退職してもうじき8年になります。 5年くらいたったとき、ようやく自分が何が好きか分かるようになりました。 文章を書くことが好きであることを発見したのです。
あれほど嫌いだったのに、不思議なことがあるものです。 書くのが好きになってしまいました。 退職したら「もう書かなくていいんだ」と思い、ホッとしていたはずなのに…。
ほとんど現場の仕事で、いい年になってから文章を書かなければならない立場になりました。 他のセクションの人なら、若い内にマスターしていることです。
教えてくれる人など誰もいません。 書いた結果について文句を言われるだけです。 よく「たたき台」といいますが、徹底的にたたかれました。
ハンコをもらうときも、そうですが、一番厳しいのは会議のときです。 よってたかって、まさに袋叩きです。 これで文章を書くの好きになったらおかしいですね。
ところが不思議なんですよ。 退職して1年くらいたったら、無性に、もの足りなさを感じるようになったのです。 原因は分からないのですが、退職前と違うことが一つあることに気が付きました。
1年間、文章をぜんぜん書いていないのです。 嫌なことから解放されたのですから、喜んでいいはずなのに不思議ですね。 人間の心は難しいです。 自分のことさえ分からないのです。
自分のことを「おとなしい、控えめな人」と思っていました。 ところが、これが大間違い。 「自己顕示欲の塊みたいな人」と気がついて、ガッカリしました。 私が一番嫌いなタイプです。
おとなしいと言うよりも小心者。控えめと言うよりも、単に発言する機会がなかっただけです。 誰もがホームページやブログで情報発信できるようになると、さっそくネットを使って、しゃべり始めました。
そして、約2年前に駄文を書いたとき、私の所属する札幌シニアネットのML(約600人が参加しているメーリングリスト)で発表しました。 あつかましい限りですが、私の書いたものを読んで笑ってほしかったのです。
私はジョークを言いたくても言えないノロマ人間です。 話すテンポについて行けないのです。 やっと思いついても話題の方が先に進んでしまいます。
それで、ネットでジョークを書くことにしました。 多くはありませんが、「面白かったよ。笑っちゃった」とか言って、励ましてくれる方もいます。 それが活力になって、次を書く気がわいてきます。
書くことを繰り返しているうちに、たまにはジョークのひとつも言えるようになりました。 「暗い人」のイメージから脱却しつつあります。 皆様のお陰と感謝しています。

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