どちらに木を倒すのか  社会

日本のGDPの0.1%にも満たない林業は、もはや「業」なんかじゃない、
といわれてきましたが、原子力が後退を余儀なくされる今、もう一度、
業としてカムバックするのではないかと、予想しています。

その基礎的なところに生産性がありますが、ドイツやオーストリアの樹木の
伐採システムは、わたしが知る限り、極めて効率化、特に運搬用路網
整備がされています。そしてそれと不可分なのが伐採技術。

昨年、EUがこの方法以外、許可されないというチェンソーによる伐採の
テクを勉強熱心なプロに学びマスターし、昨日は、その木が傾斜している
方向とは別の方角に倒すことに成功しました。ちょっとした、いろいろな目覚め。
それでこの日記を書いています。

いえ、今までできなかったというのではなく、その必要がなかったのです。
人の居ないところでやるので、倒す方向をあまりシビアにコントロールする必要が
なかった。

このテクは、コントロールと同時に、実は安全性が著しく高いのです。
伐採の最後は、ハンマーでクサビをトントンとたたいて、まるでボタンを
押すように倒すのです。毎年、労災事故を起こし、死亡が多い林業ですが、
実はこんなノウハウが欧米にはあったわけです。

昨年わたしは、カナダの木材貿易に関わる方に、やや自慢げにこのテクを
しゃべったのですが、彼はそれはカナダ人が以前からやっている、と即言い、
ちょっとびっくりしました。「ひょっとして、井の中のカワズだったか!」
翻って日本は、こういうテクの紹介を森林組合なども紹介するどころか、
知らなかった形跡があります。とすれば、恐ろしいことです。

今、森林林業の再生に向けたプラニングが始まっていますが、林業が
実は1960年代の、まるでTPPのさきがけのような関税撤廃によって
落ち込んでいくのと同時に、実は、技術革新から大きく取り残されていた、
という感覚を持ちます。ひょっとして、現場は不勉強だったのではないか。

また、2、30年前、北欧の林業関係のカタログは、極めてファッショナブル
であり、トラクターに取り付けるアタッチメントも多彩でした。働きかたの
デザインともいえます。近年、なんとなくそれに気づき、ドイツやスウェーデンの
カタログをみながら、安全で効率のいいツールを少しずつそろえてきた
ところでした。

なんだか、取り残されてしまったような感覚を、少しずつカバーするような活動をこれからはしていこうと思います。来週は、チェンソーの講習会の3回目を開きます。

写真:直径数10センチも安全に倒すことができる
クリックすると元のサイズで表示します
雑木林&庭づくり研究室
http://homepage3.nifty.com/hayashi-kokoro/index.htm
NPO法人苫東環境コモンズ
http://homepage3.nifty.com/hayashi-kokoro/commons00.html
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