雁とお月さま  林とこころ

昨日は満月、今日はもう十六夜。十四夜は小望月(こもちづき)と呼ぶようですが、
その夜遅く、南中にさしかかった頃、ベランダで椅子に座っていると、ガンの群れが月を
南西に横断していきました。

夜更けや朝方、布団の中で聞こえてくるハクチョウやガンの渡りのときの鳴き声は、時に悲しげ、またあるときには勇気に満ちたものに感じます。どちらかといえば、悲しげに聞こえるといっていいでしょうか。

万葉集をみると、夜や朝まだきのガンの声にはかように反応しています。


  さ夜中と夜は更けぬらし雁が音の聞こゆる空ゆ月渡る見ゆ

  我が宿に鳴きし雁がね雲の上に今夜鳴くなり国へかも行く

  朝に行く雁の鳴く音は我がごとく物思へれかも声の悲しき


花札模様が象徴する花鳥風月をみて、かつ万葉の歌を見ていると、のどかな
光景に見え、万葉人がいかにもゆっくりズムの平穏な日々を送っていたのだろうかと
推察もできます。

しかし、恐らくは、花鳥風月というのは、自然界と人をつなぐ窓のようなもので、
人々は全身全霊で自然を気候の情報、芸術、療養などなどさまざまなヒントを
そこから得ていたのではないか。花鳥風月との付き合いはのどかさではなく
緊張にも近かったのではないか。

忙しく立ち振る舞う現代のわたしたちが、なにか進歩、進化の形にあるかどうかは、
軽々には全くいえないんだ、と思っています。
雑木林&庭づくり研究室
http://homepage3.nifty.com/hayashi-kokoro/index.htm
NPO法人苫東環境コモンズ
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