岩角山は、阿武隈山地の基盤岩である古期花崗岩の風化地形で、しかも独立峰であるために表土が浸蝕され、花崗岩が露呈し、風化を経て、円磨度が高い巨石が随所に露呈しているのです。
このような巨石が多く表れる独立峰は、古代から御神体として崇敬されていました。
山の姿が神々しいし、巨石には神の魂が宿るという考え方もあったようです。
古代山岳信仰は、このような自然崇拝に起源していますが、平安時代における密教系の山岳寺院の開基は、天台宗や真言宗などの密教の導入ばかりでなく、古代山岳信仰とも深く関わっていると思います。修験道などもまさにそうですね。様々な要素が関わり合って山岳寺院が成立していると考えられます。
ここ岩角山も、伝説のように慈覚大師が開基したかどうかは確たる証拠がありませんが、密教系の古代山岳寺院として開基されたことは間違いないと思います。そのような山岳寺院の多くは中世に廃れる例が多く見受けられますが、江戸時代に再興したということは、一度廃れたとしても破壊されることなく残されていたからなのでしょう。霊山寺などは南北朝期の戦乱で焼失してしまいましたから。岩角山の場合はそのような不幸な歴史がなかったことが幸いし、二本松藩主丹羽公による再興が可能だったのです。
山中に露呈した巨石には808体の線刻仏が刻まれ、さらに毘沙門堂や那智観音堂、そして奥の院根本中堂にいたるまで幾多のお堂が建立され、鬱蒼たる木立に覆われているため、山岳霊場としての雰囲気が高まっています。
線刻仏は、姿が優美に表現され、仏像を熟知された方が刻まれたものと思います。
蓮台に座す、坐像仏が多く見受けられます。
毘沙門堂です。
毘沙門宝蔵天王様をお祀りしております。
安置されている毘沙門宝蔵天王像は県の重要文化財に指定されております。
とにかく素晴らしい造りのお堂で、軒下の彫刻がとても繊細で美しい。
感動ものです♪
かなり腕の良い宮大工が丹誠込めた、優美な寺院建築で、その素晴らしい彫刻には目を見張るものがあります。
とにかく、皆さんに一度は拝観していただきたい!!!
僕は寺院建築が専門でないので、用語はよく分かりませんが、この竜の姿など、一流の木彫です。
あらゆる柱の上に、狛犬や獅子、象などの優れた木彫が飾られています。
毘沙門天王の額。
南西隅軒下の彫刻。
軒下に座っているのは何を表したものでしょう?
猿のようでもあるし、、
像の彫刻。長い鼻と象牙がよく表現されています。
超一流の透かし彫りです。
以下、ご覧下さい。
北西隅の軒下。
像に獅子に、猿でしょうか。
天の邪鬼ではないですよね???
今度、寺院建築のこと調べておこう。
とにかく、岩角山に参拝されたら、
この毘沙門堂はぜひご覧になってください。
江戸時代の建築と思われますが、とにかく素晴らしい。
一流の彫刻は見飽きることがありません。
毘沙門堂をじっくり拝観して、さらに登ります。
蓮台に座す菩薩様。
錫杖をお持ちです。
寺宝岩角の入り口に千手観音様の線刻仏。
蓮台に座す千手観音様。
こちらにも千手観音様がおられます。
いよいよ巨石が畳み重なる聖域に入ります。
続きますね。