良心市(無人商品販売所)で料金を支払わずに
野菜を持ち去ったとして、
高知署は30日までに高知市や土佐町の47〜86歳の
男女16人を窃盗の疑いで一斉検挙した。被害額は1件当たり
200円〜2600円。容疑者らは
「これぐらいなら……」とちょっとした
出来心だったというが、以前から継続的に被害に遭っていたらしい。
調べによれば、被害に遭ったのは、高知市などの良心市
2カ所。
16人は11人が無職で、看護師の女性や牛乳配達員の男性もいた。被害品はキャベツやスナックえんどう、タマネギ、ジャガイモなどで、キャベツなど
26点(2600円相当)を持ち去った者もいたという。
同署によると、4月中旬、被害者の知り合いから近くの駐在所に
良心市荒らしの相談が寄せられたため、
パトロールを強化するなどして対応。しかし、被害は一向に減らなかったため、5月1日から同署地域課をあげて
2カ所で
連日約
10人態勢で張り込みを実施。29日までに次々と
検挙を重ねた。
検挙された内、
3割は全く料金を支払っておらず、それ以外は1円から数百円を支払っていた。
「これぐらいなら大丈夫と思った」などと容疑を認めているが、
「今回が初めて」と
常習性は否定しているという。
しかし、良心市の経営者は
「約40年前から毎月約3万円の被害が出ていた」といっており、一方のの経営者も
「十数年前から始めているが、5年前くらいから顕著になり、毎月1万〜2万円の被害」があったと訴えている。
<参照> 5月31日13時6分配信 毎日新聞より
野菜の
無人販売所は各地に見られる。ほとんどが
「料金箱」がおかれ、そこに代金を入れ、商品を買っていくスタイルをとっている。まさに、
良心だけで成り立っている
「販売店」である。
商品であるから、もちろんタダではない。
経営者にしてみれば、
「棚卸し」の結果、毎月の売り上げがあわないと嘆いていたようだ。筆者も
農業に携わっているから、丹精込めて作った新鮮な野菜を、
低価格で売っている経営者の気持ちはわかる。
しかし、もともと無人で販売をしている時点で、このような
リスクは当然あり得ることである。極論かも知れないが、
売り上げの減益分?は手数料、経費と覚悟を決めるぐらいの余裕が必要だろう。
「良心市」とはいえ、良心のない人も訪れるわけだ。100円単位でピタリと合わせるには、
有人販売をやるしかない。ただ、1ヶ月数万円の
人件費ではすまないであろう。中には、
ダミー?の
ビデオカメラを設置しているところもある。
一方、正規の料金を払わなかった人たちも、
「タダより美味しいものはない」と思って食してきたのだろうか。美味しいはずがあるわけがない。どこかに
罪悪感を秘めながら食べ続けてきたはずだ。
痴漢、万引きなどの常習犯罪者には罪の意識はない。今回の検挙された人達も恐らく、1回の犯行ではなかったはずだ。
常習化していたと思われる。300円の商品に200円を支払って
「検挙」された人もいるようだ。これで
「前科者」扱いでは虚しい。経営者も消費者も
「謙虚」な気持ちが必要ではなかろうか。
警察も相談を掛けられれば、黙っているわけにはいかない。
1ヶ月間、2箇所で毎日10人態勢で張り込みをしたというが、仕事とはいえ
「そこまでやる事件なのか」と思ってしまった。
確かに
「良心を逆手に取った行為」であり、あきれるばかりである。今流行の言葉で言えば、
コンプライアンス(法令遵守・規範遵守)であり、モラルの問題である。情けないが、あとは大人としての分別のある行動に期待するしかあるまい。

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