2018/12/31

「一生もの」の自転車を作る・・・究極の自転車  自転車/マラソン
 

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■ 自分にとって究極の自転車とは ■


自転車を趣味とする者ならば誰でも「究極の自転車」が欲しい。

しかし、一言に「究極の自転車」と言っても人それぞれです。「ツールドフランスでプロが乗る自転車が欲しい」という人も居れば、「ツーリングを楽しめるクロモリバイクをビンテージパーツで組みたい」という人も居るでしょう。

では私にとっての「究極の自転車」とは何か。それは「鉄の自転車」です。それも、ただのクロモリ自転車では有りません。

1) シングルスピード

シングルスピードというのはギアの付いていない自転車。要はママチャリと一緒。ただ、スポーツバイクですから、むしろ競輪の自転車に近い。ただ、競技用の自転車は固定ギアですが、絶えずペダルが回り続けます。下り坂では足が強制的に高速回転させられるので、登りよりも下りがキツイ。

さらに、固定ギアは足を止めてしまうと、ペダルが足を突き上げて体が前方に吹っ飛ばされそうになります。長距離ライドで脳が疲れて来ると、足を止めてしまってヒヤリとする事もしばし。

ですから私的な究極のシングルスピードは、固定ギアでは無く、フリーコグ付き(ママチャリと一緒)がベストです。


2)クロモリのメガチューブのフレーム

クロモリというのは自転車用の強度の高い鉄の合金でクロームとモリブデンを含有しています。一般的にはホリゾンタルフレームで細いパイプで組まれたものが多く、車体のシナリとペダリングのタイミングを合わせると楽に高速で走れます。

しかし、私は柔らかいクロモリバイクは苦手です。同じ鉄でもレイノルズ853(マンガンモリブデン鋼なので正確にはクロモリではありません)の様に硬い乗り味のバイクが好きです。私が持っている自転車の中では、通常よりかなり太いパイプで組まれたRALEIGHのオールドMTBのフレームが好きです。

ロードバイクでも、極短い期間クロモリの極太パイプの自転車が登場しました。しかし、鉄の太いパイプは重いので、より軽量なアルミにその座を奪われ、さらにカーボンの登場でクロモリのメガチューブはほとんど利用されなくなります。

今では、「細いホリゾンタルフレーム=おしゃれ」という感覚でクロモリフレームはチョイスされるので、メガチューブの需要は皆無です。ただ、鉄フレームを愛する競技者が、オーダーバイクでデッドストックのメガチューブを選ぶ事がある。


「シングルギア+クロモリ+メガチューブ」の私的「究極自転車」はフレームをオーダーしない限り入手困難です。


■ 夢のフレームが8500円で手に入った ■


ところが・・・先日、ヤフオクを眺めていたら、クロモリメガチューブのシングルエンドのフレームが出展されていました。カナダの自転車メーカーのKONAの「the rat」の新品です。2010年頃の製造の様です。

開始価格の8500円で入札したら、なんとその金額で落札してしまいました。サイズも私にピッタリの54cm。

■ ヘッドパーツが入らない!! ■

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せっかくのクロモリフレームですからパーツはシルバー系を使いたい。先ずはヘッドパーツですが、1インチのアヘッドのパーツはほとんど選択肢が有りません。そこでヤフオクで CANE CREEKの廃盤品,S6の新品をゲット。1万円で・・・フレームよりもヘッドパーツが高価。

いざ、ヘッドパーツを圧入しようとしたら・・・入りません。フォークのコラム径はITA規格でしたのでヘッドチューブもITAの内径30.2mmだと思い込んでいたのですが、何ヘッドチューブはJIS規格の30mm。たった0.2mmの差ですが、自作の圧入工具ではピクリとも入りません。

ネットで対策を調べると、JISとITAの両方のヘッドパーツを出している製品をれぞれ1個ずつ買って、ITAのクラウンレースだけを流用すると有ります。TANGEのDLというヘッドパーツでこれが可能。運が良い事にクラウンレース(460円)だけも補修パーツで入手可能。

注文から1週間程してクラウンレースも届いたので、いざ圧入・・・入りません。上ワンも下ワンも自作の圧入工具では斜めになってしまい、どうしても真っすぐ入りません。さらに、斜めに入ったまま抜けなくなった・・・最悪です。

仕方なくワンリムーバーとうう専用工具とヘッドワン圧入工具を購入。一生に一回しか使わないかも知れない工具なのに結構良いお値段です。しかし、流石は専用工具です。斜めに入ったワンは一発でスポンと抜けました。圧入工具に至っては感動もので、スルスルと上ワンと下ワンを同時に入れる事が出来ました。これは良い買い物をしました(1回しか使わないけど)。

