2020/6/29

危機はこれから・・・コロナ倒産が始まる  時事/金融危機
 

■ 崩壊する米小売り企業 ■

アメリカの百貨店大手J.C.ペニーが倒産しましたが、新型コロナウィルスの影響は、ネット販売の影響で「死に体」だった米百貨店業界にトドメを刺そうとしています。

近年、シアーズやバーニーズ・ニューヨークなどが既に倒産していますが、ロード&テーラーも破綻が噂され、ノードストロームは米国内16店舗を閉鎖、メイシーズは125店舗を閉鎖します。

この影響をモロに受けるのが、百貨店に出店する高級アパレルや化粧品業界です。今後、経営が破綻するアパレル企業や、化粧品企業が続出する事が予想されています。

■ 中央銀行がリスクを引き受ける事で延命する企業 ■

新型コロナウイルス対策の一環として、各国は無利子融資を実施しています。これは金融機関に無利子で企業に資金の貸し出しをさせ、その債権を中央銀行が買い取るシステムです。アメリカの例を取れば、融資期間は5年、融資金額は企業は1〜2年支払い猶予を受け、融資下限は25万ドル、上限は2500万ドルとなっています。中小企業から、超巨大企業までがこの融資の対象となっているのです。売り上げの殆どが消失した航空会社や、小売り業界がこの融資でどうにか生き延びています。

これらの融資は、今後の経済状況にもよりますが、不良債権化するものも多いでしょう。最終的には中央銀行のバランスシートが悪化します。

■ 問題は信用の低い企業のローンを纏めたCLOの格下げや暴落 ■

クリックすると元のサイズで表示します
ブルームバーグより

上のグラフは日本の大手金融機関が保有するアメリカの「ローン担保証券(CLO)」の保有額です。CLOは信用力の低い企業のローンを纏めて証券化した、企業版の「サブプライムローン」の様なものですが、米国で小売り業などの倒産が増えると、ローンの一部が不良債権となるので、CLOの価格も下落します。

金融緩和によって「まともな金利」が消えた世界で、日本の金融機関の多くは「AAA格」などと格付けされたCLOを大量に保有しています。特に農林中金や三菱UFJ、ゆうちょ銀行の保有額が大きい。

多くの米企業がFRBの間接融資によって延命していますが、コロナ後に業績の回復しない企業からチャプター11が選択され、CLOに含まれる不良債権は増えて行きます。当然、ムーディーズなどの格付け会社は格下げを検討し、CLOの価格は低下します。農林中金の1−3月のCLOの評価損は4000億円超。各行の損失は今後さらに拡大するでしょう。


■ 株価は既に「経済の指標」の役割を放棄している ■

コロナショックで一時大幅に値を下げた株価は、各中央銀行の無制限の資金供給によって値を戻しています。投資家はコロナによる長期的なリスクは意識していますが、中央銀行の流動性の供給によって短期的には「株は買い」だと判断している。

一方で、リスクが拡大している社債やジャンク債の一部をFRBが買い入れています。これらの資金の多くが株式市場に流入している。

現在世界は新型コロナ収束後の「V字回復」を想定していますが、世界のGDPの10%以上が確実に失われ、雇用が大幅に減少した世界で「V字回復」は短期的で、今年後半からは「景気後退」が現実のものとして世界を覆います。

本来は「景気の先行指標」である株価は下落するハズですが、リーマンショック後から既に株価は金融緩和の規模にしか反応しなくなっており、「景気の指標」としての役割を放棄しています。

これは「株価は景気が悪化しても安泰」なのでは無く、「景気後退が明確になった時に暴落する」事を約束しているに過ぎません。

■ 中央銀行がリスクの担い手となる世界 ■

リーマンショックの後、FRBは暴落した住宅担保証券を大量に購入して、金融機関に資金を供給しました。これはFRBが金融機関のリスクを引き受けた事を意味しています。

今、FRBはジャンク債までをも購入していますから相当にリスクが膨らんいる。これは日銀とて同様で、日本株や不動産のETFを大量に保有しています。今後、危機が明確になる度に、中央銀行はリスク資産の購入を増やして行きます。

同時にコロナ対策で大量に発行される国債を市場から買い入れ、国債金利を低く抑えるので、中央銀行のバランスシートは肥大化して行きます。これは同時に通貨の価値の稀釈化を意味します。

本来は物価が上昇してインフレが発生しますが、中央銀行の供給する資金の多くが資産市場に流入する為にインフレは資産市場で発生しています。これが「金融緩和バブル」の正体です。

■ どこかで世界は壊れてしまう・・・ ■

中央銀行が無利子融資の担い手となる事でどうにか崩壊を免れている世界ですが、アフターコロナの世界は、コロナ前の姿には戻りません。企業の売り上げも落ち込み、長期失業者も増えます。当然、消費は抑制される。

こんな状態でアメリカの一部の富裕層の資産はコロナ前よりも上昇したと報じられています。金融緩和を繰り返す事で「焼け太り」しているのです。こんな状態は永続はしません。必ずや、どこかで破綻する。

私は「リーマン超級の金融危機」が必ずや発生すると信じていますが、その被害は失業率の増加として底辺の労働者に最も強く現れます。いえ、ナケナシの資金を資産市場で運用していた中間層も多くの資産を失い「下流」に転落します。

既にアメリカではトランプが分断を煽り、崩壊の兆しが表れています。きっと世界は何処かで壊れてしまう・・・・。


「リモートワークで会社に行かなくてイイから楽だ」と喜んでいる貴方、マジで貴方の机と椅子が会社から消えるかも知れません。ご注意を!!
12

2020/6/30  8:28

投稿者:鍛冶屋
人力さん

>>まさにその東リ・・・
って、やっと貨幣定量説から脱訳されたと思ったら、またそこに回帰なされるのですねぇ・・・。こりゃ、厚い本へ書評(ご批判・反証)がますます楽しみです ^^)。

2020/6/29  10:37

投稿者:人力
777 さん

まさにその通りで、資産市場は「貨幣硬化」によって上昇しているに過ぎませんが、マネーサプライによって拍車が掛かっています。そして、含み益は確定しなければ「幻」に過ぎない。

問題はAI化などで将来的には所得上昇が抑制される事が予想される点です。AIが人の知能を越える事(シンギュラリティー)は容易くは実現しませんが、AIの特異な分野の労働はどんどん奪われて行くでしょう。

「この資料、集めといてくれる」なんて作業は、当然AIに奪われる。公的機関や銀行の窓口業務はAI以前に普通に電子化・自動化で必用無くなります。「ホワイトカラーが失業する」というのがAI失業の特徴でしょう。

2020/6/29  6:02

投稿者:777
>中央銀行の供給する資金の多くが資産市場に流入する為にインフレは資産市場で発生しています。これが「金融緩和バブル」の正体です。


マネーフローが10倍になれば貨幣価値が1/10になり、株価も本来価格の10倍になるというだけですね。
別に金融緩和で増えた金で株価が上がるのではなく、株価が本来の適正値に戻るだけです。


貨幣価値が1/10になっても、給料はそれ程上がらないので、実質賃金も1/10になります。

商品価格の大半は人件費なので、物価はあまり上がりません。

これが金融緩和してもインフレにならない理由ですね。

※投稿されたコメントは管理人の承認後反映されます。

コメントを書く

名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL




teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