2011/5/7

「バルカン」政治家の面目躍如・・・浜岡停止要請は正しい  福島原発事故
 

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■ 「バルカン政治家」菅直人 ■

菅総理の写真を探していたら、若かりし頃の写真を見つけました。
一介の若者から、一国の首相に昇り詰めるまでには、それなりの運と才能が必要です。

菅直人は今でこそ「アキカン」などと揶揄されていますが、本来は「バルカン」政治家で通っていました。

「バルカン」とは、バルカン半島を意味し、「混迷する政局」の比喩です。
政局が混乱を極めた時に、水を得た魚の様にそれを乗り切る政治家達を指す言葉として、使用されていた様です。

細かい政策や、緻密な戦略は苦手でなのに、政局になると頭角を現す政治家が、菅直人となら、地道にネゴシエーションを繰り返す小沢一郎とは対極にある政治家とも言えます。

■ 「浜岡停止要請」というカイワレダイコン ■

菅総理を首相の座まで押し上げたのは、「空気を読む力」では無いでしょうか。

「イヤイヤ、全然空気読めないじゃないか」と仰る方が多いでしょうが、彼が読んでいるのは、「空気の流れが変わる瞬間」です。さすが、理系だけあって、変曲点は逃さないのです。

かつてのO157の事件でも、マスコミの「カイワレ大根叩き」に庶民が辟易したタイミングを上手く捕まえています。

今回の「浜岡」でも、次々に明らかになる事件の真相に、世の中の大勢が「反原発」に偏った瞬間を上手くつかまえています。

原発問題は原発を推進した自民党が本来責任を取る問題ですが、政権政党である民主党と菅政権はとばっちりを受けた形です。(民主党にも旧自民党議員は原発利権とどっぷりの方もいらっしゃいますが)

そこで、自民党の尻拭いで「原発推進」を継続して支持率を落とすよりは、「反原発」という民主党左派の本来の立ち位置に戻った方が、有利だと判断したのです。

■ 福島の事故は特殊では無い ■

今回の福島事故の真相は今後明らかになると思われますが、3号機の燃料プールの即発臨界爆発説まで出てくると、事態はチェルノブイリに劣らず深刻です。

今回、旧式の沸騰水型の原発の弱点が色々と明らかになっています。
「事物の核心」は、「津波」でも「電源喪失」でも無い可能性があります。

@ 配管が破断が疑わしい

  16cm厚の鉄鋼で出来ている圧力容器よりも、配管の強度が弱い事は明確です。
  配管は、サスペンションやダンパーを用いて耐震性を確保していますが、地震の揺れの
  周期は複雑です。その結果、吸収し切れない力によって、配管は激しく揺すられます。
  配管は高温高圧の水蒸気や放射線によって、内部の肉厚が削られています。さらに溶接
  部分の強度も経年劣化してゆきます。圧力容器や格納容器が破損するよりも、配管の
  炉心との接続部や、屈曲部の破断や損壊の可能性が高いと思われます。

  電源が復旧した後も、循環系の冷却装置が作動しない事は、配管の破断を示唆しています。

A 「使用済燃料プール」という盲点

  今回の事故で4号炉の使用済燃料プールで火災が発生しました。3号炉も使用済燃料
  プールでの即発臨界爆発が疑われています。

  これまでの原子炉の安全性は、圧力容器や格納容器の耐破壊性を追及してきました。
  一方、原子炉建屋の上部に無造作に設置された使用済燃料プールにはあまり注意
  が払われていませんでし。

  しかし、使用済燃料はプルトニウムの比率が高いので、ウラン燃料棒よりも臨界を
  起こしやすい状態です。使用済燃料で再臨界が発生しないのは、金属のカゴで、燃料
  棒の距離を適切に保っているからです。

  3号炉の即発臨界疑惑では、水素気爆発で、この「距離」が変わってしまったのだろ
  と予測されています。水素気爆発は、プールの水が抜けて使用済燃料棒が高温となり
  水と反応して水素が発生した事が原因です。

