波紋は岩がオーバーハングしている所に出来ていた。
いったい何者?
しかし、オーバーハングしている部分が陰になってよく見えない・・・
ここは熱帯・・・日本とは違い、危険動物がいる可能性もある・・・
しかし、ここで引き下がっては悔いが残る。
岩場をのぞき込むように近づく・・・・波紋がさらに大きくなる・・・
これはやばい・・・念のため、周りを確認する。
みんなはすでに森の斜面に入っていて姿が見えない。
ここで、得体の知れぬ危険動物と格闘することになっても助太刀は望めない。
足下がヒヤッとした・・・・長靴が水没している・・・・
もうあとには引けない・・・・
迷ったが、意を決してさらにのぞき込む・・・・
その時、キラッと輝く丸い物体が水面を滑るように回っているのが目に入った。
・・・・なぁーんだ・・・ミズスマシか・・・
緊張の糸が一気にほぐれ、強気になる。
岩の陰に頭を入れるようにしてのぞき込むと、いるわいるわ・・・
ミズスマシがうじゃうじゃ・・・
時々、あぶれたのか、岩場の陰から飛び出してくる個体がいる。
どれくらいいるのだろう?
海獣さんが貸してくれた水網をザブンっ!!と一気に入れる。
ビシャビシャビシャ・・・・
一網で50頭くらいはいるだろうか・・・・大量のミズスマシが入った。
適当にタッパーに入れる・・・どうやら、大中小・・・最低3種類はいるようだ。
危険動物なんて、いやしないさ!
気が大きくなって、川をさらにさかのぼる。
薄暗い所では、カワトンボの仲間が止まっていた。
翅が透明でおもしろくないね。普通種でも翅が金緑色の輝きを持つミドリカワトンボの方がまだましだよ・・
そう思いながらストロボをたいてシャッターを切る・・・
写ったトンボを見てビックリ!!
透明だと思っていた翅がブルーのネオンサインのように光っていた・・・
川沿いの斜面では、イラガの仲間の幼虫を発見。
この白さ・・・日本にはいない種だね。
まるで、ウミウシのようにも見える。
石がゴロゴロした川底にはカニがいた。
恐らくサワガニの仲間だろう。
それにしても、虫の数が少ない・・・・
トンボはトンボ科2種とカワトンボの仲間しか見ていない。
チョウも一見多いように見えるが、こんなもんじゃないはず。
虫が少ないということは、冬虫夏草も少ないのではないか?
冬虫夏草を探索に入った6人はちゃんと採集できたのだろうか?
不安になる・・・
すると、上流から人影が・・・・
戻ってきたようだ・・・

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