2018/10/23

カショギ氏殺害事件の主役はトルコだ  時事/金融危機
 

■ ショッキングな事件よりもショッキングな事実 ■

サウジアラビア政府に批判的な反体制派ジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏がトルコのサウジアラビア領事館内で殺害された事件、世間はサウジアラビア政府やムハンマド皇太子に避難の矛先を向けています。

しかし、この事件、そもそもサウジアラビアの領事館内で起きていて、死体もバラバラに切断されているので明るみに出る事は無かったハズです。「失踪」で片づけられた事件。

実は、反体制派の活動家の殺害なんて独裁国家のサウジアラビアでは日常茶飯事で、カショギ氏の弟夫妻もサウジ国内で暗殺集団に殺害されたと中東の放送局は報じています。「黒覆面の暴徒に襲われ殺害された」と報じれられいますが、この裏に政府の関与が疑われたとしても証拠は有りません。

しかし、トルコのサウジアラビア領事館内で殺害されたとなると問題は別です。サウジアラビア政府の関与は否定しようが無く、現にこれを認める結果となっています。

この事件、「サウジ政府の指示で殺害、死体切断」という残虐さに世間の注目が集まりますが、実はもっとショッキングな事実はトルコ政府が、事件の最中の録音を一部メディアに公開した事で、事件が明るみに出たという事実。

トルコ政府はトルコのサウジアラビア領事館の中に盗聴器を仕掛けているという、本来知られたくないスパイ行為を明らかにしてまでも、サウジアラビアを陥れたかった。そこまでサウジアラビアとトルコの関係が悪化している事の方がショッキングなのです。

■ かつての盟友は今の敵 ■

シリアの内戦の始まった頃は、サウジアラビアとトルコの関係は悪くはありませんでした。アサド政権打倒という共通の目的の為に手を組んでいたからです。両国の背後で糸を引いていたのは勿論アメリカです。

ところが、トルコがロシアの戦闘機を追撃した事で中東情勢は一変します。プーチンに呼びつけられて震えあがったトルコのエルドアン大統領は、一転してロシアにすり寄り、アメリカから距離を置く様になります。これに怒ったアメリカはクーデターでエルドアン大統領失脚を仕掛けますが、ロシアの無線盗聴によってクーデターは失敗に終わります。これでトルコとアメリカは完全に決裂します。

地政学的にもロシアに近く、ロシアはヨーロッパ南部へのパイプラインをトルコ領内を通過させたがっていたので、トルコとロシアが手を結ぶ事は、アメリカの石油支配にとっては致命的です。同じ様にパイプラインが通るウクライナでアメリカが政変を仕掛けてロシアとの関係を悪化させた様に、反米親露に転じたエルドアン政権を倒したくてアメリカはウズウズしています。

一方でアメリカの中東支配の要はサウジアラビアですから、ロシアとトルコは今回の事件でそこに「揺さぶり」を掛けて来たと言えます。まあ、内容的には「イヤガラセ」程度ですが、アメリカの国内世論は「非人道的なサウジアラビア政府」にアメリカ政府が支援をしたり、武器を輸出う事を嫌います。

■ 中東で孤立しつつあるサウジアラビア ■

英ロの傀儡国家サウジアラビアは、大量の埋蔵量を誇る石油の力で、かつては中東の盟主と呼ばれ、中東戦争の当時は、アラブ諸国の先頭に立ってイスラエルと戦いました。

ところが、イラクやリビアは独裁政権がアメリカに倒され諸部族、諸宗派が対立する混乱状況に陥り、シリアも内戦で疲弊し、トルコはロシアやイランと結託しつつあり、カタールもイランと手を結びました。

サウジアラビアは中東で孤立しつつ在り、アメリカとの癒着を深め、敵であるイスラエルにもすり寄っています。さらにはロシアにもすり寄る節操の無さ。(なんだか日本に似ていますね))


■ サウジアラビアの国民は王族やアメリカを嫌っている ■

サウジアラビアはアメリカ(イギリス)の傀儡国家ですが、国民感情としては反米です。メッカを抱え、イスラム教への信仰が篤い国民はアメリカのサウジ支配を快く思ってはいません。

そもそもサウジの国民は独裁的なサウジアラビア政府を嫌っています。サウジ王家の信仰するワッハーブ派は原理的な傍流のイスラム教ですが、アラビア湾岸の油田地帯の住民は世俗的なシーア派、その他の国民はスンニ派です。

王族の信仰するワッハーブ派は厳格な原理主義で、女性の権利を極端に抑制してきました。サウジでは女性が車を運転する事すら、つい先日までは禁じられていたのです。

当然、国民は王族を快く思っていませんが、サウジ政府は豊富な石油資金で国民の歓心を買い、さらには独裁的な強権で国民を支配して来ました。

実はサウジ王家は中東で孤立するだけで無く、国内でも孤立しているのです。だからこそ、後ろ盾となるアメリカ(イギリス)に依存して来ました。サウジの王族はアメリカに留学して徹底的に親米教育を施されて来ました。


