「メルマガ【志望大学に必ず受かる数学参考書の選び方】11-09-01-2」
数学参考書の処方箋
□奏団スルオさんからのご質問
はじめまして、奏団スルオと申します。現在、都立高校の通信制課程に通っている17歳です。ほぼ2年半勉強をしていませんでした。
このままではマズイと思い、2週間かけて中学数学を学習したのち、このサイトを参考に「白チャート」(数研出版)を、書店で吟味して「4STEP」(数研出版)(※筆者注:教科書傍用問題集)を購入し、知人の大学生にアドバイスをもらいながら、数学以外も含め、学習を進めています。予備校には通っていません。
最近U・Bに突入したのですが、「白チャート」・「4STEP」だと問題が簡単過ぎるからなのか、高校数学の基礎はこれで全てなのか、一般的にどこの高校でも教える単元や定理はこれだけなのか、という不安が襲ってきます。ただ、下手に難しい参考書や問題集を使って挫折するのは嫌なので、ひとまずこれで全範囲を終わらせてみようと思っています。
また、通信の授業はあまり意味がないように感じていて、高認をとっての受験を考えています。(数Tの単位は修得済みで、数学の試験はありません。)既に高校は在籍しているだけの状態です。志望大学は千葉大学医学部医学科です。現役合格は絶望的ですが、志を落とさず行きたいと思います。
そこで質問なのですが、これらを終わらせた後、どのレベルの参考書あるいは問題集へ繋げればいいのでしょうか。元々、順々にレベルを上げて行こうとは思っていたのですが、早い内に具体的な候補を挙げておきたいのです。「チェック&リピート」(Z会出版)はいいと思いますが、それならそれで、またもう一段階上のレベルのものまで教えてもらえると嬉しいです。問題集に関して言えば、問題数がやたら多いものが好きです。
今夏の模試を受けますが、現在、最近の学力のデータはありません。参考になるか分かりませんが、
・1日の勉強時間は平均して10時間〜14時間程度。
・分からないところは先の知り合いに聞いて、詳しい解説を得られる。
(とはいえ、ひとりで出来るに越したことは無いので、参考書、問題集共に解説は詳しい方がいいです)
・・・という感じです。
長文、散文で申し訳ありません。失礼します。
□奏団スルオさんへの回答
熱意あふれる書き込みを読ませていただきました。筆者の個人的な都合により、回答が遅くなり恐縮しておりますが、よろしくお願いします。
お身体の回復とも相談しながらでしょうが、お話をお伺いする限り、まず高卒資格は問題なくとれそうということで、そのうえで目標に向かって頑張っていただければと思います。お友達の存在も大きいのと思いますが、基本的には、今されているように、自宅学習のメリットを生かし、時間をかけて演習量を確保していかれると良いと思います。
そういったやり方にマッチするのは、やはり問題数の多い問題集ということになりますが、国公立大医学部志望の場合、難問対策も気になる中で、標準的ではあるが入試独特のひねった出題がされている問題に対し、いかに手早く正確に解くかということがまずは大事になってきます。そういうことであれば、
○「Z会数学基礎問題集 チェック&リピート」(Z会出版)
→
http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/142.html
が仕上がったあと、
○「即戦ゼミ 大学入試数学頻出問題総演習」40文理共通編/41理系編(桐原書店)
→
http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/612.html
に進まれることをおすすめします。一部基礎の反復問題も含まれていますが、教科書とは少し違った切り口で問題を集めてあって、易から難まで幅広いです。2冊ともとなると通常は負担になるのでおすすめしませんが、実質高校に通っていない奏団スルオさんなら今からでも大丈夫でしょう。
さらに、「即戦ゼミ」が終わった後になると思われますが、千葉大では1段階高いレベルを網羅する必要がありそうなので、予備校などでハイレベルな授業を受けてくるであろう面々に対抗する意味で、
○「医学部攻略の数学」T・A・U・B/V・C(河合出版)
→
http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/333.html
というシリーズもおすすめしておきます。たまたま、筆者も仕事で千葉大の入試傾向を分析したり、千葉大の入試に詳しい知人と話したりする機会があったのですが、千葉大にはいわゆる「医学部専用問題」が存在し、数学をより高いレベルで理解し演習しているかどうかを見ようとしているので、(ただ問題数が多いだけでなく)1題を丁寧に扱い、周辺事項まで含めて解説した演習書に取り組み、そのような授業を受ける代わりにしてはどうかと思った次第です。
筆者には目的に少しでも合いそうな参考書・問題集をおすすめすることしか出来ませんが、今年度はしっかり基礎固めする年と割り切って、まずはチャレンジしてみて下さい。良い結果を祈っています。