ところがです・・・今度はクラウンレースが入りません。ノギスで図ると26.5〜26.6mm。これもITA規格よりも0.1mm太い様です。ネットではクラウンレースは内径30mmの塩ビパイプでたたき込めるとありますが・・・無理。そこで、1回しか使っていない購入したばかりのワンの圧入工具を利用してみる事に。オオーー何だか入って行きます・・・あれ、でも斜めになって来た・・・。パキ??!!。慌てて工具を外すと、金属のクラウンレースが割れていました。

一応、補修パーツのクラウンレースを再度2枚発注しましたが・・・これ、専用工具でも割れそうな気がします。TAIWAN製のフレーム、精度悪すぎ・・・。

そこでふと閃きました。専用工具ならばJISのヘッドチューブにITAのヘッドパーツを圧入できるのでは無いか。自転車屋さんは「大きな声では言えないけど、僕らは結構やっちゃってます」って言ってたし・・。

そこで、取り付けたばかりのTANGEのヘッドパーツを外します・・・外れない。ネットで買ったワンを外す工具、1インチと1-1/8インチ対応って書いてかるのに、1インチのワンを上下嵌めると、ワンの内径が小さすぎて穴に入りません。そこで、仕方なくマイナスドライバーで叩き出します。買ったばかりの3200円のヘッドセットが傷だらけに・・・(涙)。

片側が外れれは、そこからワン外し工具が入ります。もう片側は簡単に、キレイに外れました。

さて、内径30mmのJISのパイプに30.2mmのITAのヘッドセットは圧入できるでしょうか?・・・拍子抜けする程、簡単に入って行きます。さすがは専用工具です。買って良かった!!(そのに2回も使た!)

これで最初の計画通り、ケンクリークのヘッドセットが使えました。何故こんなに苦労してまでケンクリークなのかって・・・だって、あのトカゲのエンブレム、カッコ良すぎでしょう!!

銀色に輝くヘッドセットに合わせて、ステムもシルバーに。走行中のステムのボルトが折れた経験のある私は、ステムには拘ります。やはり、ここは made in America のThomsonでしょう。ヤフオクで程度の良い品をゲットしました。

アルミブロックから削り出されたThomsonのフォーク、切削跡が少し残っている所がタマリマセン。鋳造品とは違うのだよ!!

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■ ハンドルと一緒にキノコも注文したよ? ■


ヘッドパーツとステムがシルバーなので、ハンドルも順当に行けばシルバーですが、それだとクラシカルに寄り過ぎるので、ここは黒をチョイスします。

ここも made in America の RITCHEY をチョイス。新車外し品をヤフオクで2500円でゲット。でも出品者の住所が岩手県です。送料が1500円って勿体ない。何か同梱出来る物で良さげなものを出品していないかと探すと、自転車のパーツに交じって「乾燥香茸(コウタケ)50g」なんてのが有ります。

ネットで調べたら「松茸以上の香りを誇る幻のキノコ」とか「フランスの高級食材」などと書かれています。3000円の値段も、ネットの業者の価格よりは割安です。うーん、幻のキノコ、食べてみたい・・。ポチットな。

はっきり言います。私、ハンドルよりも香茸の到着を楽しみにしてしまいました。ちなみに香茸は下の写真の様な形をしています。乾燥するとより香が強くなるとか。


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焚き込みご飯にしてみました。1傘だけしか使いませんでしたが、家中に香茸の匂いが充満しました。・・・ポルチーニに近い様な・・・。私、断言します。香茸、マジ最強・最高っス!!

■ ブレーキレバーもトカゲマーク ■

問題はブレーキレバーです。ピスト用のブレーキレバーは絶滅危惧種に指定されています。トカゲマークの CANE CREEK もキャリパー用のレバーは廃盤です。

そこで、中古ショップをネットで徘徊して、アルミ色のレバーをゲットしました。ラッキー!!



