研修報告 「第27回 地方×国政策研究会」
日時 2018年5月14日(月曜日)10時〜16時10分
場所 衆議院第1議員会館 第2会議室
主催 自治体議員政策情報センター虹とみどり
<概要と所感>
10時10分から10時55分まで「公共施設等総合管理計画等について」総務省自治財政局財政調整課より説明があった。今後の人口減少、歳入減に備えて公共施設管理を全庁的に早期に取り組み、適正な管理を継続的にできるようにするための指針である。
質問した。⇒茅ヶ崎市は既に早期にこの計画を作ったが、その時点にあった公共施設のみを計画に載せて今後も適切に維持できると結論付けた。しかし、その後も公共施設を建設しており公共施設面積は当時より増えている。人口減少社会に向かっているにもかかわらず公共施設建設ラッシュでもある。国に頼るのは情けないが、何とかこれをストップできないか。たとえば、この計画を1度出すだけではなく何度か検証して提出する事を義務付けるなど、この計画の本来の目的が達成できるようにしていただきたいがいかがか。⇒自治体内で頑張ってほしい。
公共施設等の適正管理に係る地方債措置の拡充として、新規でユニバーサルデザイン化事業として財政力に応じて30〜50%の交付税措置をする。現在の一律30%から拡充し財政力に応じて30-50%になった。
公共施設最適化事業債を活用した取り組み事例の紹介があった。茅ヶ崎市でも活用できるか否か検討すべきであると思った。
11:10-11:40静岡市のアセットマネジメントについて静岡市企画局アセットマネジメント7推進課参与兼課長補佐より説明があった。まず、市民配付資料が見やすい、わかり易いと感じた。「ないものねだり」から「あるものさがし」へ整備と活用についての戦略。PRE戦略とは、公的不動産戦略の事で、自治体が所有する不動産について、公共・公益的な目的を踏まえつつ、適切で効率的な管理・運用を推進する事。新たに整備をするのではなくあるものを活用する事。公共施設の利用者モデルを探るためにアンケートを取った。回収率は46パーセントで高かった=関心が高い。それによると日常生活で公共施設を利用しない人の割合は約80%で、調査結果から公共施設を利用しているのは偏った方だという事が分かった。総合計画・行革・財政と連携して行っている。施設カルテは個々の施設の実態調査のみならず、同種同類施設での相対的評価を実施して二元分析をしている。総合計画期間とリンクした公表用の個別施設計画を策定する必要があることからアセットマネジメントアクションプランを策定した。
みんなで考える静岡の未来とした静岡市のアセットマネジメント計画がある。茅ヶ崎市でも作るべきである。次世代につなぐまちについて考えようとしていたわかり易い。
13:00-14:00 会計検査院の仕組みと2016年、17年報告の中の主な自治体関係調査結果について
監査の課題として各自治体の中に監査ノウハウが蓄積されていない事は問題である。監査事務局は職員移動をするためノウハウが蓄積されにくい。
監査結果についての説明で最も印象的だったのは、総合評価方式による入札には適用できない最低制限価格制度を誤って適用して、最低制限価格を設定していた事例が2301件(全453.%)もあったこと、また、価格その他の条件が最も有利なものが誤って設定された最低制限価格により失格として排除されていないかを確認したら640件(10%弱)もあったことである。注意して議案書をチェックしなくてはならないと感じた。会計検査院は、国会及び裁判所に属さず、内閣からも得率下憲法上の機関として国や法律で定められた機関の会計を検査し、会計経理が正しく行われるように感得する職責を果たしている。(憲法90条)検査院の検査官は任期7年。内閣の同意が必要。職員は1200人強で出先機関なしで地方にも全て出向いて仕事をしている。HPからの情報は大切に活用している。臨時検査と通常検査があるが検査するか否かは会計検査院の判断任せられており、するかしないか等の回答はしない。検査対象は国が直接又は間接に補助金などを交付し又は貸付金などの財政援助を与えているものの会計については検査対象とすることとなっているので、全ての地方自治体は検査対象であり、国から補助金をもらっている事業だけでなく単費事業についても検査は可能としている。会計検査院は国民からの情報は歓迎していると聞いた。疑義がある地方自治体の税金の使い方について国の補助金が入っていない市単独事業であっても検査対象であると聞いて身近な存在だと感じた。
14:10-16:20 公文書管理法の現状と課題と自治体条例制定の現状と課題
公文書は主権者のもの。民主主義の根幹をなすもの。国会で今問題となっているモリカケ問題で安倍首相は首相官邸へ出入り記録はないと言っているがそんなわけがない。追及していると参加した衆議院議員より話を聞いた。情報公開の質が高まると政府活動の質・適正性も高まるという関係にあることから、前向きに公文書管理の適正化を進め情報公開も進めることは有権者の信頼を得ることにつながるので進めるべきである。一部事業組合・広域連合の62.4%で情報公開条例を制定済み。ただし条例の内容にはばらつきがある状況である。業務委託の場合は業務委託の仕様書に議事録作成を入れるべき。公文書管理制度の現状は条例制定済みの自治体はごく少数。2017年10月段階で21団体。公文書の一般的な定義としては@職員が職務上作成・取得した文書(媒体は問わない)。A組織的に用いるもの。B行政機関が保有しているもの。としている。公文書管理のこうじょうのながれがある。自治体はこの流れに沿って管理を向上させるべきではないかと思った。ただ管理しているだけだはだめだという話も合った。管理する理由は、保存されている文書は組織として利用・活用するためにあるので文書の利活用を想定した管理となっていなくてはならない。そうでなくては使えことが出来ない。条例化の必要性の理由として、公文書を管理し情報公開をすることによって知る権利の保障に重要な影響を与える事があげられる。議員・議会が取り組むべき課題として@公文書の定義が十分かA文書の保存期間の設定の考え方、基準B文書保存の単位C文書の廃棄、移管の手順D歴史文書の保管・利用の受け皿E新たな課題である何を公文書とするのかメールなどへの対応が必要である。
<振り返って>
参加する事で多くの国会議員、他地方議員と知り合えることが出来た。また会場となった衆議院第一議員会館には初めて入って広さ、設備、警備の厳戒さに驚いた。日常的に話を聞くことがなかった会計検査院の説明など直接聞くことが出来た事は意義があった。今後の議員活動に活用して参りたい。

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