本日、標記集会が柏崎市で開催されました。
集会の最初は、柏崎刈羽原発差止訴訟第三回公判で意見陳述した、原告のひとりで郡山在住の菅野正志さん。

↑郡山在住の菅野正志さん
菅野さんはお連れ合いと娘さん二人が新潟市へ避難、週末に郡山と新潟を往復しています。
郡山市で原発事故後にとどまり、その後新潟へ避難し、そして二重生活を続けているエピソードは、何度読んでも、そして何度聞いても、涙涙

・・です(第三回公判での菅野さんの意見陳述は
こちら)。
その後、
環境総合研究所が作成した原発事故シミュレーションソフト「
Super Air 3D/NPP」を用いた柏崎刈羽原発事故のシミュレーションを同研究所の鷹取敦さん(工学修士)がプレゼンテーション。
このソフトはわずか10万円の値段で頒布していますが、規制庁のシミュレーションと異なり、地形の3次元データを考慮しており、また、任意の風向や事故規模を設定でき、さらに任意の地点の積算線量を表示できる優れものです。

↑事故シミュレーションを説明する環境総合研究所の鷹取敦さん
このシミュレーションのモデルの説明を事前にも伺って、これが過大な想定や仮定に基づくものでないこともよくわかりました。実際、30km圏付近の事故直後の線量評価では、規制庁の計算結果と大きな差はありません(規制庁のシミュレーションは計算結果を過大・過小に算出する要素が含まれて、事故直後の瞬間線量としては結果的にSuper Air 3D/NPPと同じような値となっている)。
しかし、このソフトのシミュレーション結果からあらためて見ると、国や自治体の事故シミュレーションや避難計画の大きな問題点がいくつか見えてきます(そもそも規制庁のシミュレーションの技術的な問題点は既に指摘されているのですが、ここでは省略)。それは、1週当たり50mSvもしくは100mSv被曝する地域を単純におおむね30kmなどと区切り、その範囲の中側は避難、その範囲の外側の自治体は避難受け入れ、という図式が基本となっているのです。
Super Air 3D/NPPでのシミュレーションにより、30kmを超えた遠い地点でも、10年20年30年・・と浴びる「積算線量」を想定すると、個人の被曝限度を超える量となることがよく示されています。特に小児の甲状腺被曝を想定すると、100km圏でも注意と対策が必要です。
国や自治体の想定や計画の問題点や課題をよく理解できました。
と同時に、では単に対策を取るべき区域を広く設定すればよいかということにもなりません。避難した後に菅野さんたちが直面しているような、経済的・精神的な苦痛や被害などを考えれば、どんなに完璧な緊急避難計画を作ったとしても、それが私たちに安心安全を保証るものにはならない、ということを、お2人の話を聞いてあらためて確信しました。
これを法廷の中でも外でも訴えていかなければなりません。

5