「力を伸ばす数学演習 T・A/U・B/V・C(代々木ライブラリー)」
徒然レビュー
教科書確認から入試レベルへの橋渡し的演習書
「力を伸ばす数学演習」T・A/U・B/V・C(代々木ライブラリー)
タイトルの「力を伸ばす」から受ける印象は人によって違うだろうが、教科書学習をひととおり終えただけの人が忘れていそうなレベル(入試基礎)を中心に、一部入試標準レベルまでを橋渡し的に扱った演習書。中堅レベルの大学入試問題を中心に扱っている。
類書として「Z会数学基礎問題集 チェック&リピート」(Z会出版)が浮かぶが、あちらのように問題のタイトルはついていないものの、同種の問題を1つの「問題」(例題)として扱い、補足事項によっては「問題」1題あたり3ページ以上費やして解説している。09年11月に「V・C」が発売されたが、かなり前に出ていた既刊「T・A」「U・B」に沿った内容である。
著者は代ゼミ講師の湯浅弘一先生と浜島章先生。湯浅先生は「トレーニング」重視の指導をされているようで、5分考えて解き方が分からなければ「ここがポイント!」を読んでやり直すといったように学習法も指示している。
難を言うなら、本が分厚いわりに紙面は意外とスカスカで、特に解答部分がそっけない印象を受けるところ。必要な内容はひととおり書かれているが、欲を言えば計算等でもう少し省略せずに書いて欲しいところも目につく。これをテキストに授業をしてもらえば、よりクリアに理解できると思うのだが。もしくは、それを前提に作られているのだろうか。