会津若松市の
鶴ヶ城で、
1月24日「天地人」展が開幕した。これは
NHK大河ドラマの撮影関連資料などを集めた展示会で、
「天地人」展は
「天地人」会津支援協議会主催によるもので、
3月末まで開催される。
この日、主人公・
直江兼続役の
妻夫木聡と兼続の主君・
上杉景勝役を演じる
北村一輝が
テープカットと
トークショーのために
会津を訪れたのである。この情報をいち早くキャッチした
ファンがどっと押し寄せた。筆者は、この日、会場近くを通ったが、イベントを知らずにいた。風雅堂には、公開抽選会で当選した
1,700人が入場したのだ。なお、この日
午前中は
山形県米沢市でも
トークショーがあり、
20倍の難関を突破した
450人が黄色い声援を送ったという。ちなみに
25日は
新潟県上越市などで
トークショーが行われる。
「天地人」展開幕セレモニーが行われた鶴ヶ城では、二人の
人気俳優を待ち構え、人だかりができたという。二人がファンの声援に応え手を振ると、
「キャー」という悲鳴にも似た
歓声が上がった。
携帯電話の
カメラのシャッター音が途切れることがなかったことは説明の余地がないだろう。
「天地人」会津支援協議会長である
菅家一郎市長が
「ドラマを通して会津の歴史を伝えたい」と挨拶をし、来賓の
佐藤県知事が
「兼続殿、景勝殿よくぞいらっしゃいました」と役名で歓迎し、観衆からもかなり受けたようだ。さらに
佐藤知事が妻夫木聡と誕生日が一緒であることを披露して、またもや会場がどよめいたという。
會津風雅堂での
トークショーでは、ドラマ撮影の
裏話を紹介したりしながら、終始和やかに話をしたようだ。
妻夫木は、撮影を通して
雪国の人は
忍耐力があると実感し、
「会津若松も雪国。雪国の方に特に応援してもらいたい」と語り掛けたという。一方、
北村は
「会津はすてきな場所がいっぱいある。ここで撮影したい」と話すと会場は大きな拍手に包まれたらしい。
役どころでは、
妻夫木が「兼続はあまり知られていない武将だが、人が本来持つべき
思いやりの心を持っていた。人間のあるべき姿を演じていきたい」と熱が入る。
北村は「このドラマは、現代社会に失われつつあるものが描かれている。
義や優しさ、人を信じることの素晴らしさを感じてほしい」と呼びかけた。
きょう鶴ヶ城と會津風雅堂を訪れた
ファンは興奮したことだろう。男から見ても惚れ惚れする
イケメン俳優を
生で見ることができたのだから。なお、「天地人」展は
3月末まで
鶴ヶ城本丸で開かれる。妻夫木や北村が実際に撮影で使った衣装などを展示する。また、人物の関係図や当事の勢力分布図などが紹介されている。
天守閣の入場料で観覧できるという(高校生以上
400円)。筆者も期間中
「天地人会津館」(「天地人」展)を1度は訪れてみたいと思う。
一方、この日福島市では
「天地人」の原作者である
歴史小説家の
火坂雅志氏を迎えて講演会が開かれた。上杉家は慶長3(1598)年から同6(1601)年まで
3年8ヶ月間、
会津120万石を治めていた。火坂氏は「
直江兼続が
徳川家康にたたきつけた
『直江状』は若松城(鶴ヶ城)で書かれた。
上杉討伐に出た家康軍を迎撃しようとしたのは
白河市だった。福島県は重要な場所だった」と力説した。つまり
「兼続の人生で1番のハイライトは会津を拠点とした福島時代」ということのようだ。
「義と愛」をスローガンに掲げた
兼続の
人物像について「理不尽な要求に屈せず、
武士の一分を貫いた武将。
米沢藩30万石への大幅
減封という困難に直面しても決して逃げず、民衆と一緒に
産業起こしを図り、経済復興を果たした」と強調した。
「兼続は経済が苦しくても部下をリストラしなかった。武士道の根元である義と愛は現代に受け継がなければならない」と述べ、現在国内で大きな問題となっている
リストラ・派遣切りなどに対しての痛烈な
警鐘だろう。 <参照> 福島民報1月25日朝刊より
NHK大河ドラマでは、ここ数年、
歴史上あまり表には出なかった人物を主人公にとらえた原作を脚色している。今までと違った側面から歴史を眺めることができ、新たな興味と新たな発見があることは間違いない。
●関連サイト
福島民報ニュース「「天地人」の世界へいざなう。福島・若松両市でイベント」
●関連サイト Wikipedia
「直江兼続」
●関連サイト
NHK「天地人」大河ドラマ情報

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