  使用済燃料プールの水は何故無くなったのか?冷却系の喪失も理由の一つですが、
  燃料プールの亀裂による漏水も否定出来ません。

このように、どの原発でも普通に存在する、配管と燃料プールが事故の原因であるならば、日本中の原発が同じ危機を有している事になります。

■ M9.0は偽り ■

さらに、今回の地震が本当に想定外の震度だったかという問題もあります。

@ 気象庁は最初M8.4と発表
A M9.0に訂正するが、これは計算方法を世界標準のモーメント・マグニチュードに変更
B 原発の耐震基準は8.4
C M8.4で原発事故は発生してはならないので、M9.0にしてしまった。

D 福島第一で記録された地震による加速度(ガル)は中越地震の柏崎以下
E 福島第一から震源地までの距離は100Km以上
F 東北大震災は津波被害は大きいが、揺れによる被害は甚大では無い

もし、福島第一の事故原因が、津波では無く、地震による配管の損傷であるならば、地震の規模も「想定外」にする必要がありました。

この問題を震災後、いち早く指摘した北海道大学の地震学者の島村教授は、何故か逮捕されてしまいました。

■ 浜岡原発の事故は、日本の破滅 ■

地震が活動期に入り、次は東京直下型地震か、東海地震が発生するとも言われています。

浜岡原発は東海地震で動くとされる活断層の上に位置します。
もし、地震が発生して浜岡原発が重大事故を起こせば、西風に乗って放射性物質が東京まで到達するといわれています。

現在の日本で、二回目の原発の事故は、国家の信用失墜に直結します。
そそて、浜岡の事故は、東京の首都機能を奪い去ります。

GEの元技術者である菊池氏は、浜岡原発の原子炉を支える鋼鉄製のスカートは、厚さが薄く、直下型のタテ揺れに耐えられないと指摘しています。
さらに、配管関係の不備も指摘しています。

■ 「浜岡停止要請」で先手を打った菅首相 ■

今後、福島の真実が明らかになれば、世論はさらに「反原発」に傾きます。

菅首相は「浜岡停止要請」によって、「原慎重論」に方向転換し、「反原発」を味方につけようとしています。

原発推進論者達が、どんなに合理的かつ論理的に原発の安全性や、放射能の無害性を主張しても、国民は「感情的選択」しかしません。

菅総理は、時代の変曲点に敏感です。
「浜岡停止要請」は、現代の「カイワレ大根一気食い」ですが、その結果、民主党は庶民に迎合して、「原発慎重派」に政策を変更しました。自民党との対立軸が明確になるこの政策変更は、政治的には正解ではないでしょうか?

これをポピュリズムと批判するのは簡単ですが、「大衆迎合」こそが現代の政治の本質です。
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タグ: 原発事故

2011/5/9  6:20

投稿者:人力
はつゆき さん

確かに、菅総理の「浜岡停止要請」は唐突で、場当たり的な印象は否めません。

ドイツは福島事故の直後、国内の全ての旧型炉を停止しました。反原発の「緑の党」が政権に参加しているので、当然の対応です。ヨーロッパは広域で電力を融通しあっていまので、出来る芸当ですが、国民の理解もあっての対応です。

日本では原発問題は一部の方を除いては、興味が持たれていませんでした。ですから、事故が起こるまで、事故が起きた時の対応の国民レベルのコンセンサスがありません。問題の本質はこちらにあるのであって、菅総理の「浜岡停止要請」はむしろ遅過ぎた感すらあります。

東北の巨大地震に連動して、東海や南海プレートでも地震が連動するリスクは低くは無かったはずです。浜岡は元々「あってはならない原発」なのです。「東海地震は予告されて何十年間も起きないじゃないか」という指摘もありますが、確率論から言えば「起きない=確率が高まる」という事になります。

夏場の電力不足やトヨタの業績を心配する声が多く聞かれますが、トヨタは11月まで部品不足で50%以上の減産体勢です。「浜岡停止」を試すには、言葉は悪いですが絶妙のタイミングです。日本人は「喉下過ぎれば」の国民ですから、半年後では国民の合意は得られないでしょう。浜岡の危険性は、自民党ですら認識しています。しかし、「止める手立てが無かった」というのが、実情ではないでしょうか。

