2012/4/24

一枚の資料から―日車標準車体(上)  ミニ資料室

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御存知、モハ11号。
この車両は、1933年製の旧モハ14号(廃止時に在籍した14号とは別)の部品を流用し、1966年製の車体と組み合わせて誕生した車両であり、俗に「車体更新車」と呼ばれるものである。
電鉄で活躍した電動車8両(11、12、14、18、19、21、24、25)は、1960年代にほぼ同一スタイルの車体に更新し、廃止時まで活躍した。この車体こそが、今回取り上げる「日車標準車体」である。

本記事(上編)では、新潟交通における日車標準車体について簡単に解説し、下編ではある1枚の資料について紹介する予定である。
尚、各車の詳しい来歴や詳細などについては、愛好家の皆様のウェブサイトに詳しく記載されているところがあるので、ここでは割愛する。

第二次世界大戦後、地方私鉄の老朽化した車両を更新するため、日本車輌製造株式会社(以下「日車」)が製造した廉価版標準車体を「日車標準車体」といい、新潟交通の他に岳南鉄道、松本電気鉄道などでも見られた。
※日車標準車体の近縁として、同じ日車製の同和鉱業小坂鉄道のキハ2100形なども挙げられるが(※厳密には窓サイズなどが異なるので「近縁」とする)、今回の説明から除外する。

新潟交通の場合、1960年10月のモハ19号が車体更新の始まりで、旧モハ19号を継いでいる。さらに遡ると東武鉄道デハ6に行きつく。(故に、廃止時の19号は2代目となるわけである)
その後の改造は、
・モハ18(←旧クハ38←国鉄クハ6300)…1962/12
・モハ14(←旧モハ11)…1963/12
・モハ11(←旧モハ14)…1966/12
・モハ21(←旧モハ13)…1967/12
・モハ12(←旧モハ12)…1968/12
・モハ24(←旧モハ17←東武鉄道デハ7)…1969/12
・モハ25(新製扱い 台車は旧モハ15のもの?)…1969/12
※旧車号は書類上によるもの
といった順で行われた。

さて、最初に改造された19号と最後に改造された25号では約10年の差がある。
この間に2回のマイナーチェンジがあり(厳密には3回)、その差異は容易に見ることが出来た。ここでは便宜上、「前期形」「中期型」「後期型」と区分する。
◆前期形(11・14・18・19)
前期形の特徴としては、
・ガーランド形ベンチレータ
・前照灯が小型の砲弾型
・車内灯がスリムライン蛍光灯8灯
が挙げられ、さらに
・14号、18号、19号は床が板張り(18号の出入口付近のみリノリウム張り)/11号はリノリウム張り
・14号、18号、19号は座席袖仕切が“つ”の字型/11号は“「”形
という、同じグループ内でも差異がみられた。

◆中期型(21)
中期型の特徴としては、
・ガーランド形ベンチレータ
・前照灯が大型
・車内灯が蛍光灯16灯
・床材はリノリウム張り
が挙げられる。

◆後期型(12・24・25)
後期型の特徴としては、
・箱形ベンチレータ
・前照灯が大型
・車内灯が蛍光灯14灯
・床材はリノリウム張り
が挙げられる。

その後、各車共通の改造としてドアエンジンの取付(自動扉化)や列車無線の取付、ワンマン改造が施行されている。
ワンマン改造の際には運転席直後、向かって右側の座席が撤去され、自動両替機付運賃箱や整理券発行機の取付等が施されている。
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上の写真は、月潟駅の11号客ドア上部にある丸い突起。
これは、ワンマン化改造当初にドア照明(ドア開放時に白熱灯が点灯する。バスの後ドアをイメージして頂ければわかりやすい。)を付けていた跡なのだとか。暫くして撤去された模様だが、24号の一部には最後まで残存していたという。

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もうひとつ。座席袖仕切脇に1本のポールが立っているのがお分かりだろうか。このポールの上部には環状の金具があり、鎖を掛けられるようになっている。ワンマン化開始当初は、通路側(ややドア寄り。写真では濃い灰色の床補修跡のあたり)にもう1本同様のポールがあり、鎖を掛けて乗客の流れを確保していたようである。

その他、廃止前には12号と25号のモータが外され、トレーラー代用として使用していた模様である。

最後に、よくお問い合わせを頂く客ドアのステップ部分をご紹介する。
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日車標準車体の新潟交通向けの場合は単純な引き戸ではなく、下端が車体側に巻き込んだ珍しい形状のドアを使用している。(在籍車のほとんどがこの形状で、トレーラー車などの移籍してきた車両もこの形状に改造されていた。ただし、1985/1竣工の2229-2230編成は例外)

(下編に続く)



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