研修報告「なぜ、私たちは自由経済を知らないのだろうか。自由経済研究会2018」
日時 2018年9月16日13時受付〜9月17日 16時半
場所 料亭旅館 大正館
<要旨>
見えるものと見えないもの フレデリック・バスティアについて200年前の問題意識であるが現在にも通じる、示唆に富んでいる。経済学だけではなく健康の科学、芸術、そして道徳などについても同じように参考になる。
経済の領域では、行為や習慣、制度や法律は単一の結果を生み出すだけでなく、結果の連続を生み出す。これらの結果のうち、最初のもののみが直観的なものであり、それは原因と同時に明らかとなる・・・・それは見えるのだ。その他のものは連続のうちに隠れている・・・・それらは見えない。もしそれらが我々にとって予見できるのであれば結構である。良い経済学者と悪い経済学者の間においては、このことが全くの違いとなる・・・・片や見える結果について考慮し、方や見える結果についてだけでなく、予見する必要のある結果についても考慮するのである。さい、その違いは巨大なものである。
「ろうそく学者の請願」「法」「詭弁」も執筆し、ソフィズムと言われる。
世界の経済学の流派
1. マルクス経済学・・・カールマルクス
政府による集合的強制的な法定領域がほとんど
個人による分権的自由な法定領域はほとんどない
2. ケインズ学派・・・ジョン・メイナード・ケインズ
政府による集合的強制的な法定領域が多く
個人による分権的自由な法定領域は少し
3. マネタリズム・・・ミルトン・フリードマン
政府による集合的強制的な法定領域が少し
個人による分権的自由な法定領域は多く
4. オーストリア学派・・・フリードマン、ハイエク
政府による集合的強制的な法定領域はほとんどない
個人による分権的自由な法定領域がほとんど
「破壊は得にならない」・・・今回の会場は会員の親戚の料亭旅館を特別にご提供いただいた。第二次世界大戦で空襲にあうこともなく残された豪華な大正時代の純日本建築物である。戦争で多くのものが失われた。破壊された。もしも、それらが破壊されることなく残っていたならばどんなに素晴らしい、更に磨きをかけて良くしたものとして残っていたのだろうか。
「明治における高配当要因の研究」明治時代に300万の収入しかないのに24億円の負債があった。明治4年から税金の米納付➡金へ
大正期の経済は、明治時代から続いた不況を第一次世界大戦により対外債権・債務関係が、2億8700万円の債権超過になった時代であった。また、農業国を脱し紡績業等の目覚ましい発展を遂げ、新しい産業が活発化した。しかし、戦争が終了した1920年(9年)から1926年(15年)の間は全般的に慢性的な不況の時代であった。
1917年(6年)から配当率が、20%を超える会社が増加している。これは大戦景気によって利益増大した事による。
関東大震災近辺は、低配当率の会社が増加している。
1920(9年)以降、配当率が減少、配当性向が高い状態が継続する。これは、配当率を維持するために配当性向を高くせざるを得ない状況が推察される。
明治時代から大正時代までの税率の推移
明治32年(1899) 法人所得税1000分の25➡大正15年(1926) 法人の普通所得の100分の5と2倍になっている。
大正時代は配当金の受給者は非課税であったが大正9根何の配当の受給者に対して非課税から課税に改正された時期に大きな配当率の減少がみられる。
★「ハイエク 自由の条件を無心に読み通す」
今年はマルクスの生誕200年にあたる。フランスでは「マルクス・エンゲルス」映画が製作され注目された。
ハイエクの代表的な書物に「隷従への道」がある。政治学書であり、中央計画経済が必然的な結果としてもたらされる国民生活全体の隷属について警告する内容であり、同時に個人主義や古典的自由主義の放棄も同じく隷属を招くと主張している。
四日市市長よりの部署別、施設別の行政コスト計算書を作成した。これによってどこが悪くてどこが良いのかがわかる。3年連続で過去最高税収を記録することができた。行政改革の中心である議会改革ランキング1位になった。この地は種まき権兵衛の里である。吉宗が「土地をとらせよう。」と➡「土地は要らない。減税してほしい。」と言った。
馬場晋一先生「時間に対する解釈」について・・・客観的時間とは将来を予測して勤務する時間など⇔主観的時間とは今のこのとき
14Cの砂時計・・・教会の鐘になった。時間の客観性をもって日常生活の解釈となれるようになった。➡時間の客観性をもって日常生活が営まれるようになった。尺度としての時間の中で生きなくてはならなくなった。
将来の過小評価、現在の価値。常に現代のものを過大評価している。
人間は捕食されることはない。もしも将来、人間が存在していないとすれば、それは人間の選択が悪かったからだ。人間は地球上で唯一選択できる生物だ。(TED)
尾近裕幸先生・・・オストリア学派の研究が盛んな国は日本だった。オストリア学派はウイーン大学で始まった。
カールメンガー 1871年〜オーストリア学派の第一人者
ベータ・バベルク 利子
フリードリヒゥイザー
ミーゼス
ハイエク
シュンペーター・・・イノベーションという言葉
日本では摂南大学の八木喜一郎、慶応大学の池田ゆきひろ(日本の星と言われた)
ハイエクはモンペルラン・ソサイエティー(スイス)500名限定
日本人はわりにたくさん居た。モンペルラン・ソサイエティー日本支部がある。
※モンペルラン・ソサイエティー(英: Mont Pelerin Society)は、自由主義を政界に広げ、共産主義と計画経済に反対することを目的とした政治団体。1947年、スイスのレマン湖東岸に位置する保養地モンペルラン(ペルラン山)に自由主義経済の重要性を唱導する経済学者たちが集まって創立された。モンペルラン協会とも呼ばれる。1962年、クノッケの集会で、一切の公的活動と決議をせず、また、一切の宣伝紹介を求めないと宣言した[1]。その意味で一般の学界とは目的が異なる。(ネットより引用)
人気はあるがハイエクの思想は浸透しない、普及しない。
ウィーン大学にはフロイト、カールメンガーのレリーフはあるがオーストリア学派はいない。➡ナチスドイツが侵攻した時にハイエク、ミーゼスは逃げた。
国家感・・・日本はどういう国で伝統がある日本の国家感の中でどうハイエクを読むか、どんな考え方ができるかが大切。
自分の言葉で語れないのであればわかっていないんだよ。ずーっと読んでいれば2〜3年すればあーそうだったんだとわかる時が必ず来る。
中国は「太極拳」=動作はゆっくりでも攻めている。=中国のやり方。
「市場経済」がまだ成り立っていない。「人民」共和国だが、人民はだれ?
