昨日、平田村の蓬田岳に登った目的は、頂上に祀られている神社にばあちゃんの平癒祈願をすることと、もうひとつ、頂上の稜線にブナ林が存在するのかを確かめたかったのです。
平成18年、僕が「まほろん」に勤務していた当時、須賀川市銭神G・銭神H遺跡出土の木炭樹種同定の結果から、今から300年〜400年前の蓬田岳の植生を復元したことがありました。
この結果については、昨年の森林文化企画展関連イベント「森を未来へ」発信フォーラムにおける僕の講演「もりの歴史」でも公表いたしました。
下の図が蓬田岳西斜面の推定植生復元図ですが、そのなかで、山腹上位から山頂にかけてはブナ林の存在を推定いたしました。そしてコナラ優占林からブナ林との間にミズナラ林の存在を推定いたしました。
この蓬田岳西斜面の推定植生復元が正しいかどうか、まずは頂上に登って確かめたいと思っていたのです。果たして頂上にはブナ林が存在するのでしょうか? それをこの目で確かめたかったのです。
蓬田岳は見るからに登るのがきつそうでしたので、それまで登山していませんでしたが、今回、毎週平田村に通うようになったことを機に、登山してみようと思い、昨日登ったのでした。
平田村のシンボル、蓬田岳。
標高952.2m。
実は、平田村と須賀川市、郡山市にまたがっています。
ジュピアランドひらたの東側に、頂上に祀られている貴船神社の鳥居が立っていますが、そこが登山口です。
登山道を登ると、道の脇にフデリンドウが咲いていました。
登山道がなだらかに続きますが、やがて急な斜面を登ります。
新緑の斜面に杉木立が稜線まで続いているのが見えますが、それが登山道なのです。
昔、斜面を登る参道両脇に杉を植えたのでしょう。
これからいよいよ急な登りとなる手前にも鳥居が立っていました。
ここから頂上まで1210mです。
途中の水場に、地元の小学生が遠足にきていました。
平田村のように放射能汚染の心配が少ない場所では、子供たちも外でのびのびと遊び回れます。うらやましいですね。
ちなみに、登りでは、ここが最後の水場となります。
いよいよ、急な登りとなります。
花崗岩の岩が随所に露呈し、両側が高い杉木立。鬱蒼としています。
登山道脇に、ホウチャクソウが咲いていました。
花崗岩の大きな一枚岩もありました。
岩で足を滑らせないように、足元に気をつけながら登ります。
急な岩場は、石に手をかけ、一歩ずつ、一段ずつ、
息がはずんで、大汗をかきました。
慣れてくると、面白い登山道です。
この登山道は、比較的急な稜線までの直登コースなのです。
ようやく稜線にたどりつきました。
ほっと一息です。
ここから頂上までは、傾斜の緩やかな稜線歩きとなります。
稜線にも、花崗岩が露呈しています。
奇岩もあちこちに見ることができます。
ブナがありました。
阿武隈山地に多いイヌブナではなく、シロブナです。しかも立派な大木です。
やはり、蓬田岳の稜線には予想通り、ブナ林があるのです。
嬉しくなりました。
稜線はブナの新緑で覆われていました。
みずみずしいブナの若葉が輝いていました。
トウゴクミツバツツジの花が美しく咲いていました。
ヤマツツジの花。
ほんとうに立派なブナ林です。
蓬田岳の稜線はすばらしいです。
あちこちにトウゴクミツバツツジの花が咲いていました。
このように見事なブナの大木が並んでいます。
太いブナで樹齢は100年を超えていると思います。
やはり、蓬田岳の稜線には、極相林としてのブナが残っていたのです。
ほんとうに嬉しくなりました。
木漏れ日がまぶしい。
このような奇岩も随所に見ることができます。
ブナの樹肌は、まさしくシロブナでした。
大岩に石の祠が祀られています。
神が宿る岩なのですね。
何度もブナを見上げました。
素敵です。
蓬田岳のブナ林は想像以上でした。
輝くトウゴクミツバツツジの花。
場所によっては、ミズナラの林分を見ることができました。
やはり、ミズナラも存在いたしました。
素晴らしい蓬田岳登山の記、
続きますね。