※10年1月8日(金)配送のメルマガ記事から抜粋しています
この年末年始、受験生時に当サイトを参考にしてくださっていたsakusanさん(同じお名前で
サイトSNSに登録してくださっています)とおっしゃる学生さんとお話する機会がありました。
そのとき、本題とは違ったのですが、受験生の皆さんにとって有用と思われるお話をたくさんしていただいのたで、いつも当サイトでお届けしております「合格者の声」の一環としまして、特に今の時期(1月)から本格的に勉強を始めようという高2の皆さんに参考にしていただきたいと思います。筆者のコメントとともにどうぞ!
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□sakusanさんからのメッセージ(筆者で再構成しています)
水野先生の「数学参考書レビュー」は受験生時代からよく参考にさせていただいています。
私は、公立の進学校出身です。高2の夏過ぎに、「チェック&リピート」(Z回出版)を使うきっかけとなったのが、先生のレビューでした。あのタイミングで「チェック&リピート」をこなしていたことが、入試の頑丈な基礎づくりになりました。感謝しています。
「チェック&リピート」は本当に役に立ちました。高2の秋にT・A、U・Bの「チェック&リピート」、「1対1対応の演習」数式の基盤(東京出版)(これは同値性、逆手流などをまとめてある本として非常にお気に入りの本です)をこなし、基礎が固まった実感があります。高2の冬に「理系数学良問プラチカ」T・A・U・B(河合出版)を使いましたが、十分解くことができました。
高2の冬から数V・Cをはじめました。授業→「カルキュール[基礎力・計算力アップ問題集]」数学V・C(駿台文庫)→「1対1対応の演習」V・C(東京出版)の順でこなしました。基本的に、学校指定の傍用問題集「4STEP」(数研出版)は(自学自習時は)使用しませんでした。
確率が特に苦手だったので、「解法の探求 確率」(東京出版)の原則編を解いたところ、苦手ではなくなりました。高3では上記の問題集の復習、模試の復習、学校・予備校の授業の冊子、プリント(難関大学の入試問題)をこなしました。
センター試験対策は全然しなかったため、数学は7割5分程度(全体では約割5分程度)でしたが、センター後はひたすら志望大学の予想問題を10セットと過去問を10年分弱程度解き、現役で合格しました。文系科目は最後まで苦手な受験生でした。
指導者となったいまでは、生徒さんの入門書選びに「数学参考書レビュー」を使わせていただいています。今回は指導上の相談にも乗っていただき、ありがとうございます。
□sakusanさんへのお返事
お使いになられた問題集のご感想、ありがとうございました。
○「Z会入試基礎問題集 チェック&リピート」(Z会出版)
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http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/142.html
に収録されている問題はいわゆる中堅どころの大学の入試問題が中心ですが、難関大に合格された皆さんの間で評判が良い理由を改めて教えていだたくことになりました。
この本で扱われている問題は、教科書内容の確認問題が約半分で、残りは入試の基礎〜標準の入り口レベルです。前者をしっかりこなすことが入試対策の準備につながります。
教科書をひととおり学習した人が、知識の穴埋めをしながら入試レベルの問題に触れるのに適した問題集で、筆者の中では、現在市販されている数学参考書・問題集の中で(存在価値が高いという意味で)ベストの1つになっています。
ただ、自学自習で使うには、収録問題の難易度のバラつきと分量の多さが気になることも、また事実です。実際、掲示板等でご質問をいただいた受験生の皆さんにも、言うほどおすすめすることが出来ずに今までやってきました。
それは、皆さんからのご質問にメルマガでお答えするという今の形でやっていると、皆さんの学習上の問題が「ご質問」という形になってからしか参考書・問題集をおすすめ出来ないため、もし「チェック&リピート」をお薦めしたとしたら、始めても過去問演習などに入る前に終えることが難しい場面が大半であったためです。
ところが、実際に受験勉強を終えた皆さんに聞いてみると、今回のsakusanさんもそうでしたし、前にもそういうかたがいらっしゃったように記憶しておりますが、ご自分で早くから受験勉強というものを意識され、こちらでご質問されるまでもなく「これを使ってみよう」と学習を始められています。そして、受験勉強のヤマと言われる入試半年前の夏休みまでに安定した成績が出せるようになる、ということだったのです。
特に数学という教科は、学習した分がすぐに成果となって現れることが少なく、ある程度の期間頑張っていくうちにいつの間にか成績が上がっていたり、ふとしたきっかけから今までに習ったことをより深く理解でき、世界観とでも呼べるものがガラッと変わったりすることが多い教科です。入試で得点源にするには、「がむしゃらに頑張る」という段階を、どこかで踏まないといけない教科だと思います。
sakusanさんは、高校で数学を教えてくれた先生の「かっこよさ」にあこがれ、先生の記号の使い方やら何やらを徹底的にまねをして、使いこなせるようになったそうです。だからこれを読む全員にそれをしろとは言いませんが(筆者は逆に、特殊な記号は好きになれない人間です)、微力ながら当メルマガでそのお手伝いが出来ればと思います。
きっかけは、ひょっとしたら小さなことかも知れません。でもその小さなことを逃さず、それに一生懸命になれた人が、最後には目標を達成できるのだと、今回改めて思いました。