センター試験も終わり、ニュースでも入試が話題になり始めるこの時期、皆さんはこれらのニュースをどんなふうにご覧になっていますか。
少々乱暴ですが、この時期に入試のニュースを自分のものとして捉えられるようになっているかどうかで、あなたが「受験生」になっているかどうかが分かるというのが私の持論です。特に、この時期にセンター試験の問題を(もちろん全科目ではないにしろ)実際に解いてみる。この作業をしているかどうかが最も大きな基準になると思います。
さて、私は・・・。
現在中学部で仕事をしていますが、「東大!」「京大!」「阪大!」「医学部!」などとまあ、行けるかどうかはともかく志望は高い連中に囲まれているので、授業の合間にも彼らの意識を高めるべくいろいろと言うのですが、それ以上のことをすでにやっている子も毎年いたりして、本当にビックリします。この時期、中・高を通じて年間の総合順位が気になりだす子は多いのですが、それとは別次元で「受験」というものを近くに感じはじめているかどうかの方が実は大事なんだということに我々も気づいています。
とにかく、意欲のある生徒さんは、方法論であるとか習っているかどうかは別にしてまず問題を解こうとしてくれます。たとえば、一般常識の範囲で取り組める国語の現代文、社会(とくに地理や現社)、あと先取りカリキュラムを施行していれば中3終了時点で数学T・Aにはほぼ取り組めることになります。英語は学校での扱われ方も含めて差が出るところですが、難しい文法事項が少ない読図問題などに限り、分からない単語を辞書で引きまくればけっこうなところまで行きます。指導する側も、高1の今の時点(遅くとも高2の夏ぐらい)で
*** 「センター試験は通過点だ」と思える程度の基礎力を養う
ことを視野に入れて、基本事項の先取りの度合いと演習量、個人を見るのか全体を見るのか、そのあたりのバランスを考えつつ、いろいろと模索しながら実践していっています。それでも、私のいる学校なんてまだまだ甘っちょろいもんで、クラスの半分ぐらいが東大に行くような学校や、そんな学校に通う生徒さんが集まる塾には、もっとすごい世界が広がっていることと思います。学校の名前もそうでしょうが、やはりそういった環境的なものまでひっくるめた「雰囲気」、つまり生徒さんにどんな「世界観」を与えてくれるかに対して、保護者の皆さんはお金を払ってくださるのだと思います。
・・・さて、高校受験を経験して、今その1年目、2年目を終えようとしている皆さんはどうでしょう??
文化活動やクラブに打ち込むことも大事であるし、それを一方的に悪の権化みたいに言う気はありません。最低限すべきことと、自分のやりたいことが両立できていればそれでよいのです。が、皆さんのライバルになりうる人たちはどうでしょうか??皆さんと同じか、それよりもっと難しい教材、もしくは圧倒的に多い量の練習をすでに終え、自分のものにしてしまっているのですよ。テストでクラスの平均点がとれたからいいやとか、校内順位がこのへんだからいいやとか、そんな程度で安心しているとしたら大きな間違いです。本当は自分で勉強したいのかも知れないけれど、
*** その「やり方」が分からないからとりあえず先送りしているだけ
だと私は言いたいです。断言します!
だんだんと年度の終わりが近づきますが、この1年で本当に「受験生」と呼ばれるにふさわしい足固めが出来たかどうか。恵まれた環境にいる人もそうでない人も、自問自答してみてください。もうすぐ「大学全入時代」といって、入る大学・学部を選ばなければ、進学を希望した人全員がどこかの大学に入れる時代になります。が、それに甘え、この時期に自分の将来について真剣に考えることをせずに「とりあえず」大学に入ってしまったら、そのツケは絶対どこかに回ってきます。自分自身の経験を踏まえてもそうでした。皆さんには「こんなはずじゃなかった」と嘆かなくていいように、今のうちに十分悩んでおいて欲しいのです。