2013/12/4

小泉純一郎氏はシベリウスがお好き  音楽
 

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■ 小泉パパの意外な一面 ■

双日総研の吉崎達彦氏ぼブログ「かんべえの不規則発言-溜池通信」は、経団連や自民党の思惑を知るのにとても役立つ情報が満載です。そんな氏のブログに小泉パパの意外な一面が紹介されていました。

「原発ゼロ」発言で久々に衆目を集める小泉純一郎氏ですが、大のフィンランド贔屓、さらにはシベリウス好きだとか。

小泉パパはベタなプレスリー・ファンだと思っていたので、ちょっと驚くと同時に、急に氏に親近感を覚えてしまいました。

シベリウス好きに悪人は居ない・・・多分・・・・。

■ 国民楽派 ■

ジャン・シベリウスは (1865年12月8日 - 1957年9月20日)は、フィンランドの作曲家です。音楽史的には「国民楽派」に分類され、同時代のスメタナやドボルザーク、ムソルグスキーやグリークなどと同列に扱われています。

「国民楽派」の特徴を一言で言うならば、「民族音楽の伝統を取り入れたロマン派」となるでしょうか。スメタナの『我が祖国』や、ドボルザークの『ハンガリー舞曲集』などが分かり易いと思います。

彼らは音楽的だけでなく、思想的にも「自国の歴史」に注目するなど、当時のナショナリズムの台頭と無縁の存在ではありません。

■ 唯一無二のシベリウス ■

シベリウスは国民楽派やロマン派に分類されながらも、その音楽は独特の肌合いを持っています。

「シベリウスの前にシベリウス無く、シベリウスの後にシベリウスは無い」と思える程に、彼は音楽史の上でも孤立した存在とも言えます。

この時代のロマン派の作曲家達の作風は、悪い言い方をすれば「少々下品」です。過剰な情熱やロマンティシズム、マーラーなどに見られる雑然とした構成・・・。ある意味、「濃い」作曲家達が多い。

一方、シベリウスは硬質で冷たい。一部の現代音楽にも通じる北欧的なリリシズムを彼は早くから確立しています。

特に弦楽器のアンサンブルが緻密で繊細です。

交響曲を多く残していますが、第二番のファンは多いかと思います。



初期の交響曲は、優しく、暖かな感じがします。
『フィンランディア』なども含め、この時期は「国民楽派」の影響が強く、スメタナなどと似た感じがします。

■ 交響曲の問題作、4番 ■

シベリウスは一時期、イギリスでベートーベンの後に現れた最大の作曲家と評価されていました。特に交響曲第4番の評価が高かったと思います。



この交響曲、お聞きの様に大変暗くて地味な作品です。

「少人数のアンサンブルの掛け合い」が延々続いて行くので、オーケストラが全体で成る事がほとんどありません。現代音楽の様に聞こえます。(実際にはドビッシーなどの印象はの影響が強い様です)

この曲が1911年の作品なのですから恐れ入ります。

テーマも細切れで、小出しにされるので、根気強く聞かないと飽きてしまいます。
ただ、この曲は「聞けば聞くほど味が出る」名曲だと私は思います。頑張って聞くと第4楽章で春がやってきます!!この開放感は・・・しかし、次第に暗転して行きます。それが又シベリウスらいし。クレッシェンドでは無く、消え入る様に終曲を迎えます。

実は、オーケストラと指揮者にとっては大変嫌らしい曲で、ソリストの技量が無ければ聞くに堪えない演奏になる曲としても有名で、カラヤンとベルリンフィルの演奏が名盤と言われる由縁です。

ただ、この重苦しい雰囲気は、暗く長い冬を過ごすフィンランド人には理解し易い様で、フィンランド人の指揮者、ユッカ=ペッカ・サラステは「第4番はフィンランドのオーケストラと指揮者にとっては理解しやすく、第7番は雰囲気をつかむのに苦労する。」と言っているそうです。(サロステ、20年程前に上野で見た時は、ハンサムで格好良かった!)


■ 未完の8番 ■




比較的硬質で冷たい演奏が多いシベリウスですが、バーンスタインの指揮する演奏は暖かで、シベリウスの違った一面を垣間見せてくれます。2番、7番を得意としていた様な・・。

上の映像はウィーンフィルとバーンスタインの共演ですが、溶けあう様な弦のアンサンブルに蕩けそう。

7番はシベリウス最後の交響曲で、単一楽章形式という変則的なものですが、全体としてはソナタ形式を取っているので、曲間の無い交響曲と言えるのでしょう。30分弱の間にシベリウスらしさが凝縮しています。

実は未完の交響曲第8番もあるのですが、これはパート譜まで用意しながら、シベリウス本人が1945年に焼却してしまったので、どんな曲であったのか伺い知る事は出来ない様です。1930年にはほぼ完成していた様なので、この作品をシベリウスが何故破棄したのかは、音楽史の謎とされています。

この8番、古典的交響曲への回帰では無いかとも推測されており、シェーンベルグを始めとする現代音楽に突入する時代に、シベリウスの独自の時間は、時代との接点は完全に失ってしまったのかも知れません。

