20日の夜は、南会津町内に宿泊。
食事の後も部屋で地元の銘酒を飲みながら、バッタ談義。
夜も12時を回った頃、トイレに行ったSさんが、ヒメササキリを手にして戻ってきた。
特に珍しい種ではないけれど、
「どこにいたの?」
「玄関の明かりに・・」
夜更けにもかかわらず、全員が出動。
懐中電灯で宿の玄関で虫探し・・・
さらに、宿の周囲の虫の声に、
「あれは、タンボオカメ・・・カンタンもいるね」
「おおっ!ハラオカメとツヅレサセのデュエットだ」
「向こうの森にいるのは、ヤブキリの切り鳴き型だけど、ちょっと声の高さが変だね」
こんな調子で、あっという間に午前1時を回ってしまう。
翌21日は、別の湿地でイナゴの調査。
朝9時に出発したけど、途中の草原で早速バッタ探し。
「ここのエンマコオロギは小さなね」
このままだと、どんどん時間が過ぎてしまうので、せかして移動。
湿地入り口で車を降りると、すぐさま、駐車場脇の林縁にしゃがみ込み、バッタ探し。
コバネヒシバッタを探しているとのこと。
捕まえてヒシバッタを手にして、
「ホクリクコバネヒシバッタの体型だけど、背中のラインがちょっと違うね」
「関東のコバネヒシとも違うから、中間型かも」
こんな議論が続く・・・
湿地入り口まで15分ほどの道のりが、あっという間に1時間半も経過・・・
湿地の木道に到着したのは、11時をとっくに回っていた。
湿地でもそれぞれのペースで調査。
問題のコバネイナゴは、ここでもかなり小さい。
そして、湿地での調査も終わり・・・と思った時、Sさんが、
「このトンボ、何でしょうか?」
見せられたそのトンボは・・・・・
!!!!
(スミマセン、写真など詳しくは後日、お見せします)
声も出ないほど、驚いた!!
これまでの生息地からはかなり離れている・・・・
今後、詳しく調査しなければならなくなったな・・・
湿地の調査を終えた時は、すでに午後1時を回っていた。
もう一カ所、別の湿地に行く予定だったけど、時間がないので諦め、
8月5日にカワラバッタを見つけた河原へ行ってみることにした。
目的は、只見町だけで記録されているヒゲナガヒナバッタの確認。
アユ釣りの人を気にしながら河原を歩くと、すぐに、
「いましたよ!」
Wさんが♂を発見。
あまりにもあっけなく、福島県2カ所目の生息地確認となった。
写真はヒゲナガヒナバッタの♀。
普通のヒナバッタに比べて、顔や胸の部分が白いのが特徴。
河原の石に似せているのかな?
この他、カワラスズの見つけ方も教えてもらった。
鳴き声を頼りに、その下の石を起こす・・・というもの。
かなり大変な作業だったけど、ここの河原にもいることが確認された。
おそらく、福島県初記録・・・
夢中で調査していたら、すでに午後3時をまわり、そろそろ帰ろうか、という時、河原の別の場所で何かを探していたSさんが、
「予想通り、カマキリバエが沢山いましたね」
カマキリバエ!!
前脚がカマキリのようになっている格好いいハエである。
西日本だとミナミカマバエというのがいるらしいけど、これらのハエはいつかは見たいと思っていた種。
それが、いともあっけなく見ることができるとは・・・・
そいつらがいた場所をSさんに聞き、みんなで行ってみる。
河原にできた浅い水溜まり・・・
そういえば、8月の時もあったよ・・ここは・・・
そのちょっと汚れた水面や小石の上に、3〜5ミリほどのハエがたくさん止まっている。
カマキリバエは、その中にいた。
カマキリに似ているには、前脚だけではない。
顔も逆三角形で、カマキリ、さらには肉食系の象徴である。
気が付くと、すでに午後4時を回っている。東京のバッタ屋さんの家に夜8時までに行かなければならない、ということで、2日間の調査は終了〜
興奮状態のまま、帰路についたのでした。

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