使われていたという。なぜ鍼が
石と関係するのかと言えば、 現在では
金鍼、
銀鍼や
使い捨てステンレス針が使われてるが、最初の頃は石を尖らせた
石鍼が使用されていたのだ。そこで
「薬石」といえば薬や鍼、
治療法の総称となり、
「あらゆる治療法を試みてみたが…」という意味になる。
●参考文献
「つい誰かに話したくなる雑学の本」(日本社)

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