JAZZ POLICE/police yourself 新品CD ¥2029
あまり良いジャケットとは言えないが、今年聴いてきたスウィングものではこれが一番良かった。ジャズ・ポリスのふたりは80年代の真ん中位にキートンズと名乗り、それはそれは、よくハモる、スウィング感たっぷりの、良質50年代風ロック/ポップを聴かせてくれていた訳だが、音楽性は聴いている層に対して大人すぎるせいか、ある一線を越える人気は手に出来なかったかのように思っている。ロカビリー、という画一的な紹介しかされなかったこともあったが、僕の中ではスターゲイザーズと並び、最良の現役バンドだったこともあり、両者ともにネオ・ロカ・ファン以外のところに随分とお買い上げ頂いてきたわけだが、今回のジャズ・ポリスもそうである。生ギター二本+ウッド・ベースでドラムレス。アコースティック・スウィングと言い切ってしまうには勿体無い、究極のギター・デュオ+究極のハモリは聴くものを躍らせ、聴かせ、泣かせ、そして安心感を与えてくれる。たったのふたりでアルバム一枚をすんなり聴かせること自体が業物だが、秘密はスウィング感の中にある、ゆらぎの感覚である。唄うことも、弾く事の中でも、これは解っていても難しい技なのである。オール・カヴァーで18曲、全てのアレンジが完璧と言っても過言ではない。ジャズ風、ハワイアン風、エルヴィス調、ジャンゴ風、そしてダン・ヒックスのようなお笑いを伴うようなビート。ノリに乗っていると、ムーン・リヴァーやティル・ゼア・ウォズ・ユーのような曲も間に挟まれており、構成自体も完璧である。まあ、曲作りだけでは無く、アルバム作りの才能も持った、究極のドイツ人二人組みなんだろうな。勿論、2006年、今年の作品。今もかかっているのだが、なんだか音楽史が盛り込まれた流れ星のようなポップ・アルバムなのかもしれない。
以上、2006年10月10日の楽音舎ブログより
以下、JAZZ POLICE について書き綴った記事
2006年10月17日
2007年1月27日
2008年7月8日
2008年7月10日
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