勤務校では毎年、新中1生対象の講習会を開いており、今年は数学を私が担当することになりました(英語だけの年もあります)。
今年は、作図のような「作業」をしてもらったり、数学クイズのような問題を出題したりしながら、その裏には中学で習う数学が隠れていることを教え、その内容を「つまみ食い」的に紹介するというコンセプトの講座を実施しています。全5回のうち、先週までで2回を終えたのですが、なにぶん初めての体験ということもあって妙にハイになってしまい、いきおいだけで突っ走ってしまったところもあります。そこで、私自身がその内容を忘れないように、その内容を書き留めておこうと思います。
もっと詳しい内容が知りたいかたは・・・個人メールで問い合わせていただいても忙しくてお答えできない可能性が高いので、どうかこの手の「授業のネタ」を集めた本でもご覧になってください。その方が、私が説明するより分かりやすいし面白いと思うので(?)。
第1回:「三角定規回し」と???の定理
一定幅の「切り込み」をつくり、そこに三角定規のような物を突っ込んで回すと、その先端は円を描くという性質があります。
今回は、ノートに2つの点を打ってそれを「切れ込み」に見立てました。さらに、別の長方形の紙を折って90度・90度・鋭角・鈍角の台形をつくり、鋭角をはさむ2辺を前述の2つの点にそれぞれ乗せた状態で鋭角の頂点の位置をプロットする。これを、頂点をずらしながら何度も繰り返すと(最初はルールを掴むのに苦労するが慣れたら面白いですよ!)、プロットした点がしだいに円形に繋がってくるのがわかります。「円を描く」というと皆さんはコンパスを想像するでしょうが、それとはまったく異なる方法で、中心も半径もわからずに円が描けてしまいます。なぜでしょう??
実は、この現象の裏には「円周角の定理」(正確には「円周角の定理の逆」)というものがあるのです。これは今、中2の教科書(勤務校では中1で使うテキストの最後のほう)にちらっと紹介されていますが、皆さんはもうわかってしまいました!
※ここで円周角の定理の説明とその証明をしました(証明がメインではないので、これは最も典型的な図の場合についてのみ行いました)。
さて。皆さんは新中1生ということを考えれば正直ここまででも十分だと思うのですけど、もうひとつ皆さんの力に期待して、ちょっとだけ先を考えてみました。
(問1)こうやってできる「円」の中心は一体どこにあるでしょう??実は非常に簡単な方法で見つけることができるんですよね(紙を2回折るだけ!)。探してみてください。
(問2)この方法で「円」を描く際、最初にとった2つの点を結ぶ直線について片側の部分しかつくることができないように思われます。ところが、円の残りの部分をほとんど同じ方法でかんたんに描く方法があります。どうすればいいでしょう??
<ヒント>皆さんは、長方形の紙を折って台形にしたのでしたね。
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高校生の皆さんにおすすめの本(講談社ブルーバックスより)もこちらに紹介しておきますので、興味があったらぜひ読んでみてください。