■ クランクは自転車の顔だよね ■

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次はクランクです。これは大事。だって「自転車の顔」ですから。

トランプ大統領の顔を立てて、made in Amerika のSRAM OMNIUM にしようかとも思いましたが、これは以前使っていました。剛性は高いのですが、ちょっと硬すぎる感じもしました。

そこで、今回はイタリアーーンな MICHE を選択。チェーリングが削り出しというのがポイント。敢えて剛性がそこそこのスクエアーテーパーのモデルにします。国内よりは海外通販が圧倒的に安い。Wiggleで国内の半額程度で手に入りました。

2週間程で日本に到着。しかし、海外通販の梱包ってスゴイですね。クランクが箱の中で固定されずにカラカラ音を立てて当たっていました。神経質な人は海外通販向いていないかも・・・私は大丈夫です。


■ フリーコグと言えばホワイトインダストリーズ ■

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今回は固定ギアにはしないのでフリーコグが必用です。フリーコグも made in America でトランプさんの顔を立てます。 Whiteindusetrys社製のコグは精度が高い事で有名です。以前はシマノを使用しましたが、走行中、カッタカッタカッタと音鳴りがして不快でした。

値段はシマノの3倍以上ですが、寿命も長い様なので、思い切って使ってみます。

Whiteindustrys社のコグ、神です。固定ギアで走っているのでは無いかと錯覚してしまいました。無音でスムース。そしてパワーが無駄なく伝わる感じがヤバイです。そして、足を止めた時のカラカラと乾いたラチェット音も最高です!!


■ 手組ホイールの代名詞、マビックのオープンプロ ■

さて、足回りはどうするか。そうだ、今回は手組ホイールにしてみよう。

以前、完組のグランコンペとマビックのエリプスを使いましたが、エリプスは硬くてゴロゴロした感じが苦手に感じました。シングルスピードはトップスピードが制約されるので、スポークの空気抵抗をそれ程意識しなくても良いでしょう。むしろ、スポークの数が多い方が、縦にしなやかで横に剛性の有るホイールになって乗り易いのでは?

ショップでグランコンペのハブとマビックのオープンプロのリムの商品を見付けました。程よいシルバーの分量がGOODです。(パーツは見た目が命です!!)

■ 後輪のクイックリリース化・・・結果的にはナットに戻した ■

実はグランコンペのハブにした理由は「クイックリリース化」。一般的なシングルスピードの自転車は、ホイールの固定はナットで行います。チェーンの張りをタイヤを前後にスライドして行うトラックエンドでは、チェーンに引っ張られてホイールが前方にズレる可能性が有ります。ロードバイクで使われるクイックリリースでは、固定力が弱いので普通はナットでしかりと固定します。

しかし、ロングライドなどでは出先でパンクした時の為に15mmのボックスレンチを携帯する必要があり不便です。競輪の選手も街道練習用のホイールはクイックリリース用に改造したりしています。

以前、クイックリリース化に挑戦しようとして購入したグランコンペ用のクイックセットが手物に有るので、ハブ軸を中空シャフトに交換してみました・・・・。

結果・・・私のフレームはエンドがBMX用なので、チェーン引きがエンドの内側に掛かりません。(競輪用の認定フレームは、チェーン引きを掛ける為にエンド幅に3mm余裕が有ります)無理をすれば内側に掛けられますが、エンドに無理な力が掛かって精神衛生的によく無い。さらに、チェーン引が動き難くなるのでミカシマのチェーン引きの細いネジが壊れそうで怖い。

仕方無くチェーン引きを外側に掛けると・・・チェーン引きはクイックリリースのレバー軸に掛かる事になります。3mmの軸に結構大きなせん断力が掛かるので、これに命を預けるのは不安です。結局、ナット式に戻しました。(ベアリング交換の練習にはなりました。)


■ ブレーキが合わない ■

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シングルスピードのフレームは不便です。ブレーキの使用を前提としていないので、ブレーキを取り付ける穴が開いていません。幸い、フロントフォークにはブレーキ穴が隠れていましたが(パテで埋めて塗装してありました)、リアのアーチにはブレーキを取り付けられません。そこで、一般には写真の様なプレートでシートステイにブレーキを挟み込んで固定します。

シートステイを連結するパイプを逃げる必要が有るので、ブレーキの取り付け位置は通常より上か下になります。上に付ける場合、たいがいブレーキアームの長さが足りなくなるのでロングアーチタイプのブレーキが必用になります。

取り合えず、確認の為にダメ元で中古ショップでカンパのベローチェのブレ―キを3000円で購入して付けてみます。アウトです。後ろのブレーキにアーム長が足りません。連結パイプの下に取り付けると、タイヤがブレーキに当たってしまいました。

そこでショップで CANE CREEK のロングアーチブレーキを購入します。在庫はフロント用が最後の1つ。でも大丈夫。実は挟み込み金具を使うと、ブレーキのネジ長が足りなくなるので、リア側も取り付けネジの長いフロント用のブレーキを使用した方が確実に固定出来るからです。効きの悪い純正のブレーキシューは速攻でシマノに交換します。この時、左右のシューを入れ替えて、ブレーキの逆向き固定に対応させます。

