「もう一度言います。皆さんは、本当に「受験生」になれましたか??」
時節のアドバイス(過年度)
最近は、大学入試の問題も早いものは出題されたその日の夜には予備校のサイトに掲載され、解答・分析までされるようになってしまいました。以前に、新聞のセンター試験を見るかどうかが受験生かどうかの1つの基準になるというお話をしましたが、今回は2度目です。
今、手もとに今年の京大で出題されたばかりの問題(理系・前期)のコピーがありますが、その大問4の問題などは、問題文の式のnに適当にいくつかの値を代入して計算してみたら、なんのことはない、教科書傍用問題集や参考書で1度は見たことがあるであろう問題に関連づけられることがわかるのです。要は問題文を見て「ああ厄介だな〜」と思ってそこで思考が止まってしまうか、止まらず食い下がることができるか。それだけが問われている問題と言っても過言ではありません。
# 予備校のサイトにも問題がアップされています。↓こちら
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http://hiw.oo.kawai-juku.ac.jp/nyushi/honshi/06/k01.html
この問題だけをとれば、中学生でも正解できる子がかなりいると思います。他の問題とも併せて見てみると、確かに答案作成という意味では厄介なところも見受けられるが、数学V・Cのウェイトは思った以上に低く、「これで理系?」と思わされるような構成でした。
ちなみに阪大も見てみたのですが(関西に指導の場をおいている以上、京大と阪大の問題も見ておくのは指導者として最低の義務だと思うのですが、よい機会に恵まれました)、阪大は相変わらず「いわゆる正統派の大学入試」を貫いているなといった印象を受けました。関西の雄たる2大学ですが、これだけ出題傾向が違ってしまうと、京大に行きたい生徒さん(行かせたい学校)と阪大に行きたい生徒さん(行かせたい学校)では、対策の方向性を根本から変える必要がありそうです。
阪大のような、V・C重視の大学を志望する場合、教科書レベルの学習をいかに早く終え、入試標準レベルの演習をいかにまんべんなくやるか、それでほぼ決まると思います。ただ阪大の場合、文系でも計算量・記述量が並大抵ではないので、よほど数学に力を入れておかないと、1つの問題に時間をとられずぎ、他の問題まで手が出ず点がないというパターンに陥りそうですけどね。京大はまた違うと思うんです。教科書的な分野にとらわれない出題で答案作成力が必要、V・Cは必要だがそれほど重視しないとなると、とにかくV・Cまで終えなきゃと先を急ぐよりも、分野分野で学んだ内容をしっかり深めながらいかに定着させていくかという意味での「勉強」が必要になってくると思います。計算は出来るけど・・・程度の生半可な「対策」しかしてこない人間はバッサリ切り捨てるような厳しさがありますね。
・・・今から難関大を受験しようと考えているが、自学自習が主になるので心配だという人はきっと多いはずです。そんな皆さんのために、分野別に過去問を収録したこちらの本を薦めておきます。もちろん予備知識は必要ですが、分野によっては低学年から取り組めるところもあるので、早めにこれらの問題に触れておくのは決して悪くないと思いますよ。
毎年、整数問題云々の質問は受けるのですが、数学Aの「集合と論理」から、教科書学習時に手が出にくい問題をどの程度面倒がらず押さえるか。それと過去問演習。最近は奇をてらった出題が本当に減ったので、そういった当たり前の対策でも部分点までは何とかなるとアドバイスするようにしています。出来ることをせずに単に心配だけするのは、京大という名前に怯え、戦わずして負けているだけ。どこかで聞いたようなセリフですが、恥をしのんで言うことにします。
*** 「京大なんて簡単だ!?」