2009/6/8

乖離する実体経済と金融経済  時事/金融危機
■ 日経平均株価は1万円に迫る勢い ■

GMの破たん処理を無難にこなして、
世界経済は最悪期を脱した模様。
日米ともに株価も回復し、
一時、6000円代であった日経平均株価も
1万円を伺うまでに回復しています。

って事は、景気は回復しているって事???
皆さん、お仕事をされていて、「景気の上向き感」って感じられますか?
内需関係は、益々悪化しているのではないでしょうか。
輸出関係も、在庫調整が終わり、
極端な生産調整が終了しただけで、まだまだ本格的ば回復は程遠いはず。

雇用も益々悪化しています。
雇用の悪化は消費にダメージを与えます。

■ 物が売れない ■

百貨店に行けば分かり易いのですが、
リーマンショック直後の消費低迷は、
富裕層が資産を減らした事により発生しました。
贅沢品が売れなくなって、大手百貨店の売り上げ減少が顕著でした。

しかし、現状は若い世代の消費が低迷しています。
派遣契約の打ち切りに始まり、
正社員の給与や雇用に不安の影が射し、
消費行動が完全に萎縮しています。

小売業は今、「売り上げの消失」に喘いでいます。

■ 仕事の消失 ■

私の実感では「仕事が減った」では無く、「仕事が消失した」という感じです。

会社員の方は、会社に行って、給与が振り込まれれば、
仕事をしていると錯覚します。
特に、間接部門の方は、営業職よりも実感が乏しいと思います。

しかし、肝心の会社は売り上げが上がりません。
過去の契約を消化していても、将来の契約が取れません。

会社は内部保留を切り崩したり、
融資で凌いでいますが、
トヨタですら今期の赤字を予測しています。

■ 株は何故上がるのか ■

では、何故、株は値上がりするのでしょうか?

アメリカの経済指標には変化が見られます。
しかし「鈍化が緩やか」になっただけで、向上はしていません。

経済指標を読む時に、データを微分したりします。
全体的には右肩下がりのデータを、
微分すれば、「下落が鈍化」した時点で向上するグラフが描けます。
株式投資などは、先取りしてナンボのものですから、
景気回復の徴候をどうにか捕らえようとして、こんな微細な変化にも反応します。

まして、財政出動で湯水の様にお金がばら撒かれている現状は、
バブル期のごとく過剰流動性が発生しています。
投資家も投資銀行も、ファンドも、
リーマンショック以降おとなしくしていましたが、
彼らは低金利で投資資金が手に入る今のチャンスを逃しません。

市場も警戒感が薄れています。
穴に引っ込んだミミズが又、恐る恐る首を出しています。

■ 懲りない世界 ■

実体経済は麻痺状態ですが、
お金は潤沢にあります。
このお金を運用する先は、本来、将来性のある企業なのでしょうが、
投機的な運用をした方が、はるかに早く稼ぐ事が出来ます。

金融市場が復活すれば、アメリカのゾンビ銀行も再び売り上げを伸ばす事が出来ます。
制約の多い政府資金などとっとと返済して、
市場から資本を調達して、又、かつての華やかかりし時代の復活を夢見ます。

金融界は結局、全く懲りていないのです。

■ 政府の目論見どおり ■

ここまでは、各国政府の目論見通りだと思います。
税金でリスクを押さえ込み、狂騒状態(バブル)を復活させる。

しかし、このミニバブルには持続性がありません。
なぜなら、現在、世界に有望な投資先が無いからです。
投資と消費の行き着く先のアメリカの購買力は復活していません。

現状は、ばら撒かれたお金が市場に集まってきているだけで、
価値を増やす事が出来ません。

当然、実体経済の成長を伴わない投資は、単なるマネーゲームです。
音楽が鳴り終わったら、お金は誰かの手元へ・・・・。

リーマンショックで賢くなった市場は、
危険予知にも敏感になっています。

アメリカの国債が売れ残ったり、
中東の緊張が高まったりすると、
以前よりも過剰に反応します。

次の危機は、アメリカと世界秩序の崩壊を伴います。
実を伴わない景気回復が、いかに脆いものであるか、
世界はその時知るのでしょう。


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タグ: 株価 経済


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