このフレームだとロングアームのブレーキでもリムまでギリギリでした・・・。チェーンが伸びたらヤバイ感じ・・・。

■ チェーン引きが使えない ■

ブレーキアームの長さがギリギリなので、チェーンは短めにしてホイールの中心を前気味にします。・・・・あれ、チェーン引きのボルトの長さが足りないぞ・・・。

チェーン引きとは、チェーンによって前側に引っ張られる後輪の車軸を固定する金物です。後輪が前方にスライドすると、チェーンが緩んでチェーンがギアから外れる危険性があるからです。競輪ではチェーン引きの使用が義務付けられています。(海外のメーカーのピストバイクの完成車には付いていません)

どうやら、このフレーム、リアエンド金具のスライド幅が大きい様です。調べると、BMX用で長いエンドに対応するチェーン引きが有るらしい。これを手に入れるまで、暫くはチェーン引き無しで走る事になります。ちょっと不安だけど・・・。


■ シートポストは made in Japan ■

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シートポストは日本が誇るニットーにしました。ピカピカにポリッシュされたポストの上部に控えめに入ったロゴが素敵。

シートはとりあえず手元にあったものを適当に付けましたが・・・意外に似合ってしまって・・・。(後日、セライタリアのスエード地のものに交換しました)

■ ボトルケージ用の穴が無い ■

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ピストフレームで困るのはボトルケージ取り付け用のダボ穴が無い点です。

バンド固定や、クランプ式の物が市販されています。固定力が有り、デザインの良い物を選択してみました。シートポスト用は、ポリッシュのアルミに合わせて MINOURAの クランプ式。シートポストは目立たない TOPEAK のバンド式にしました。

ボトルケージは金属の風合いを重視しています。

バーテープは皮風を巻いてみました。これ、結構厚くて、巻くのに苦労しました・・。


■ 究極の自転車の乗り味は ■

さて、私的究極自転車の乗り心地は・・・

「乗って軽い」の一言に尽きます。

車体重量は9.3kgで今時のバイクとしては重い部類です。しかし、実際に乗って漕いでみると、挙動は軽やかです。

49t-17tのギアー比2.88ですから、スタートは少し重い感じがしますが、20km/hを過ぎると、自転車が勝手に走り出します。クロモリ特有のバネ感というやつですが、さすがにメガチューブに支えられたBB周りの剛性は高く、捩れる感じは皆無。シートステーも太いので、リアエンドの周辺が適度にしなって、クン、クンっと小気味よいリズムで進みます。

特筆すべきは登り。一般にクロモリフレームは登りが苦手ですが、重さのせいだと考えている人が意外に多い。

実はクロモリが登りを苦手とするのは、フレームがしなる事が原因。大きなパワーが掛かり、ケイデンスが遅くなる登りでは、フレームの変形に力が浪費されてしまうのです。

メガチューブのクロモリが意外に登る事はラレーのMTBで経験していましたので予想通りですが、流石にダウンチューブ43mmのパイプ径は凄いです。トップチューブも33mmで、こちらもガッチリ。

フレームとフォーク合わせて3kgもありますが、その重さを感じさせない登りの性能は流石。


さらにピストのフレームはBBの位置が高いので、乗り味はクイックで、ヒラヒラとした感じになります。これが取り回しの軽やかさに繋がり、あたかもNYのメッセンジャーになった様な楽しさを味わえます。

以前乗っていたアルミの canonndale の CAP は、車体が軽いので、ヒラヒラし過ぎて不安定でしたが、ガッチリとしたメガチューブクロモリだと、バランスがとても良い。

そして、鉄のフレーム独特の振動の伝わり方が心地よい。アルミの様な「ガシャガガシャ」した振動では有りませんし、カーボンの様なプラスチックの箱みたいな振動とも違います。コン、コンと如何にも金属を伝わる振動ですが、角が丸まっていて楽しい振動です。

流石にチェーンステーとシートステーが太いので、路面の段差は拾いますが、手組のホイールが振動を適度に減衰させている様です。後三角が硬いフレームなので、路面追随性は少し低い感じです。グリップ力に定評のあるIRCのWET対応の26Cタイヤを装着していますが、派手なダンシングで路面によってはタイヤのグリップが抜ける感じがします。もしかすると、ツーリング車用のタイヤの方が相性が良いかも知れません。ダート走行も出来ますし、グラベル・シングルバイクなんて、面白いかも。


乗ったその日から、体の一部になったかの様な、まさに究極の自転車の完成。これは一生モノです。



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