2008/9/6

NNKにようこそ・・・文学におけるパンクとは  
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「NHKにようこそ」・・なんなんだ、このタイトルは?
誰なんだ?この表紙で微笑む、アニメ調の少女は?
どうして、いつも本屋で平積みになっているの?
・・ここ数年、気になってました。
・・・でも善良な社会人は、ライトノベルなんて読まないのです。
だから、ずっと気になっていたのに、
結局、買う勇気がありませんでした。先日までの私は・・。

最近のマイ・ライトノベル・ブーム到来で、
「狼と香辛料」「涼宮ハルヒ」「ミミズクと夜の王」
「少女には向かない職業」「荒野」「空の境界」と読んでみて、
すっかり、ライトノベルの魅力に取り付かれた私は、
もう、アニメ調の表紙怖も怖くなんてありません。
とうとう念願の「NHKにようこそ」を購入しました。
勿論「ネガティブ・ハッピー・チェンソー・エッジ」もセットで・・・。

「NHKにようこそ」・・・中学の課題図書にすべきですよ。
確かに主人公は「引きこもり」だし、
「ロリコン」にハマルし、「合法ドラック」でラリってるし、
そりゃ、良識的な父兄や、教育委員会は眉を潜めますよ。

でも、こんなにも、今の若者の気持を反映している本は無いのでは?
荒川沖駅や秋葉原駅でナイフを人に突き立てる若者がこの本を読んでいれば
あるいは、彼らは違った選択をしたのではないか・・・?
青春って、辛くて、ショボくって、情けなくて、行き場が無くて、
カッコ悪くって、・・・でも、なんて愛らしいんだろう。

このカッコ悪さ・・・どこかで読んだような・・・。
そうだ、ジャック・ケルアックの「路上」じゃないか。
あるいは、ヘンリー・ミラーの「北回帰線」だろうか?
行き場の無いエネルギーが、文字に姿を変えて
本の中でグツグツと煮えたぎる感じ・・・。

そうだ、これは「パンク」だ!!

若者はいつでも、処理しきれないモヤモヤエネルギーをたぎらせています。
引きこもりや、オタクなら、モヤモヤレベルは相当のものです。
それが、表現手段を得て外界に噴出する現象が「パンク」なんです。

「パンク」とはセックス・ピストルズに代表される商品化された「パンク」とは別物です。

あるときは、「ロスト・ジェネレーション」を呼ばれたり、
あるときは「ヌーベル・バーグ」と呼ばれたり、
あるときは「ニュー・ウェーブ」と呼ばれたり・・・。
あるいは「オルタナティブ」と呼ばれたり・・・。
要は、モヤモヤエネルギーが映画や音楽や文学に姿を変えた時、
そこに「パンク」が生まれるのではないでしょうか?

中年の元パンクロッカーが小説を書いたからって
そこにパンクは存在しません。

「パンク」は辺境(オルタナティブ)から生まれます。
社会の辺境、文化の辺境、
・・・都会の辺境としてのアパートの一室からも。

「パンク」は永続ではありません。
モヤモヤエネルギーの噴出と共に、燃え尽きるものです。
「NHKにようこそ」の滝本竜彦は「パンク」です。
綺麗に燃え尽きて、もう小説を書けません。
「涼宮ハルヒ」の谷川流も、多分、綺麗に燃え尽きています。新作が出てきません。
「ハルヒ」の存在自体が、既に「パンク」です。

「パンク」は、年齢を問いません。
フェリーニは一生「パンク」でしたし、
宮崎駿や富野も、モヤモヤレベルと反骨精神において生涯パンクです。
「勝手にシンドバト」のサザンは充分パンクでしたが、今はただのオヤジです。

「パンク」は破壊します。
既存の概念や、社会の仕組みや、表現の技法を。
東野圭吾や、伊坂幸太郎や、福井晴敏は「パンク」ではありません。
彼らは、充分賢くて、永続的で、生産的です。

私は「パンク」が好きです。

そして、ライトノベルと呼ばれるジャンルには、「パンク」があります。
・・・その多くは、花火のように一瞬で消えてしまうのでしょうが・・。












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