2005/9/26

秋の夜に  公演情報

2005年7月公演で、ツェムリンスキーの『フィレンツェの悲劇』のシモーネ役で出演した時の写真が、音楽の友や二期会の機関誌の表紙にカラーで載っています。その演出と舞台美術については二期会のホームページにも載っているので、http://www.nikikai-opera.or.jp/ (→公演記録、二期会通信など)ここでは詳しく書きませんが、公演を終えて、考えることは、オペラにおけるリアリティーというもの、創造性(=想像性の力)についてです。
オペラは音と詞、リズムやテンポが決まっていて、時を超えてその時代や作曲家の息吹を現在の指揮者、オーケストラ、演出家やスタッフ、共演者たちと再構築する共同作業です。音楽を通じて時代や演奏者や客席の皆様や現在と共感する大きなエネルギーが生まれるところが魅力だと思っています。
添付の写真が最後の場面で、私(シモーネ)は、恋愛遊戯の三角関係の末に、妻の浮気相手のグイードを絞殺してしまう。これ、写真だとおもいっきり叫んでいますけどね(笑)
。実際、2303席の東京文化会館で後方の席や情報の席の方には、そういう表情や表現はどこまで伝わるんだろう。どうしたらもっと伝わるんだろう
いまどき、両手を広げて棒立ちで歌うオペラ歌手なんていうのは、ほとんどいませんが、
リアリティーの名の下に作品を過剰に説明しすぎたり、想像力を妨げたり矮小化することのないように、演奏者(指揮 オーケストラ 歌手)と演出、聴衆が三位一体となって響きあうためには、オペラ演出、そしてオペラ歌手に何が求められるのかということを、いろいろ考えたりしています。

劇場には、多くの皆様に気負わずに日常的に足を運んで頂きたいけれど、そこで本当の意味で非日常のエネルギーの交感がなされる空間が生まれるには、どうしたらよいのだろうか…。そんなことを考えながら、秋の夜長に谷崎潤一郎の『陰影礼賛』やジョルジュ・バタイユの『神秘/芸術/科学』をぱらぱらと読み返してみたくなります。
今の時代、ともすればコンピューターで検索すれば何でもすぐ調べられるような錯覚に陥ってしまいがちで、何か物事をじっくり考えたり感じたり自分や世界と向かい合うには、時代の変化や速度が激しくなっていると感じます。
「ホモ・ルーデンス」の定義すら変わってゆくのでしょう。

私に関していえば、若い頃古本屋で探しだして熱中して読んだ本の記憶や、イタリアやドイツの楽譜店や美術館で過ごし感じた時間や発見というものは、今でも自分の感覚の中に深く残っているように思います。
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2005/9/26  13:25

投稿者:ぷーたさん

初めまして。
ぷーた、と申します。(^^)

>時を超えて〜現在と共感する大きなエネルギーが生
まれるところが魅力〜
ーーーー全く同感です。

>〜気負わずに日常的に足を運んで〜
ーーーー少しは敷居が低くなった、といってもまだま
だそのチケットの料金、というのも含めて“特別なも
の”という感が在るのは否めませんよね。公演を行う
側からすれば採算、はどうしても避けては通れない重
要事項ですし。結局裾野を広げて観客動員数を増やす
、ってのが正論なのは解りきってはいても、それには
“じっくり時間をかけて”オペラの魅力を伝え広げて
いく、というやはり“正攻法すぎる答え”しかないん
でしょうね。。。でも、個人的にはもっと政府がオペ
ラに限らずこの様な文化事業に援助をしても当然いい
のでは?と思うのですが・・・。(^^)

>今の時代、ともすれば〜何か物事をじっくり考えた
り感じたり〜時代の変化や速度が激しく
ーーーー全く同感です!
『ホモ・ルーデンス』・・・“遊ぶ”為には当然その
根底に“思考”が存在するのですから、仰る様に調べ
たり、考えたり『した様な気になる』社会では、遊び
もバーチャルでしかないように見えますね。
生意気ですが、私は時々今の状態を一言で言い表すな
ら『フェイク』、ではないかと思うことがあります。

>私に関していえば〜熱中して読んだ本の記憶や〜今
でも自分の感覚の中に深く残っているように〜
ーーーー自分が何をし、何を考え、何を選んだか、と
いった全ての事柄が、その人間個人と共に消化、凝
縮、反映される、と私も思います。所謂“肥やし”、
自分の“引き出し”を増やす行為。。。ひとつの事を
極めるにしても、それ無くしては、薄っぺらなものし
かできない、と確信しています。でもひとつの事を成
し遂げる為には膨大な『時間』と『労力』が必要、と
いうのも事実。有限な身の人間としてはその兼ね合い
が一番難しいところですよね。(^^)

*藝大の先生に、ブログコメントとはいえ、なんか生
意気な事を書いてしまいました。すみません。


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