■ オバマ政権下で接近したサウジとイスラエル ■


親米のサウジ王家ですが、オバマ政権下で、アメリカとの関係が微妙になります。当時、アメリカはシェールガス・オイルの生産が拡大し、原油の産出量はサウジアラビアを抜き去ります。当然、市場に流通する原油の量が増えるので、原油価格は40ドル/バレル程度まで下落します。

国家の財政を原油の販売利益に依存するサウジアラビアは財政的な危機に直面します。かつてのOPECであれば足並みを揃えて減産して原油価格を維持したでしょうが、現在は足並みも乱れ、あわ良くば抜け駆けしようとする国ばかりです。

この頃、オバマ政権はサウジ王家と距離を取っていました。同様にイスラエルとも距離を取っていたので、嫌われた者同士で、サウジとイスラエルの関係が深まります。同時に両国はロシアとの関係改善も試みます。

■ サウジに武器を売りたいトランプ政権 ■

オバマ政権(ヒラリー政権)に勝利したトランプは、軍産複合体のセールスマンとして精力的に活躍しています。サウジアラビアにも武器を売りたい。

ところが、今回のカショギ氏殺害事件で、アメリカ世論はサウジアラビアへのン武器輸出に批判的になります。トランプとしてはビジネスパートナーであるサウジ政府を最初は擁護していましたが、ここに来て、世論に折れる形でサウジ政府を批判し始めています。

ただ、これが長引けば、サウジ政府はロシアに武器購入の話を持って行くと、トランプを脅すハズ。以前、ロシアの迎撃ミサイルの購入を打診するなど、最近のサウジアラビアは、ロシアをダシにしてアメリカの感心を引こうとしています。まるで、捨てられそうになった年を取った愛人を見る様で哀れです。(安倍首相も似ていいますね)

■ ソフトバンクのファンドは次の経済危機で大きな損失を出すハズ ■

原油価格は現在は回復していますが、サウジ政府は将来的に石油資源が枯渇すると国家の財政が破綻し、当然、王家も失脚する事が確実です。その予見される未来から逃れる為に、サウジ政府はオイルマネーを投資で運用する選択をします。それがソフトバンクと共同で運営する10兆円ファンドです。

孫社長はアリババ株で8兆円の含み益を出したり、イギリスのCPU開発会社のアーム社を3兆円で買い取るなど、大胆な投資戦略でのし上がって来た人です。ソフトバンクの料金で国内の庶民からお金を吸い上げ、それを大胆な海外投資に振り向けて来ました。

確かに孫社長の「見立」は正確で、今の所、大きな損失は出していません。次世代の成長企業に確実に投資している様です。しかし、これらの企業の株は、現在のバブル化した株式市場で過大評価されている銘柄が多く、次に起こるであろう株価暴落で大きく値を下げるであろう企業が多く含まれているハズです。

サウジ政府にとっては5兆円などハシタ金ですが・・・ソフトバンクはそうではありません。国内の携帯電話の通話料金を下げる様に菅官房著間が圧力を掛けていますが、安定したキャッシュフローを生み出す通話料金が引き下げられれば、有利子負債が多いソフトバンクの経営は一気に悪化し、焦った孫社長が投資で下手を打つなんて事もあるかも知れません。


・・・・もし、サウジアラビアの5兆円を溶かしたら・・・孫社長の元に黒づくめのアサシンが現れるかも知れません。

きっとこんなのが来ます・・・。

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おっと、妄想が暴走した。
11

2018/10/25  4:27

投稿者:人力
一ブログ読者 さん

「すごいタイミング」とは臨時国会に合わせてという事と解釈して宜しいでしょうか・・・・。

2018/10/25  1:52

投稿者:一ブログ読者
すごいタイミングで安田純平さんが解放されましたね。ネ
ト○ヨの皆さんは「本当に日本人なのか」なんてことばか
り言っていますが。
トルコとカタールが交渉を仲介し、身代金まで日本政府の
代わりに出したのだとか。中東の水面下の小競り合いに利
用されたのでしょうか。

2018/10/24  10:08

投稿者:bbzk39
人力さん、
丁寧な解説ありがとうございます。
米国にとってサウジは武器を購入してくれるいいお客様な
ので、このままの関係を望むでしょうが、今回の事件がき
っかけとなりサウジの親米路線が今後どうなるか気になり
ますね。
ソフトバンクの砂漠の大規模太陽光発電事業計画もサウジ
王室が不安定になると先行きが気になりますね。

