2018/12/8

「表紙買い」魂!!・・・大人の為の最新マンガ情報  マンガ
このブログは「善良な大人をオタク化する」という崇高な目的を掲げています。

経済記事や陰謀論に、時々混じっている「オタク記事」を何となく読むうちに、50代、60代の大人がオタクに目覚める・・・そんな罠が張り巡らされた悪意に満ちたブログが「人力でGO」の正体なのです。


私はアニメは若い人向けの作品が好きですが、マンガに関しては大人向けの作品を買う事が多い。それも「ジャケ買い」ならぬ「表紙買い」や「背表紙買い」が多い。最近の書店ではマンガ本がビニールに入っていて立ち読みが出来ないので、そうならざるを得ないのですが、「良いマンガ」は背表紙からして「ただならぬ気配」を漂わせています。

本日はそんな「表紙買い」「背表紙買い」の神髄を披露します。


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『僕らコンタクティ』 森田るい 

駅前の西友の本屋で背表紙買いしたこの作品、今年の「マンガ大賞」で2位になってしまいました。(一位は『BEASTARS』)


仕事に飽き飽きしている女子会社員が、ある日小学校に同級生に再会します。『クレヨンしんちゃん』のボーちゃんみたいなツカミどころの無い彼ですが、町工場でコツコツとロケットを作っています。これは金になると勘違いした彼女は、仕事を辞めたい一心にロケット作りに関わりますが、いつしか彼を夢を共有する。そして、彼の不仲な兄や、行きつけの飲み屋のママを巻き込みながらも、ロケット開発は着々と進んでゆきます。はたして町工場のロケットは宇宙に行く事が出来るのか・・・久しぶりに「マンガってイイな」って気持ちに浸れました。

決して上手い絵では無いのですが、「この作品はこの絵で無ければ成り立たない」という説得力が有る。そして、実は実写映画でこの作品を観たい。




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『リバーエンドカフェ』 たなか亜希夫

小池一夫の主宰した「劇画村塾」で原作付の作品で作画がメインの方らしいのですが、私は未読。1956年生まれですからベテランですね。

石巻の川の河口近くでカフェを営む男と、何故かそのカフェに出入りする様になる女子高生を中心に、オムニバス形式で話が展開します。

震災の影響が人々の心に残る石巻。中学時代に震災復興のスローガンだった「絆」という文字が嫌いと口にしてしまった事で、現在に至るまで酷い虐めの対象となっている女子高生のサキは、流れ着く様に「リバーエンドカフェ」に辿り付きます。無神経で不愛想な店長に何故かこき使われるハメになりますが、カフェには様々な悩みや問題を抱えた人が流れて来ます。店長は不思議な人脈でそれを解決したり、或いは何もしないけれど勝手に解決したりと・・探偵物の亜流の作品です。

ずっと重い雲が垂れこめた様なサキの心に、人々との関わりの中で、かすかに薄日が差す事がある・・・しかし、雲はまた空を覆ってしまう。そんな感じの作品です。

故郷石巻に思いを寄せる作者の、珍しく原作者の無いオリジナル作品ですが、日本のマンガの層の厚さを実感します。これも実写向きの作品。カフェの店長は役所広司にお願いしたい!!



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『ロマンスの騎士』武富智

中世の騎士が現代に転生してフェンシングで自分を殺した相手にリベンジしようとする話。異世界転生物の逆パターンですが、かつて重装騎士団を率いた英雄が、一介の中学生になってしまった為に、一から体力作りをしてフェンシングを学ぶという、実に真っ当な展開。いわゆる異世界転生物や、スポーツ物にありがちな「実は主人公は意外な才能の持ち主で」といった「チート」を排した所が成功の要因。

「フェンシングって何で腰から紐が出てるの?」なんて疑問が読んでいるうちに自然に解決して行きます。TVで観てもルールが良く分からないフェンシングですが、この作品を読めば東京オリンピックでフェンシングを観ても興奮する事は間違い無し。人気競技では無いので、チケットが取り易いかも知れません。



