「数学TAUB問題総演習 mathematics419(学研)」
徒然レビュー
学校用の受験編問題集に近い構成・内容。分量が多いうえ対象レベルも高く、突飛な出題も多いので注意を要する
「数学TAUB問題総演習 mathematics419」(学研)
数学T・A・U・Bの教科書範囲を学習し終えた人が、受験に向けて本格的な準備をしていくために、近年の大学入試問題を分野別に多く収録した演習書。市販本で同タイプの本は見当たらないが、学校用の「スタンダード数学演習 受験編」T・U・A・B(数研出版)あたりが近い。この手の、いわゆる「受験編」に比べてすぐれている点として、まずはやはり解答が詳しい点、あとは問題編の見開き左上にある確認問題「warming up」の答えが右下ですぐ確認できる、入試問題については出題した大学名の横にすべて解答目安時間が書かれているなどの機能面があげられる。
対象レベルはかなり高め。書名にあるとおり「419」問収録されているが、出題大学名を見る限りとくに見開き右ページでは難関大の問題が中心で、これらすべてが「1問」と数えられているわけだから、他書で言う419問とはわけが違う。まず見開き左の問題には即答できるレベルになっていないとつらい。そうでなくても、できれば指導者のもとで使うべきである。解答はそれなりに詳しいが解法のポイントを言葉で説明した部分がごく一部しかないからだ。
難点はやはり紙面。個人的な印象かも知れないが違和感がぬぐえない。問題編のページ数が絶対的に少なく、問題文が詰め詰めに書かれていて大変読みづらい。ここまで詰めて書かれると、それだけでやる気が失せてしまう。それ以前に、表紙からして受験参考書ぽくない。外国で発売された本が翻訳されて「ダイヤモンド社」かどこかから発売されている経営学の教科書か、さもなくばビジネスマン向けの啓蒙書かと思った。先日見た「A・SOの解法」の新課程版もそうだったが、最近、学研の紙面づくりがどこかおかしい。