茶道における”私の座右の人”は私のすぐそこにいることに気がつかされました。
その方は主婦であり、茶道の先生です。
彼女の茶道教室は、ご自宅の和室を茶道が出来る程度に四畳半風に畳をきっておりますが、
床の間もなく、下座側の壁を壁床とし、下に台を置いております。
正式な水屋もなく、リビングに点前道具をならべ、
キッチンを水場としております。
そして、電熱の炉、風炉を使って稽古をしております。
もちろん、大学にふたりの子供を通わせる主婦ですので、高価な茶道具を揃えるわけでもなく、
裏千家風の典型的な稽古用茶道具をコツコツと買い揃えております。
ただ、庭には茶花をたくさん育て、
主婦ですので、家の掃除を毎日されていますし、料理も作ります。
お茶をしに遊びにお伺いすると、
手作りの”ぶかっこう”なお菓子が用意されておりますし、
お昼時には、お吸い物がだされます。
聞けば、初釜などの折には、自分で懐石料理を作るということです。
ご自分が習われている稽古には毎年”皆勤”、
故に、奥伝まできっちりと掌握されておりますが、
他人の点前にとやかく口をだすでもなく、
私などの知ったかをなるほどなるほどと聞いております。
茶会の折には「あの組み合わせは、この室礼は」など自ら口を開くこともなく、
着物はお母様のお古を着て、
「花が上手くいれられない」「灰形ができない」と呟き、
パソコンを開くと稽古等で使われたお菓子の写真がいっぱい!
彼女の点てる薄茶は、誰よりもきめ細かく綺麗です。
そんな彼女のお茶への姿を悪くいう人はなく、ただ、ちょっと性格が大雑把なだけ。。。笑)
さて、私というと、
「また、やってしまった💦」
先日、茶道の某先生方とお話をする機会があり、稽古の仕度の話題になりました。
「毎稽古の前には必ず風炉の灰形を作っていて、
最低でも週に3回は作っている」
と、もっとも偉い先生が嬉しそうにお話をされていた中、
私はなぜか黙って聞いていることができずに、
「私もほぼ毎日作っています!」
と、撮り溜めたスマホの写真を皆に見せてしまいました。
すると、その先生の笑顔が引き攣り、
その後 私とは口をきいてくれなくなってしまいました。
最近、我慢をする能力がなくなってきたのか、
「私が、私は」と口に出さずにはいられなくなっております。
いや、我慢力を問題にしている時点で、間違っているのかもしれません。

【天使のつぶやき】
何ごとも、余裕をもって、控え目に。
そうすれば、人も、神々も、危害を加えたり、禍を下したりしない。
名誉は独り占めせず、些かは分けて人に与えれば、害を遠ざけ身を全うすべし。
悪評は全て人に押し付けてはいけない。
些かは自分も引き受ければ、徳を養うことができる。

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