2011/5/9  5:56

投稿者:人力
鍛冶屋 さん

厳しいご意見ですが、尤もなご意見です。

政府の対応で事態が落ち着いてから追求すべき内容は

@ 情報の隠蔽(SPEEDIの予測)
A 初動避難の遅れ(12日に30Km圏強制避難が妥当?)
B 14日の即発臨界を公開せず、結果的に多くの被爆者を出した
C 小中高校を事故直後に休校にしなかった(関東含め)

これらの事により、結果的の多くの初期被爆者を出しています。放出放射線量は、事故の種類と規模に依存しますが、14日の即発臨界以上の事態が発生すれば、さらに被害は拡大したはずです。

政府が情報を隠蔽せざるを得ない理由も理解出来ます。
事の重大さを知った国民はパニックを起こします。
人々は我先に東京を脱出しようとし、銀行に殺到し、東証は大暴落し、3月企業決算はズタボロで金融機関を始め倒産続出・・こんな事態が予測されました。

地震と津波と原発に加えて経済崩壊と国民のパニックが加われば、どんな事態になっていたか分かりません。


実は、私は地震のあった3月11日に、銀行から私のヘソクリ(大した額ではありませんが)を全額下ろしまいた。大地震と原発事故のダブルパンチで、取り付け騒ぎになるのではないかと危惧したからです。東証が通常援用するとは、夢にも思いませんでした。

情報の隠蔽こそが「たった一つの冴えたやり方」だったのかも知れません。

2011/5/8  23:01

投稿者:はつゆき
始めまして、福島原発関連の記事を漁っていたらこちらを発見して、以後楽しく拝見しています。
個人的には「代替エネルギーもなければ、石油ガス争奪戦に参加して経済弱小国を苛めたくない」という理由で原発は現状維持派ですが、反原発派の方も現実が見える方の認識はかなり近いことを知って大変勉強になりました。

なのに批判的なコメントで申し訳ないのですが、「浜岡原発を止める、という決断はともかく、地元やエネルギーのフォローを一切やらない稚拙さ」に怒り心頭です。
原発を止める、というのは重大な決断で、それを下すつもりなら相当のフォローをしないと経済はもちろん、人命すらストップしかねません。
反対している人は「フォローもなく中部電力に対応を責任を丸投げしているから」という意見も多いことを念頭に置いて頂けると嬉しいです。


まあ、これだけ重大なことだというのは、首相本人が分かってないでしょうけどね。市民活動上がりの、経済活動をしたことがない人間らしい短絡的な考えです。
もっとも、こんな政党を選んだ有権者が過半数いたから、こんな事態になってますが。

2011/5/8  19:18

投稿者:鍛冶屋
こんにちは 人力さん。

自分は変わらず反管贔屓で。

>先日・・・仮にも一国の首相を相手に、「そこら辺のオッサンを相手に怒りをぶつけ
>る様な行為」をした市民に非難の声が上がらない日本のマスコミと世論こそが恐ろ
>しいと思います。
 なぜ、たかだか国会議員風情に怒りをぶつけて(しかもそれはまっとうな意見)、マスコミや世論から非難の声が上がるのでしょう?。総理大臣ってそんなに偉いんですか?。誰も菅さんにやってくださいとお願いした訳ではありません(むしろ辞めて下さいとお願いしています)。自分から(自分の仲間内だけで決めて)、勝手に出て来て、制度上お山の大将なっただけでしょう。総理大臣であろうと一般人であろうと、偉業を成した方なればこそ尊敬に値するのであって、ただ総理っと言うだけで崇め奉らなければいけない必要なないでしょう。

>事故発生以来、不眠不休で対応に追われる首相に、国民はもう少し敬意を払っても良いのではないでしょうか?
 別に不眠不休だから偉い訳ではないでしょう?。ようはこれまでに何をしたか? どう対応したかを問われて皆は評価しているのでしょう。情報は隠蔽し、対応は後手後手でしかも各官省とのバラバラ・・・本来のまとめ役としての資質を全く持ってられないとおもいます。