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『赤狩り』山本おさむ

第二次世界大戦後にアメリカで起きた「赤狩り」。「共産思想の人達を検挙した事件」とだけは知っていましたが、詳細を知る日本人は少ないでしょう。

FBIが主導して、ハリウッド周辺の人々が次々に疑惑を追及されて行く中、ウイリアム・ワイラー監督やハンフリー・ボガードらが友人や仕事仲間の無実を証明する為に立ち上がります。しかし、逆に彼らが「赤」のレッテルを貼られ、次第に窮地に陥る事に。

ウイリアム・ワイラー監督は騒動の渦中、新作の企画を立ち上げます。ローマを舞台にした作品の脚本を気に入ります。ワイラー監督は何かと窮屈になったアメリカを離れ、イタリアのチネチッタで撮影する事に。撮影には共産主義者として追及されそうなスタッフを同行させます。

主演に抜擢されたのは無名の新人。小鹿の様に細くて小柄な彼女は戦時中はオランダでレジスタンスの手伝いをしていた事も。女優泣かせで有名なワイラー監督の厳しい演技指導にも屈しない彼女は演技者として次第に輝きを増して行きます。彼女の名前はオードリー。そう、この作品こそが『ローマの休日』なのです。

脚本家は「赤」として追及を受けていたダルトン・トランポ。彼は共産主義者のレッテルを貼られていたので、友人の名を借りてでこの作品を書き上げます。彼はこの他に他人名義で『黒い牡牛』の脚本も執筆しています。

『ローマの休日』の誕生秘話を描く2巻目が圧巻ですが、自由の国アメリカで、法をも超越した共産主義の弾圧が行われた歴史を知る上でも、必読。十分大人の鑑賞に堪える、いえ、大人こそ読んで欲しい作品です。



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『BABEL』石川雄吾

『八犬伝』ほど、様々な二次創作を生み出す作品は他に無いでしょう。元の作品が魔物や妖怪が跋扈する世界観だけに、「奇譚小説」的な2次作品が多いのも特徴。結構、エログロとも相性が良い。女装の剣士が二人も登場する事からボーイズラブ的な展開も可能な素材です。

『BABEL』は奇譚的な色合いが強い作品ですが、圧倒的な画力と現代的な表現で大胆に改変された「八犬伝」は読みごたえ十分。


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『バジーノイズ』むつき潤

マンガが「絵」で作られた世界である以上、表現に限界が有ります。例えば「音」を聴かせる事は出来ません。その限界に様々な人が、様々な方法でチャレンジして来ました。五線譜の楽譜を描く方法や、ジョジョの様な擬音表現をしてみたり、或いはセリフを書かずに無音から音を感じされる様な手法を取ったり・・・。

むつき潤が取った手法はデザインです。音を視覚的デザインに変換してせた。かなりスマートな方法でセンスを感じます。

PCで音楽を作る事に無二の喜びを感じる主人公ですが、作品を人に聴かせるという欲求はありません。アパートの管理人の仕事の傍ら、コツコツと作品を作りますが、アパートの住人の女の子が彼の作品に惚れ込みます。この女の子、非常にエキセントリックな性格で彼の静かな生活は一瞬で崩壊。彼女はSNSで彼の作品を拡散しますが、これが「バズり」ます。(SNSで評判になる事を「バズる」と若者達は言います)

現代的でポップでスタリッシュな作風ですが、これまた現代的なSNSでの情報拡散をテーマにした今を表現する作品です。時代遅れにならない為にもオヤジ必読。


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『ミステリーという勿れ』田村由美

普段なら絶対に買わない表紙ですが・・・「勿れ」という漢字が読めなかったので思わず買ってしまいました。

非常に記憶力と洞察力に優れたボッチの大学生が、ある日殺人容疑を掛けられます。所轄の警察で色々とリ調べを受けるのですが、彼は飄々としています。そして、何故か署員の相談に乗る様になってします。そんな彼が、署員の情報から真犯人を探り当てるという話から始まりますが、コロンボの様な「会話劇」が面白い。

ちなみに「勿れ」は「なかれ」と読みます。




以上、本日は大人にお勧めの最新のマンガを紹介しました。
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