「ゆっくり考えよう!高校総合学習の数学(講談社ブルーバックス)」
徒然レビュー(再録)
03年12月28日「徒然レビュー」執筆分より加筆修正
「ゆっくり考えよう!高校総合学習の数学」(講談社ブルーバックス)
高校の数学で単元をひととおり学んだあとに、「テーマ学習」という位置づけで扱いうる内容をいくつかとりあげ、詳しく解説してある。ある程度の基礎学力は必要だが、授業を受けているように読める。途中式も、この手の本にしては省略せずにきっちり書いてあるし、章末にある「問」の解答・解説も詳しく、わかりやすい。純粋な大学受験数学の参考書ではないが、一貫校の優秀な中3〜高1生にぜひ触れて欲しい内容が詰まっている。
たとえば、数学Uの三角関数を学べば、この本にある「sin3°の値を求めよ」という問題が解けるだけの道具を手に入れたことになるのだが、皆さんは取り組めるだろうか。授業で教えてもらった問題は解けるけど、少し問いかけや見た目が変わると途端に考えようとしなくなってしまう。・・・そんな学習姿勢のまま、表面上だけ1年や2年先取りしたところで、何の足しになるのだろうか。過去に東大で出題された「円周率は3.05よりも大きいことを証明せよ」という問題も頭をよぎる。