対象レベルは明確だが、解答方針の説明がそっけないのが気になる
「西岡の超対策 国公立大医学部数学」(栄光)
別解を載せている問題も多いし、解答や解説自体がそっけないわけではないのだが、なぜその解答方針になるのか、という部分の説明があまりなく、いきなり答案が始まる感じがする。「どうしていきなりこんな式が出てくるんだろう?」という疑問が消えないまま、その解法オンリーで押し切られてしまうとストレスがたまる。好き嫌いは絶対あるだろう。
確かに1つ1つの解法を見たらエレガントかも知れないし、この内容で実際に西岡先生の授業を受けたらまた印象が違ってくるのかも知れないが、一般の受験生にも書けそうな答案ももう少し扱っておいて、そのうえで著者のお気に入りの解法を見せてくれるという手順を踏んでくれないと、どこがすごいかすら分からず、ただ解答をなぞるだけの勉強になってしまうと思う。
つくりとしては、以前あった「医系数学ノート」(代々木ライブラリー)あたりが原型になっているものと思われるが、そのときの弱点が全体的に克服できていないのが残念。