北欧のような福祉社会への願望  社会

宮本太郎著「生活保障」を読みました。地域で、安心で信頼のもてる社会をどう築けるのかは恐らく国民すべての大きな関心事ですが、著者は北欧での生活や研究もふまえ、比較政治、福祉政策論の立場で書いています。

細部は省きますが、著者等が2007年に行ったアンケートでは、望ましい国の形を聞いたところ、58.4%が「北欧のような福祉を重視した社会」を、31.5%がかつての日本のような終身雇用を重視した社会を選んでいます。ただ、財源の確保は、行財政改革をして国民の負担を減らす」が46.6%でした。小さな政府志向と福祉社会志向が組み合わされています。

著者は、今の日本にそっくりあてはめられる社会制度などないことを前提にしながら、スウェーデンの「就労原則」、英国の「福祉から就労へ welfare to work」のように、社会保障と雇用をつないだ言葉に注目し、それが重要な役割をしている、としています。「生活保障」という言葉は、この「社会保障」と「雇用」を包括するもの、と位置づけて、比較分析しています。

目を引いたのは4つの橋。参加支援を組み込んだ「交差点型」社会、と呼んでいます。ドイツの労働経済学者ギュンター・シュミッツのモデルを土台にした考えのようです。

人々の「自立を助けること」を重視すると、安定的雇用を達成することが大変重要なゴールになります。ここから一度飛び出して学んでまた戻って来る「教育」の橋。出産などで家族に集中したあと戻って働く「家族」の橋。さらに一時失業してもまた安定雇用に戻る「失業」の橋、そして体と心の弱まりに対処しつつ働き続ける、生き難さを解消する橋。

今、盛んに使われているベーシックインカムもよく出てきます。麻生前首相の定額給付金がいわばこれにあたるとは知りませんでした。

カバー裏に書かれた紹介文にはこう書かれています。

「不安定な雇用、機能不全に陥った社会保障。今、生活の不安を取り除くための「生活保障の再構築が求められている。日本社会の状況をふり返ると共に、北欧の福祉国家の意義と限界を考察。ベーシックインカムなどの諸議論にも触れながら、雇用と社会保障の望ましい連携のあり方を示し、人々を包み込む新しい社会像を打ち出す。」

わたしもこのごろ、安心社会のベース、特に都会ではなく地方における安心と信頼は、安定した働き口が基本だと思うようになっていたので、この「生活保障」の視点はかなり得心がいくものでした。残念ながら理解力が伴いませんでしたが…(-_-;)

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