>・・・ルーズベルト・・・大統領の周辺にいた記者達が大統領を囲んで、写真を撮らせなかったという話が残っています。
 それは、ルーズベルト大統領の業績(ひいてご本人に)に敬意を払ったっと言う事であり、大統領だからではないのでは。もし、ルーズベルト大統領がどうしようもないダメダメな政治家なら、障害があるからではなく、その人をして皆は軽侮したのではないでしょうか。

2011/5/8  19:17

投稿者:鍛冶屋
>日本人は直接選挙で首相を選ばないので、「自分達の首相」という意識が低いようですが、
あるわけありません。
首相は国民の代表ではなく、与党第一党の代表・党首であるだけですから。
本来、与党の代表・党首が変わる、政策を大きく変えると言うなら、解散総選挙して国民に信任を問うのが筋じゃないですか?(っと昔はご党人も仰っていましたよね)。

>マスコミが褒めれば「首相が好き」、マスコミが貶せば「首相が嫌い」では、
 それが分かっているなら、なぜマスコミを利用して、国民に分かり良い政治を目指さないのでしょうか?。やる事をやっている姿が見えれば、おのずと人気は着いて来るでしょう。全てをマスコミのせいにするのは簡単ですが、逃げ口上にしか聞こえません。

>・・・まともな政権運営は不可能です。
 なぜでしょう?。やる事やってくれていないから、人気がないのでは。当初に国民に人気があると無かろうと、やるべき事をしっかりやってくれていれば、自ずと人気など着いて来るでしょう。

>私は菅さんはアメリカの言うなりの首相ですが・・・
 それが何より問題(だった)ではないでしょうか。
人力さんはリフレ派に懐疑的なご様子ですが、結局現状の政策はアメリカの臨終を日本が延命し、その間蹂躙されまくっているだけではないですか。どうせ最後には一番痛い目に会うのが日本なのだから、早い段階でNo!を突きつけていれば・・・っと思いますが。

>少なくとも原発問題に関しては、自分の意思で頑張っていると思いたいです。
少なくとも、現状では思えません。頑張らなくてもいいから、ちゃんとして欲しいです。

2011/5/8  4:02

投稿者:人力
鍛冶屋 さん

 先日、福島視察で住民に詰め寄られていましたが、私は仮にも一国の首相を相手に、「そこら辺のオッサンを相手に怒りをぶつける様な行為」をした市民に非難の声が上がらない日本のマスコミと世論こそが恐ろしいと思います。
 事故発生以来、不眠不休で対応に追われる首相に、国民はもう少し敬意を払っても良いのではないでしょうか?
 セオドア・ルーズベルトはポリオによる下半身麻痺で車椅子の大統領でしたが、アメリカのメディアはこの事を決して報道する事はありませんでした。ある時、一人の記者が車椅子姿の大統領の写真を撮ろうとした時、大統領の周辺にいた記者達が大統領を囲んで、写真を撮らせなかったという話が残っています。
 日本人は直接選挙で首相を選ばないので、「自分達の首相」という意識が低いようですが、マスコミが褒めれば「首相が好き」、マスコミが貶せば「首相が嫌い」では、まともな政権運営は不可能です。
 私は菅さんはアメリカの言うなりの首相ですが、少なくとも原発問題に関しては、自分の意思で頑張っていると思いたいです。

2011/5/8  3:45

投稿者:人力
うに さん

Uniqueでうにさんだったのですね。
低線量率放射線の問題は、今後いろいろな所から話題になると思います。政府が暫定基準の20(mSv/年)の根拠を国民に納得させるには、LNT仮説について言及せざるを得ないと思います。

2011/5/8  0:58

投稿者:鍛冶屋
こんばんは人力さん。

なんか褒め殺し・・・のような^^;)。
いかにも大英断を下したかのような面持ちでしたが、世論に阿たばかり、
この人本当に事の重大さを理解されてるのでしょうか?。

2011/5/8  0:15

投稿者:うに
こんにちは
孫さんが、低線量放射線に気付いたようです。
情報記事自体は否定だから、発展するのかしないのか微妙?

「うに」はUnique(他に類を見ないさま。独特なさま)の
頭をとったものです。

『蘇れ人力さん』←今思う気持ちのすべて。

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