シベリウスは90歳以上の長命でしたが、60代以降は作曲活動からは遠のいています。


■ 何故かシベリウスファンが存在する ■

音楽の趣味は人それぞれで、世間ではあまり人気の無いシベリウスですが、熱烈なファンが多いという不思議な作曲家です。

私自身は、クラシックを聴き始めた大学生の頃、雑誌で4番を薦めているのを読んで、カラヤン盤を買いました。

・・・大変後悔した事を覚えています。だって、クラシック初心者には、単なる「暗くて、退屈な曲」でしか無かったからです。

その後、ジョン・ゾーンやティム・バーンなどの現代的なフリー・ジャズに慣れた頃にこの曲を聴いて、ビックリしました。「何て現代的なんだろう!!」

シベリウスと同時代、あるいは少し後の時代の管弦楽曲の多くが、どれも映画音楽に聞こえてしまうのに対して、シベリウスの作品は、現在聞いても、「唯一無二」のシベリウスの音として耳に届きます。

大衆迎合の作家では決して到達する事の出来ない「硬質なリリシズム」を確立した事が、熱烈なファンを生む原因なのかもしれません。

シベリウスがお好きなんて、小泉パパって見かけによらず・・・・。




ちなみに、私はクラシックファンかと言えば、単なるシベリウス・ファンです。モーツアルトもベートーベンも何が良いのやらさっぱり分かりません・・・。

シベリウス自身は、モーツアルトの軽やかさに憧れていた様ですが・・・。



<追記>

暗いイメージの強いシベリウスですが、6番などは、ディズニー音楽顔負けのファンタスティックな名曲です。
3分くらいの場所を聴くと、もうファンタスティック。




こんなものを見つけてしまいました。

http://player.qobuz.com/#!/track/2368009

リトルマーメードの『Kiss the Girl』をシベリウス風にアレンジしたものみたいです(笑)
さわりだけ聞けますが、結構シベリウスしています・・・。これが、どうやってカリプソ風の 『Kiss the Girl』に繋がって行くのか興味深々ですが・・・買わないと聴けない。
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2013/12/7  5:13

投稿者:人力
屁糞葛さん

こちらこそ、今後とも楽しいコメントを宜しくお願いします。

2013/12/6  11:21

投稿者:屁糞葛
人力さん

ご丁寧に恐れ入ります。
*屁糞葛のHNは人力さんの過去のエントリーから拝借しました。白色の方解石母岩の中の赤いルビーの結晶みたいですね。
*第三交響曲は「カレワラ」の呪縛に別れを告げようとする記念碑的作品だと思います。第四となると、聴く前に相当の覚悟をもってないと再度実生活に戻ってこれない程の恐ろしい曲ですね。これがセシルグレイ他のイギリス人には合っていたんでしょうね。やはり第六あたりの淡々とした枯淡さが好きです。
*カラヤン&BPOはご指摘のように高い演奏技術のオケではどうなるかを見るべきで、「タピオラ」の出だしまもなく、弦楽器が一斉に駆け上がっていく箇所がありますが、その切れ味は他のオケでは出せていないようです。
*昔、熊本にいたことがあって、ノイマン&チェコフィルを聴きました。定番の「新世界」だったのです。最後に余韻をもって終わるのですが、終わりきらないうちに拍手が入ってしまったのです。その時の楽員の失望した表情と、こちらは申し訳ない気持ちが。

これからもよろしくお願いします。

2013/12/6  5:26

投稿者:人力
屁糞葛さん

有川浩の『植物物語』でヘクソカズラのイメージは劇的に変わりましたよね。でも臭い・・・。面白いハンドルネームをお持ちですね。お寺や神社の参道脇でひっそりと咲くシャガも奥ゆかしさのある花ですね。日影というのがポイントかと・・・。

私はネジバナやニワゼショウを見つけると得した気分になります。勝手に生えてくる割には、良く見るとキレイですよね。ミニチュア感が何とも言えません。

第三交響曲。素朴で愛らしいですよね。4番以降に見られる重苦しさが無くて、1、2番にあった気負いも無い。まさに、シンプル。特に第二楽章はエンドレスで行けますよね。こういう曲は北欧のオーケストラで聞きたいですよね。

昔、ノイマン&チェコフィルを見に行った事があるのですが、モーツアルトを演奏している時と、スラブ舞曲集を演奏している時でオーケストラのモチベーションが違いました。スラブ舞曲集になった途端に、溌剌として、胸を張って演奏し始めました。

同様にフィンランド人やスエーデン人にとっては、シベリウスは別格の作曲家なのでしょうね。カラヤンのシベリウスと、北欧のオケのシベリウスは、全く別物ですよね。



2013/12/5  17:41

投稿者:屁糞葛
人力さん 初めまして。
経済金融と自転車のブログと思いきや、奥が深いですね。
屁糞葛としての一押しは*第三交響曲の第二楽章と「タピオラ」でしょうか。淡々とした寂寥感が。昔読んだ菅野さんの自伝によれば、メンデルスゾーンの軽快さが好きで、マーラーやワーグナーは好きでなく、ブルックナー第五に心酔したとありました。
小泉さんはバイロイト詣でしたくらいワーグナー好きのようで、屁糞葛としては理解できません。脱原発の絡みでSuomi=シベリウスと利用されたのかな?
屁糞葛の花はよく見ると綺麗ですね。シャガと並んで好きな花です。

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