2018/10/24  4:45

投稿者:人力
bbzk39 さん

カショギ氏の親戚はダイアナ妃の最後の恋人だったとか。意外とあっち側の人なのかも知れませんね。

サウジは日本同様に対米輸出で稼いだドルを、米国からの武器購入や米国債投資でせっせと米国に貢いで、ドル基軸体制を支えている国の一つです。サウジの米国離れをアメリカが看過出来るのかは疑問ですが、オバマ政権の時代はサウジは冷遇されていた・・・。ここが不思議な所ですが、ヒラリー陣営は石油資本と繋がりが浅かったのかも知れません。

2018/10/24  4:41

投稿者:人力
bbzk39

地下水の汚染については今年に入ってからもベンゼンが基準値の140倍、ヒ素なども22倍と、地下水浄化システムが稼働後の方が汚染物質の濃度は上昇しています。これは、浄化システムが地下水の循環を促した為と考えられますが、中長期的には汚染濃度は低下して行くと思われます。一方、地上や地下空間に関しては汚染は観測されておらず、これが小池知事の「安全宣言」の根拠となっていますが、実は都知事選の時と何も変わっていません。要は、小池氏は無駄に騒ぎを誇張して、豊洲延期を無駄に伸ばしただけ。

ゴキブリに関しては、下水道に繋がる施設でゴキブリの浸入を防ぐ事はほぼ不可能です。幼虫は小さな網の目もくぐり抜けます。ただ、豊洲の排水桝のゴミ受けの網は目が細かいので、網すら無かった築地よりはマシでしょう。室内の密閉空間なので、燻蒸剤などで全館でゴキブリ退治をしようと思えば出来ますが、食品を扱う施設だけに・・・これは無理かと。

まあ、下町や地下の飲食街の夜中なんて、ネズミが運動会をやってますし、一見清潔に見えるビルの中の飲食店も、解体する時に出て来るゴキブリの数といったら。おっと失礼、こんな事を言ったら外食は出来なくなってしまいますね。

2018/10/24  2:21

投稿者:bbzk39
陰謀論からすると、カショギ氏はサウジに連行され生存し
ている。殺害していないので、サウジ、トルコとロシアは
サウジの王族に対するリスクなしにアメリカの中東への影
響力を弱体化できる。サウジは、国際的非難に対抗して今
後石油生産を減少して影響力を高める。ロシアは石油を増
産し、EU諸国に影響力を高める。トランプの政治力は国内
的から「非人道的」批判のため弱まる。
日本は何も発言せず、「事態の推移を見守る」。

2018/10/23  19:52

投稿者:bbzk39
フレスコさん、ごめんなさい、横からすみません。豊洲市場
の化学汚染物質問題がどう解決したのか。「このように解決
した」を都庁は公表しなかったんですか。
豊洲市場のゴキブリ問題は初耳です。どんな問題ですか。

2018/10/23  17:38

投稿者:ゆうこ
大丈夫(笑)
イタリアからスイスに13兆円もアメリカ国債をトランクの底に忍ばせてバーゼルに持っていこうとした外務省の職員も居るから孫さんも何とか遣り繰りするんじゃ無いの

2018/10/23  11:30

投稿者:人力
フレスコさん

豊洲問題に関しては、私は土壌汚染に関しては封じ込めが出来ていると思います。先日、地下水が地上に噴き出す事件が起きていますが、これは排水設備のトラブルから起きた事で、その後、収まっていますし、建屋内の汚染は無いハズですから、問題は有りません。

ニュース等で取り上げられた通り、築地市場のネズミやゴキブリの方が問題であり(豊洲でもゴキブリは対処出来ませんが)、豊洲問題とは、小池知事が政治利用した事により、移転が遅れ、都民の税金が無題に使われた事を最大に問題視する事件だと思っています。


一方、駐車場棟の打杭の深さが足りないのでは無いかという点に関しては、安全面の検証が必用であるにも関わらず、小池都政はこの問題の解明に消極的です。ここに小池知事の掲げた「安心・安全」が全くの偽ものである事が伺えます。

一方、「豊洲市場が使い難い」という声が一部の業者から上がっていますが、これは「慣れ」の問題と、築地でこれらの業者がルールを無視していただけの問題かと思います。ただ、使う側としては平屋の市場の方が使い易い事は確かで、この点、築地市場の方が優れていたと思います。

ちなみに豊洲市場の最大の問題は、流通の変化によって公営の卸売市場の役割が終わりつつある今、固定費の掛かる大規模施設を建設した事にあります。今後、維持費で都税が無駄に使われる一方で、卸売業者はどんどん現象して行くハズ。ある時点は、amazonや大手スーパーに一部を貸すなどの対策が必用になると思われます。

2018/10/23  11:04

投稿者:フレスコ
できたら、豊洲問題に関する現在の心境をお聞かせくださいませ

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