『純愛譜』
イ・ジェヨン (監督)
イ・ジョンジェ (主演男優)
橘 実里 (主演女優)
キム・ミニ (女優)
2000年制作
2001年日本公開
★★★★☆

『
イルマーレ』(イ・ヒョンスン 監督 2000年)のイ・ジョンジェ主演による、韓流ブーム勃発前に撮られた日韓合作映画。オリジナルタイトルも『純愛譜』(ただし、「スネボ(
순애보」)と読む)、または『ASAKO IN RUBY SHOES』。タイトルは最悪だけど、内容は良かった。
閉塞的な日常生活に何ら意義を見出せないでいるソウルの公務員と、空虚な家庭生活に疑問を抱きつつも家族以外に絆を求める術を知らない東京の女のコ。孤独な2人の波長がシンクロした先に起きた奇跡を描く。

静かな映画。村上春樹の『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(1985年 新潮社)を想い出した。ソウルと東京、派手な出来事は何も起きない2つの物語が、それぞれ同時進行的に進んでいく。最後の最後で両者が繋がったところが、この映画の終着点。それは、2人の物語の始まりでもある。
ソウルと東京でそれぞれ別の人物が撮影を担当しているが、どちらも良い仕事していると思う。韓流純愛ドラマ路線とは全く異なるテイストの映画なので、このタイトルは大失敗。僕だってイ・ジョンジェが出てなければ絶対に観なかったと思う。タイトルで多くの視聴者を失っているかと思うと非常に残念。

ダラけた雰囲気の役所の中でも群を抜いてヤルキな〜い感じのイ・ジョンジェが良い感じ。橘実里は、本作が映画初出演作だそうだが凄く良い。その後目立った活躍をしていないのが不思議。僕が知らないだけだろうか?
今日の一言韓国語は、「
감각이 없어서요.(カmガギ オpソソヨ)」。「
아서/어서/여서」で文章を終わらせちゃって構わないんですね。字幕では「感覚がなくて」と訳されていた。
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Kota's Movie Review

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