2006/2/7

放送予定  公演情報

節分も過ぎましたがまだ寒い日が続いています。今年は梅の蕾もほころびきれず、観梅ではなく探梅という感じですね。皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。

藝大は後期実技試験・外国人修士・博士入試・学部入試と怒濤のスケジュールが待っています。二期会『ボエーム』公演が近いけれど、学部入試と重なっているので本番は一度も観る事が出来ないことになりそうです。

さて、日本テレビ「深夜の音楽会」の放送日時が決まりました。2005年11月の東京公演の初日の演奏です。その後、12月に名古屋で少し違うヴァージョンでも上演があり、その時はだいぶ回復したのですが、東京公演の際は体調を崩してしまい、声の通りとフレーズの長さが自慢の歌手と言われていのが、だましだまし何とか歌いきったものです。オペラは総合芸術なので、コンディションが悪くても、諦めずにその中でどこまで調和を図りながら、作品の本質に近づくか。そんなことを考えながら演奏しておりました。
その頃はだいぶ痩せていて幽霊船の船長にはちょうどよいなどと励ましてもいただきましたが、今回ばかりは健康の大切さをつくづく痛感致しました。けれどそれもまた私の演奏歴の中の一ページなのですから、お問合せもいただいているようなので、お知らせすることに致します。
日本テレビの方々は、何度も稽古場に足を運んでいただき、最後の最後まで変化する演出や暗い舞台に苦労しながら、懸命に撮影してくださいました。また今回、2時間半の拡大版で放送して頂くことになりました。本当に有難うございました。

〜Yomi-kyo Orchestra House〜 深夜の音楽会
東京二期会・ハノーファー歌劇場の共同制作
ワーグナー『さまよえるオランダ人』原語上演
日 時 2006年 2月8日(水)深夜2:00〜4:30
指 揮 * エド・デ・ワールト
演出・美術 * 渡辺和子
〜 キャスト 〜
ダーラント * 長谷川 顯(バス)
ゼンタ * エヴァ・ヨハンソン(ソプラノ)
エリック * 青臍農押淵謄痢璽襦ヒ
マリー * 西川裕子(メゾ・ソプラノ)
舵手 * 経種廉彦(テノール)
オランダ人 * 多田羅迪夫(バリトン)
合 唱 * 二期会合唱団
管弦楽 * 読売日本交響楽団
収 録=2005年 11月 2日 東京文化会館

今回の演出では、登場人物は救済されず、女性の自己犠牲による愛によって主人公が救われるというワーグナーオペラのテーマに一石を投じています。
序曲と第3幕の終結部ではドレスデン初演版が使用されハープによる救済のメロディーも演奏されません。音楽的にはそれが聴き取れるかもしれませんが、視覚的には、父と娘の情愛やオランダ人とゼンタの間の感情の交流というものを見せないことに徹することで、現代社会を彷徨う人間の不安を浮き上がらせることを意図した演出となっています。
情愛のある陽気な船乗りとしてではなく、金の亡者としてセラピー施設を経営する辣腕家のダーラント、その部下として出世を願うエリック、心に闇を秘めて妄想の中のオランダ人の像を粘土でつくりあげるゼンタ。そしてスーツ姿にサングラスで漂流してきたかのようなオランダ人は、長い演奏の中でもゼンタと見つめ合うどころか、目を合わすこともほとんどない。孤独な現代人の群像がそこに見えてくるでしょうか・・。

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2006/2/21  0:33

投稿者:葡萄の雫

「オランダ人」ビデオに録画して何度も観ました。
最後に救済がない、ということも含めて、納得のいかない演出がたくさんありました。御自身もそうだった、ということはありませんでしたか?いまいち、歌の内容と行動が一致していないもどかしさを感じました。
ゼンタの最後のアリアなんか、あの勢いで海に身を投ずるように思えたんですけど。
ついでに、私なら間違いなく飛込んでる!☆.。.:*・°
って思いました。
救ってあげたかったです。


2006/2/10  0:52

投稿者:一粒の麦

なんというか・・感動しました。昨日のというか9日早朝の『さまよえるオランダ人』の放送を観ました。小澤征爾指揮、蜷川幸雄演出の時に観て、いつかもういちど多田羅さんのオランダ人を聴きたいと思っていて、11月の文化会館にも行ったのですが、映像に残してくれた日テレさん、有難う!という気持ちです。カメラワークも、きっとこのオペラをよく知っているプロデューサーが撮ったんだろうなという気がして、登場の場面、そしてゼンタとの出会い、二重唱と、客席では見えなかった表情まで見ることが出来て、本当jに満足です。青いサングラスの底の瞳の表情まで見えて、ああ、こんな風にきめ細かに音楽に寄り添って歌っていらしたんだなぁと。あんなに少ない動きなのに、一挙一動が作品を体現しいる。とても深々としたドラマを感じることが出来ました。以前に聴いたときとはまた違う、しみじみと余分なものを削ぎ落とされた美しさを感じました。
私は多田羅さんの演奏に触れると、本当にいつも音楽に対する愛情と信頼を取り戻させてもらうというか、清冽な水を飲んだような気持ちがします。特にこんな世知辛いニュースばかりの日本にいると、閉塞した気分になったり、どんどんお子様化する日本を憂える気分になりますが、そんなときに「ああ、こんな風にちゃんと音楽と向かい合って演奏を続けている人がいる」と思うと何かはっとするというか・・。有難うと言いたくなります。感謝!。


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