「対面にて参考書選び・学習法のアドバイスを行いました!」
数学参考書の処方箋
※
『数学指導のコンサルタント』としての仕事の一環ですが、学習相談の意味合いが
強いため、こちらに掲載しています。
※先方の了解を得て掲載しておりますが、相談日と記事日付は別にしております。
某日、公立高校の3年生の生徒さんの保護者様よりご相談を賜り、生徒さんご本人を交えて入試日までの学習に関するアドバイスを行いました。
□ご質問&回答について(先方からのメッセージ:一部筆者にて加筆しています)
国立大学経済学部志望です。高3夏の引退まで部活に情熱を燃やしており、受験勉強に本格的にシフトするのに時間がかかりました。センター試験で目標点数を大きく下回る結果となったことから、ようやく危機感を感じ、2次での逆転狙いとしていかに数学で得点していくか、そのために過去問を解く以外にどんな方法があるのかを相談させて頂きました。
入学時より理系クラスに在籍していましたが、3年の五月に志望学部の変更にともない、理系クラスに在籍しながら(水野注:理科の履修の関係)文系に変わりました。
水野先生のコンサルティングでは、志望大学の過去問の解けなかったところを解説して頂き、2次試験までの短期間で仕上げるための過去問以外のテキストとして、
○「文系数学の良問プラチカ」(河合出版)
→
http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/120.html
をすすめて頂きました。
このテキストの中の苦手分野について、具体的に問題の解き方を教えて頂きましたが、一見難解に見える入試問題も、実際解いていく際には、基礎的な解法をきちんと身につけていることが必要なのだとわかりました。
私の学校では教科書はほとんど使わず、演習をメインに数学の授業が進められてきました。そのため、教科書内容は自分で理解せねばならず、基礎的な内容を充分身につけないままに受験に突入してしまいました。
今回水野先生にアドバイス頂き、難問だけではなく、あらためて基礎問題をしっかりと解けるようにしていくことの大切さを痛感しました。
本番まで時間がなく、センター後から落ち込んでおりましたが、水野先生のお話を伺い、何をすれば良いかが具体的にわかり、最後まで可能性を信じて頑張っていこうと思えました。ありがとうございます。
□水野よりコメント
問題の解き方が分からないとき、本当に難しい問題を除けば、教科書の基本事項(代表的な参考書で「例題」として使われるような解法)にヒントがある。意外なことを忘れていたり、問題の複雑さに目を奪われて本質的なところが見えなくなったりするので、過去問や問題集の学習の中で、面倒でも基礎レベルの教材に戻って復習・見直し(定理の導き方なども)を行いながら、1問1問をしっかりと学習していって下さい。
生徒さんご本人が「ああ、そういうところもバカにせずやらなきゃ」と思った瞬間が、基礎知識の抜けを克服する最大のチャンスなのですが、そういう「きっかけ」を得るためには、単に教科書で基本事項を復習するだけではダメで(よほど真面目な生徒さんを除いて)、受験勉強などを通じてある程度難しい問題にチャレンジしないといけない場合が多く、そのためには相応のレベルの高い目標を持っていることが大事なんです。しかし、あまり難しい問題ばかりに当たりすぎると、目の前の問題をとにかく処理するのに必死な状況に陥ってしまい、本当に大事なところに目が向ける余裕が生まれない。効果的な学習というのは本当に難しいことなんです。
結果はどうあれ、本当の意味で「学習する」とはこういうことなのか、と生徒さんが少しでも目覚めてくれたら、今回お話をさせていただいた価値があると思います。今からの短期間で出来ることは、今までバラバラに得てきた知識をつなげることぐらいかも知れませんが、それで今まで解けなかった問題の解き方がフッと理解できるようになることもありますから、頑張っていって下さい。