10か条 @憲法は議論してはならない。A共産党のリーダーシップについては議論してはならない。・・・国家の法律より党の規律を先行。
菅原敏夫先生・・・オイコス経済➡オイコノミー➡エコノミー=家の経営・・・市場は家計が参入することによって経済となっている。
エリノア・オストロム・・・アメリカの政治学者。2009年ノーベル経済学賞を受賞
岩倉竜也先生・・・マレー・N・ロスバード 1926/3/2-1995/1/17
個人主義的無政府主義
リバタリアニズム・・・個人的、経済的自由を最も重視する自由主義的思想
保守・・・人は自由に生きるのが素晴らしい。しかし、伝統を大事にする。
リベラリズム・・人は自由に生きるのが素晴らしい。しかし、平等も大事にする。
リバタリアニズム・・・人は自由に生きるのが素晴らしい。
それのみ。自由至上主義。
自由の尊重を正当化する根拠
@ 自然権論・・・ロスバート
A 帰結主義・・・ミーゼス
ミルトン・フリードマン「選択の自由」
授業料 クーポン(バウチャー)制度
ロスバードの教育論
ホリエモンゼロ高校・・・※(ネットニュースより引用) 「座学よりも行動したやつが一番強い。何も分からないけれど、とりあえず行動するやつが得している」ーー。SNS educationは7月26日、堀江貴文氏が主宰者となり、座学よりも“行動”できる人材育成を目指す高校「ゼロ高等学院」を、10月1日に開校することを発表した。高校を卒業していない人が対象で、同日よりウェブサイトで入学受付を開始する。定員は400人を予定。3年間の学費は合計約138万円。このほかに、教科書や動画教材の費用が発生する。同校は、「学校教育を壊す(ディスラプトし再構築する)」という堀江氏の発言をきっかけに生まれた高校。既存の通信制高校である鹿島山北高等学校と教育提携することで、在学中にあらゆる社会活動に参加しながら、通信制高校として高校卒業の資格を取得できるという。オンライン教材やティーチングアシスタントも用意する。最大の特徴は、実業家である堀江氏の知見や、約1500人を有する堀江貴文イノベーション大学校(HIU)、さらに実業家のネットワークを生かしたプロジェクトへの参加などが可能なこと。生徒たちは、宇宙ロケットの開発・発射や、和牛の生産・販売、寿司職人になるための技術や経営、ファッションやエンジニアリング体験などを、実際の現場や店舗で経験し、第一線で活躍しているプロに学べるという。
自由民権運動逍遥記「アーバンホルクス」
松本城・・博覧会の収入で維持を 嘆願書
報恩感謝
減税将軍 天春(あまかす)文衛
東海大一揆(伊勢暴動)
戦争によって分断されて過去の人の努力が現在に伝わっていない。
マルクス生誕200年…私有財産制の廃絶
ラッファー曲線 税率0〜50%
税の潜在的な国民負担率
1965年は23%➡2005年40%➡2015年50%
なんで税金を払うのか?=承諾。では、現在の税金は承諾されているか?
<研修を受けて>
昨年からこの場所での開催は2回目。四日市駅から駅前を抜けて商店街を抜けて公園を抜けた場所にこの割烹旅館 大正館はある。この大正館は文字通り大正時代に建てられた建築物であるという。自由経済研究会の会員の中にこの大正館のご親族の方がおられ、ご協力していただいて会場となっている。この研究会は多彩な著名な講師の先生方がスピーカーだが、手弁当で参加されているという。自由経済、オーストリア学派はいまの日本の経済学の主流ではなく、今は、ケインズ学派が主流なのだと感じる。自由経済、オーストリア学派は教える大学の先生も少ないのかなかなか広がってないように思う。経済を政治でコントロールするのは無理なように思う。自由市場に任せた方が、自由経済に淘汰されていくに任せた方が良いと思う。自由経済を支持し、政府は小さな政府、最低限の事を行う。税金はなるべく安くする方が良いと思う。これから日本は人口減少社会へと向かう。そうなればなおの事、大きな政府は無理であり、小さな政府を目指し、民間でできることは民間に、自由経済社会に任せるべきだと感じた。茅ヶ崎市の行政でもやるべきことと、民間に任せることを見極めて出ることは民間に任せる方が自由経済が発達すると考えた。

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