2019/1/7

GPIFの運用を客観的に評価する  時事/金融危機
 

■ 2018年 10-12月期で14兆円の損失を出したGPIF ■


日刊ゲンダイがGPIFが2018年の10〜12月期で14兆円の損失を出す見込みだと報じています。世界中で株価が下落した影響です。

GPIFは2014年10月末に株式の運用比率を増やしています。


       2014年10月発表 6月末時点の比率   これまでの割合
国内債券      35%     51.91%        60%
国内株式      25%     16.79%        12%
外国株式      25%     15.54%        12%
外国債券      15%     10.76%        11%



GPIFの株式運用は国内外ともにトピックスに準じる様なので、収益は平均株価にほのリンクしている様です。


■ 国債一辺倒では収益が出せなくなったGPIF ■

株価などが下落してGPIFが損失を出すと、必ず日刊ゲンダイなどが否定的な記事を出しますが、日本国債の金利がほぼゼロに張り付く中で、GPIFが収益を上げるにはリスク運用の比率を増やすしか有りません。

結果的にGPIFの収益が増えた事は、下の運用実績(手数料を引く前)からも分かります。


クリックすると元のサイズで表示します
GPIFの収益推移(兆円) ・・・ 人力作成

収益が大きく落ち込んでいるのはリーマンショックと、FRBの利上げによって株式市場が混乱した2015年です。

単年度の収益推移のグラフからは、GPIFが儲かっているのかどうか、イマイチ分からないので、累計のグラフにしてみました。



クリックすると元のサイズで表示します
GPIFの収益累計(兆円) ・・・ 人力作成

GPIFはリーマンショック以降運用実績を伸ばして来ました。しかし、それは世界的な資産バブルによって生み出されていたとも言えます。

仮に2019年に株価が大幅に下落したらどうなるか、勝手にグラフに追加してみました。

2018年の収益を0、2019年の収益をマイナス30兆円にしています。2018年の10−12月期で14兆円の損失を出したならば、2019年にさらなる株価下落が発生したら30兆円程度の損失が出るであろうと想定しています。

■ GPIFのリスク運用が悪いのでは無く、TOPIXに連動する運用が悪い ■

日本国内のみならず、GPIFの存在は米株式市場でも拡大しています。GPIFは海外株式運用分25%の半分の12.5%を米株で運用しています。残りはイギリス市場で6%程度、その他アジアなどに分散しています。

米国ではGPIFのアップル株の保有割合がゴールドマンサックスやJPモルガンを凌いでいるとブルムバーグが報じていますが、彼らは日本国内の株式の運用比率を下げて海外の比率を増やすべきだとも主張しています。(まさにカモ扱い)

GPIFの運用はTOPIXに準じている様なので、個別株の運用比率がTOPIXの構成と似ているのでしょう。だから、アップルなどの比率が高くなる。これ、実は日本同様にアメリカの株高を演出して来た影の立役者だという事です。

そして、日本同様に米株でもGPIFは株価が下がると、株式の運用比率が下がるので株式を買い増して、市場を底支えしているハズ。

これは非常に危険で、株を高値掴みしているので、株価が崩れると損失が雪ダルマ式に膨れ上がります。

本来、年金資金の株式運用は長期運用をベースに、インフラ企業など安定した企業に投資すべきですが、現在のGPIFは国民の年金を鉄火場の燃料にしてしまっているのです。


■ 年金資金のリスク運用は仕方無いが、今のままでは「カモ」 ■

安全資産と言われる国債の金利が下がり切ってしまった以上、年金の積み立て金を増やす為にはリスク運用もやむを得ません。

しかし、運用を証券会社やゴールドマンサックスなどに頼っていたのでは、年金の資金は彼らにとって格好の「カモ」となってしまいます。

今後、仮に市場が大幅に下落した場合、GPIFが巨額な損失を出す事は必至ですが、根本的な運用問題は論議されずに、GPIFの幹部の責任だけが追及されるでしょう。そうなると彼らは「市場の動向を読み切れなかった」とか「リーマンレベルの市場の崩壊が起きたので仕方が無かった」と言い訳するハズです。まあ、辞任して責任の所在を曖昧にすると思いますが・・・。

国民としては、最終的に積立金の運用がマイナスにならなければ日本国債でゼロ金利運用した事と同じな訳で、結果的には「株高の演出にGPIF資金が利用され、誰かが大儲けした」だけの事なのですが・・・。


■ 「池のクジラ」となったGPIFと日銀は逃げられない ■

現在、GPIFと日銀は日本株市場で「池のクジラ」となっています。GPIFも日銀も、株価が大幅に下落しても、市場の崩壊の引き金を引くわけにはいかないので、株を売る事が出来ません。逆に買い支えて損失を拡大させます。

一方でGPIFは株価の回復局面で、底値で買い支えた株を、安値で放出せざるを得ません。何故ならば、株価上昇によって運用比率が拡大してしまうからです。

短期的には弾力的に運用されていますが、運用比率のシステムをもっと柔軟にするだけで、GPIFの収益は、もう少しリスクに強くなるのですが・・・誰かここら辺の改革をする人材は居ないのでしょうか?
6


※投稿されたコメントは管理人の承認後反映されます。

コメントを書く

名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL




teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