毎日暑いので、釜の話しでも。
先日、大西清右衛門さんの講演の中で、”釜の手入れの仕方”のお話がありましたのでご紹介いたします。
「茶釜は空焚きをしないでください。」
茶釜には漆が随所に使用されています。
たとえば、
釜の底を覗き込むと、底に三つの丸が見られます。
砂型に鉄を流し込んで固まる際に鉄が割れない様に、
底に小さな穴が三つ空けられていて、
それを丸い鉄の板で漆を接着剤代わりとして貼付けてあるそうです。
(ちょっと、うる覚えですが・・・💦)
空焚きをするということは、
極端に例えるなら、漆器を直接火にかけるようなもの。
湯が入っていれば問題ないのは、漆の特性上お分かりだと思います。
でも、乾かさないと錆びの元になってしまいますよね。
曰く、
煮火が落ちてしまった釜は、
炭を少し足し、釜の湯を四分の一程度にすれば、直ぐに湯は沸きます。
釜をあげ、釜全体に湯を掛けます。
底にも湯をかけてあげます。
(熱い釜に水は御法度だそうです。
同じ様に、冷めた釜に熱湯は御法度だそうです。)
(もう一点。
絶対、鐶付きに鐶を掛けてひっくり返さないで下さいね。
鐶付きが壊れる可能性もありますし、
なにより、鐶が折れます。
タオル等を掛けて、両手でひっくり返して下さい。)
さて、釜はといいますと、
熱湯なので直ぐに乾くはずです。
最後に、乾いた布巾等で釜の底、内側、そして、全体を拭いてあげます。
あとは、自然乾燥。
クドい様ですが、
空焚きはしないで下さい。
ところで、
釜は鉄なので、錆びるそうです。
ある意味、釜の手入れは錆との戦いですよね。
釜は錆びるものです。
ところが、錆もある程度の年月を経ると落ち着いてくるそうです。
年月を経て落ち着いた錆は、湯の味に影響はないとのことです。
確かに、家にある古い釜の内側は、
漆もとれて、すこし錆らしきものも見られますが、
湯の味と、松籟の音は格別です。

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